村井章子のレビュー一覧
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米国商務省経済分析局が設備投資の対象に「情報技術」を加えたのが1958年。この年をIT元年だと考え、ムーアの法則により、集積密度の倍増ペースが18ヶ月毎だと仮定すると、32回倍増したのは2006年。すなわち、つまりその年にチェス盤の32マス目に到達している。2015年は38マス目。指数関数的な進化が我々を驚愕させるのはまさにこれから。
未来のコンピューターは、パターン認識能力、問題解決能力から人類の脳そのものの感情や、知性までカバーするようになる。
統計は平均値ではなく、中央値で見ること。
1983年から2009年にアメリカで創造された富の100%”以上”が世帯の上位20%で生じており、残り80%の世帯では富が”減って”いる。それも、富の正味増加分の80%以上が上位5%の世帯に、40%以上が上位1%に集中している。つまり、「GDPが増えても国民の大部分は貧しくなっている。」
2000年以降、雇用が激減しているが、それは解雇の増加ではなく、雇用の喪失。欠員1件あたりの募集頻度がこの10年で激減した。つまり、雇用主は労働者を必要としていない。
オークンの法則が通用しなくなっている。デジタル技術の高性能化と普及に伴い、GDPが回復しても雇用が回復しなくなった。テクノロジーが雇用に与えるインパクトはとても大きい。
オークンの法則:
雇用されて生産活動に貢献する労働者が増えれば実質GDPが高まり、逆に失業率が高まり生産活動に従事しない労働者が増えると実質GDPは低下するので、両者の間に負の相関関係が生じる
産業革命の”初期"までは立派に雇用されていた者の数が、20世紀初めにはほぼ消滅した。それは「馬」である。役馬の数がイングランドでピークに達したのは産業革命からしばらく経った1901年で、325万頭が使われていた。
2002年以降の経済成長の65%を世帯の上位1%が手にしている。
GDPに占める企業収益の比率は過去50年で最高水準に達した一方、労働者に対する報酬は賃金と福利厚生を足した総額で見ても過去50年で最低の水準となっている。パイの取り分は資本家が大きく、労働者が小さくなっている。
モラベックのパラドックス
35年に及ぶAI研究で判明したのは、難しい問題が容易で容易な問題が難しいということである。我々が当然なものとみなしている4歳児の心的能力、すなわち顔を識別したり、鉛筆を持ち上げたり、部屋を歩き回ったり、質問に答えたりといったこと(をAIで実現すること)は、かつてないほど難しい工学上の問題を解決することになる。…新世代の知的機械が登場したとき、職を失う危険があるのは証券アナリストや石油化学技師や仮釈放決定委員会のメンバーなどになるだろう。庭師や受付係や料理人といった職業は当分の間安泰である。最も解明が難しい人間のスキルは「無意識」。
現時点で世界最強のチェスプレーヤーは、人間でもマシーンでもなく、「マシーンを使った人間」。そして、「弱い人間+マシーン+よりよいプロセス」の方が「強い人間+マシーン+お粗末なプロセス」よりも強い。
十分に活用されていない機械を見つけて活用すること、もっと上手く活用出来る人材やスキルを発掘して活かすこと、供給が途絶えた時に使える余剰在庫の存在を知っておくことなどは、優れた新技術に関する知識と同じくらい社会にとって役立つ。
イノベーション力を高めるには、これからは「STEM(科学、技術、工学、数学)」ではなく、「STEAM(+アート)」である。
1992年、クリントン大統領が全米から最高の頭脳を集めて将来の経済について議論させた時、インターネットに言及する者は誰一人いなかった。
貧困国における携帯電話の普及は、産業を様変わりさせるだけではなく、世界を変える。
雇用の二極分化が進む。どうしてもコンピューターに置き換えるのが難しい雇用は2タイプ。
1. 創造的な仕事。今まで誰も考えつかなかった事を想像する事。
2. 肉体労働。
21世紀に成功するのは、組織革新とスキル開発を最適な形で実現できる経済。
組織革新を推進し、人的資本の形成を促進する事。 -
