マイクル・コナリーのレビュー一覧
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ネタバレマッケレイブとボッシュの共演ということで
楽しみに読みました。
マッケレイブはイーストウッドのイメージで
読めました。リタイヤした感じの初老(?)の
感じで、いいなぁ。
ボッシュは、映画化したら、誰が演るんだろう。
私的には、あんまり二枚目じゃない、カートラッセル
が頭に浮かびました。もちっと目が鋭くてもいいいな。
そんな事、思いながら、久しぶりのシリーズで、ほとんど前の
事件を忘れていましたが、それでも、充分楽しめました。
パズルのピースがハマるように、サークルがカチッと戻って
きました。ボッシュがたれこみをしたかどうか、それは謎のままだと思う。マッケレイブが見た瞳の闇の中の光は、どんな意味 -
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ボッシュシリーズ13作目。
ニューヨークタイムズマガジン(日曜発行)に連載されたものに加筆修整した作品。
そのせいか、スピーディでテンポがよい。
仕事中毒で目下恋人もいないボッシュ。
マルホランド・ドライブの東端、展望台で死体が発見される。
スタンリー・ケント医師。
跪いて射殺され、ギャングの処刑めいた状態だが。
ポルシェの中には奇妙な跡が…
レイチェル・ウォリングと半年ぶりの再会。
ケント医師は放射性物質に直接アクセスすることが出来るため、FBIのリストに載っていたのだ。
妻のアリシアが襲われてケント医師は脅迫されたことがわかる。
FBIとの縄張り争いが始まる。
展望台の上にマドンナが -
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァーと並ぶ、お気に入りの作家。本書はその最新作。ツイストがあるのはディーヴァーと同じ。ただ、ディーヴァーほどあからさまではない。そして、主人公。本書のボッシュは孤高の刑事である。己に従えば従うほど、周りの人間が離れていく。男も女も。だから孤独。それでも生き方は変えられない。不器用といえば不器用だが、信念を持った男である。そこが、かっこ好くもあり悪くもある。とにかく根っからの刑事である。シリーズすべてを読んできて、頭の中にボッシュの生きている世界が出来上がっている。この一作だけをいきなり読んでも本シリーズの良さはわからないだろう。事件だけでなく、主人公ボッシュの出生から現在
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もう十二作目なのかあ。まったくハイレベルなシリーズで期待はずれだったことがない。それでも因果な本読みの性、あっといわせる目新しいものを追い求めてしまうのでついつい後回しにしていたら、十三作目が出ちゃったのであわてて読む。
本当にこれが初めてのコナリーだったならひっくり返るほど面白い。同時にシリーズを追いかけてきたからこその味わいもある。アメリカの警察ものの常としてすぐに政治がらみの駆け引きが繰り広げられて、それはあんまり好きじゃないが、それを補ってあまりある充実した内容だった。
人物像・ストーリー展開・意外性、どれをとっても一級品。後書きで次作の内容がちらっと紹介されていたが、これがなんと -
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筋金入りの刑事ボッシュに、意外な連絡が来る。
ボッシュが13年も気に掛けていた女性失踪事件。
機会があるごとに調べ直し、容疑者と睨んだ金持ちのドラ息子には圧力をかけ、嘆き悲しむマリー・ゲストの両親とも連絡を取っていたが…
死体を車に乗せていて逮捕された男レイナード・ウェイツが、死刑を免れる代わりに、いくつもの犯行を自供する司法取引に。
マリー・ゲストの事件も自分の犯行だと。
野心丸出しの検察官らの言動。にわかには信じられないボッシュだが…?
現場検証で、死体を埋めたという現場に出向くと、犯人が逃走する大事件に発展してしまう。
ケンカ別れしたEBIの女性レイチェル・ウォリングと18ヶ月ぶりに連絡 -
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休職中のボッシュが母親殺しの犯人を追う本作品は、ボッシュのルーツを辿るロード・ムービーを観るようなイメージで読める。カウンセリングを通して自分の取るべき行動について閃く辺りは都合がいいようにも感じたが、その後のボッシュの覚悟を伴った心境の変化に比例するように、ひとつひとつ踏み込んでいく複雑な過去にすっかり入り込んでしまった。
善と悪、守るべきものと排除するもの、これらのコントラストが効いており、いろんな局面で考えさせられることが多い。またミステリ的にも面白く、ふっと気の抜けた後のサプライズに、心地よい緊張を強いられた。
憂いを帯びた物悲しいストーリーが読み手に訴えるものは大きく、いかに -
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ボッシュ・シリーズ第三弾。法廷シーンが多く、これまでのシリーズとは違った印象がある。と同時に、コナリーがリーガル・ミステリにも秀でた書き手だということがよくわかる。
容疑者は無実だったのか? という設定はよくあるが、コナリーはそこに緊迫した法廷劇と主人公の葛藤をうまく絡ませることによって、吸引力の強いストーリーに仕上げている。どことなく派手がシーンが多いせいか、いつもの重苦しさは多少軽減されている。謎解きへの興味が強くなる展開のため、ページを繰る手はさくさく進む。しかし多くの読者は、コナリーが巧くコントロールしているプロットにハマり、ミスリードされてしまうのではないだろうか。
クライマック -