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機械に雇用を奪われているという産業革命後のような状況が
近年のアメリカ経済の停滞から推測出来ると筆者は主張する。
こうしたテクノロジーの発展により雇用を奪われるのは
ブルーカラーではなく、ホワイトカラーの可能性が高いと警鐘を鳴らす。
ロボットの運動能力は未だきわめて原始的で、2足歩行ロボットも階段の登り降りにも一苦労している段階だ。
ウェイターや看護士、配管工などの仕事は高度な問題解決能力を必要とし、機械はこの作業を苦手とする。
IT技術は指数関数的に発達する(ムーアの法則)ので、油断ならない。
IT技術が駆逐する領域を見極めることが大切。 -
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産業革命以降、人間にしかできなかった仕事の多くが機械に取って代わられ、その結果として多くの人間が失業した。
経済は発展して、世の中は便利になっているのに雇用は増えない。増えた富の大部分はごく一部の人に集中しており、多数派は貧しくなっている……
内容はそこそこ。ただ装丁が良くない。読みにくい。
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memo:
49
コンピュータは、パターン認識や複雑なコミュニケーションなど、これまで人間が独占してきた領域を侵食しつつある。
54
(NASAの報告書より)「人間は非線形処理のできる最も安価な汎用コンピュータ・システムである。しかも重量な70キロ程度しかなく、未熟練の状態から量産することができる」
99
スキルと賃金の関係が、最近になってU字曲線を描き始めたという。つまりここ10年間、需要が最も落ち込んでいるのは、スキル分布の中間層なのである。
111
幸いなことに、人間はまさにコンピュータが弱いところに強い。
147
情報は、消費されてもすり減ることはない。(中略)エリックは、読み終わった本をアンディに貸してあげることができる。この時、本の中身は少しも減っていない。いやそれどころか、エリックが読み終わった本はアンディにとってもっと貴重だと考えられる。なぜなら2人はその本に書かれていることを共有し、それをもとにして新しいアイデアを共同で生み出せるかもしれないからだ。
171
著者によれば、どうしてもコンピュータに置き換えることが難しい雇用には2つのタイプがあると言う。1つは、創造的な仕事で、(中略)もう一つは肉体労働なのだと言う。
高所得を得られる創造的な職場と、低賃金の肉体労働に二極化するということだ。 -
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人の行動を左右する因子は多くあります。
アンカーリングとは、最初に見たことや聞いたことにその後も左右されてしまうこと。
ハロー効果とは、あることにより全てのことが引きづられてしまうこと。例えば学歴や良い業績などにより、その人がすべて素晴らしいと思えてしまうことです。
プライミング効果とは、慣れ親しんだものが好ましく思えることです。
エンディング効果とは、最後が良いか悪いかで全ての印象が変わってしまうこと。
人の金銭感覚は、現状維持して損失を回避する方向に向かいます。そのために損失に目を向けないように利益を強調することが大切です。
とにかく人は、自分に対して過剰な自信をもち、自分を過大評価しています。
だから偶然によって起こったこともすでにわかっていたように後知恵で錯覚理解することがあります。
また失敗を認めたくないために追加投資(サンクス費用)をして失敗することもよくあることです。 -
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最近何かと話題のビッグデータ。
たくさんあるデータを分析し、新しいビジネスに繋げることが望まれるが、
実際には出来ていないところが多い。
「とりあえず集めてみたけど、何をすればよいか分からない」
そういった声が多いそうだ。
本書は、分析力がある企業は強いとの視点で書かれているが、
読んでみて改めて感じたのは、
目標意識が高く、現実と向き合う企業が強い
ということ。
目的の結果が得られるかにまい進することが出来るため、
「何をすればよいか?」と露頭に迷うことが無いし、
解析した結果がたとえ悪くても真摯に受け止め、
対策を講じることが出来るからデータ解析する人たちも
やりがいを持って仕事を続けることが出来る。
上記のように一体感を持った企業が増えると良いですね。
流行りにのらず、まずは何のために集めるか?から考えたい。
少しずつ、かつスピード感を持って取り組むことが大切。
印象に残った内容:
・探究なき決定は下す価値が無い
・分析で出来ること
1. 変化の激しい時期や困難な時期に事業のかじ取りを助ける
2. 成功の要因を明らかに出来る
3. 多くの業務プロセスで新しい発見、国立的な実行、価値の拡大を
実現でき、全体としてIT投資のリターンを高められる。
4. コスト削減と効率改善を実現する
5. リスクマネジメントに寄与する
6. 意思決定の質を高める
・組織の分析力を支える要素:DELTA
D(Data):
自社にしか無いデータを見つけよ。
全社で統一すべきデータ(識別子)は何か見つけよ。
E(Enterprise):
常に個ではなく、チーム、会社としての視点を持って行動せよ。
会社として最も投資すべき分野に注力せよ。
L(Leadership):
データに基づく意思決定を意識せよ。
率先垂範であれ。
分からない者を見捨てるのではなく、教え・気づかせよ。
上記を実現するためのコミュニケーション力を高めよ。
T(Target):
顧客価値の向上に繋がる分野をターゲットにせよ。
恐れずに実験せよ。
A(Analyst):
チャンピオン、プロフェッショナル、セミプロフェッショナル、
アマチュア、どれが良いとかは無い。
上記4タイプのアナリストを適材適所に配置せよ。
※ちなみに私が目指すべきはセミプロフェッショナル。
・ターゲットを決めるときは、大きな枠組みで考えること。
・プロフェッショナルとセミプロは出来るだけ現場の近くに配置すべきだが、
反面、アナリスト同士の距離も近いことが望ましい。
このジレンマを解消する組織づくりが重要。
・分析を業務プロセスに組み込むときに遭遇する困難な課題
1. どこから手をつけたらよいか分からない
⇒着手すべき箇所の特定から分析を開始する
2. 重要なデータが入手出来ない
⇒分析が如何に効果があるかを啓発する
3. 分析プロセスを組み込むことを理解してもらえない
⇒相手の理解度に合わせて説明し続ける
4. 分析担当者のトレーニングに時間がかかる
⇒時間がかかるのはやむを得ないので、早期から教育に取り組む
5. 分析基盤を作っても使ってもらえない
⇒質の高いフィードバックを得られるところから段階的に導入する
6. 終わりが見えない
⇒終了の目標値を決めて取り組む
7. 外部とどこまで共有したらよいか分からない
⇒プロセスは共有し、コアとなるアルゴリズム、モデルは共有しない
・分析文化が根付いた企業の特徴
1. 事実を求める
2. パターンを発見し、根本原因を見つけようとする
3. 出来るだけ詳しく分析する
4. 常にデータを探している
5. 否定的な結果も認める
6. 分析結果を意思決定や行動に反映させる
7. 現実的な姿勢で臨む -
Posted by ブクログ
システム1直感的にわかるもの、システム2計算など頭を使わないとわからないもの。システム2は怠け者で、知的努力を嫌がる。
この二つのシステムを使い、人は意思決定をしていると。例文が米国的過ぎてピント来ない箇所も多かったが、面白かった。
以下、印象に残ったトコ。
平均的には最も活発な投資家が最も損をし、取引回数の少ない投資家ほど儲けが多い。
単純で統計的なルールの方が直感的な「臨床」判断よりも正しい
ヘッドフォンの検証だと言って縦に頭を振りながら主張を聞かせると、賛成しやすい。横に振らせると、反対しやすい。
プライミング効果
笑顔を作ればよい。本当に気分が良くなるから。
親切で優しい気持ちで人に接するとよい。親切で優しい気持ちになれるから
内容がほぼ変わらない報告書が出てきたとしたら、わかりずらい社名より分かりやすい社名の会社の物を信用する。 -
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ラインハート=ロゴフ論文は誤りか?
2013.4.23.『エコノミスト』のサイトで、この本のデータが正しくないのでは?という論文が発表されて大騒ぎになった。
「
このたび発表された論文の中で、マサチューセッツ大学アマースト校のトーマス・ハーンドン、マイケル・アッシュ、ロバート・ポリンの3氏は、ラインハート=ロゴフ論文における大戦後の分析結果の再現を試みた。
3氏はラインハートとロゴフ両氏の分析のミスを指摘し、これにより債務水準が高い場合の平均成長率が過小評価されたと論じている。両氏が使用したエクセルのスプレッドシートはコーディングに誤りがあり、複数の国が対象データから抜け落ちているというのだ。
ほかにも、ニュージーランドでは戦後の重要な数年が抜け落ちており、債務水準と成長率の両方が高かった時期のデータがカウントされていないという。
また、3氏は、ラインハート、ロゴフ両氏による平均成長率の計算法は典型的でないデータポイント(ニュージーランドがどん底の状態にあった1年間など)に過剰な比重が置かれていると指摘している。
これらを総合し、新たな論文では90%の閾値を超えた時の戦後の平均成長率はマイナス0.1%ではなく2.2%であるべきだと結論づけている。
国際通貨基金(IMF)と世界銀行が毎年春に開催している会合のために政策立案者が集まっていたワシントンで、この論文は大いに話題をさらった。ただし、2つの論文は想像されるほどの不協和音を生んではいない。
新しい論文への反応として、ラインハート氏とロゴフ氏は指摘されたコーディングのミスを認めている。また、「抜け落ち」と見られるデータについては、データセットが未完成なためだとしている。例えば、2010年と2012年に発表された改訂版の分析には新たなデータが追加されている。
」
この本って、それほど重要な本だったんだー。知らなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ刺激的なタイトルではあるが、その中身は組織でリーダーシップを発揮する
ポジションに着くための考察と、着いた後に、いかにリーダーシップを発揮するかについて、
スキルとして汎用化できる要素を抽出したもの。
個人的に印象深かったには、「無から有を生み出す」の章で、
たとえ、自分がリソースをコントロールできるポジションにいなくても、
自分のリソース(時間と関心)を活用することで、人脈作りに必要な
交換材料を生み出せる下りは、普段から意識することで自分の行動を変えられそうな内容。
<目次と概要>
Ⅰはじめに
・権力はリーダーシップの一部であり、何かを成し遂げるためには欠かせない。
・セルフ・ハンディキャッピングを避けること。
故意に失敗要因を作り出し、失敗は自分のせいではないと釈明できる状況を
整えると、現実にパフォーマンスが低下する。
・実績と昇進は関係ない。
地位のある人は、経営のことでも自分のことでも忙しいので、
まずは、自分の存在に気づいてもらうことが重要。
そのためには、上司が気にすることを気にするのが第一歩。
・客観的自己評価なくして、組織で上へ行くために必要な資質を理解し、
自分の足りないものを身に着けることはできない。
Ⅱ権力を握るための7つの資質
「困難に挑戦しようとする意志」系
①決意:目標達成に向け、枝葉やまつわる妨害に耐える
②エネルギー
③集中:分野を絞ってキャリア形成する、目標達成に欠かせない業務に集中する
「その意志を目標達成に結びつけるスキル」系
④自己省察:振返りをマメにする(重要な会議の結果や心に残る話、感じたこと等)
⑤自信
⑥共感力:交渉では、相手の立場を理解し、勝ち負けではなく、実利を取りに行く
⑦闘争心
Ⅲどうやって出世街道に乗るか
・部門の勢力を診断する(社内のキーパーソン、意思決定プロセス)、
・有力部門で鎬を削るか、新しい道を切り拓くかのトレードオフを選択
Ⅳ出る杭になれ
Ⅴ無から有を生み出す
Ⅵ役に立つ強力な人脈を作れ
・人脈作りは戦略的に。リスト(知り合いになりたい/なっておくべき人、
組織)をつくり、効率的にアプローチする(ランチを食べる、飲み会に開く等)。
・人脈は「広く浅く」。軽くでもいいから、相談できる人を広げておく
・ネットワークの中心、情報のハブとなると価値が上がる
Ⅶ「権力」を印象づけるふるまいと話し方
・聴衆を意識する
・外見や動作を気にかける
・相手の話を遮る
・議論の前提に疑義を提出する
・説得力のある喋り方をする
~敵対的構図を際立たせる、間を取る、論点を箇条書きにする、対比、ユーモア!
Ⅷ周りからの評判をよくしておく-イメージは現実になる
Ⅸ不遇の時期を乗り越える
・自ら無用の問題を起こさない
・個人的感情は抜きにする
・粘りつづける
・多面作戦を展開する
・挫折から立ち直る
~自分の本領にこだわり続ける
Ⅹ「権力」の代償
ⅩⅠ権力者が転落する原因
ⅩⅡ権力闘争はそしきとあなたにとって悪いことか
ⅩⅢ「権力」を握るのは簡単だ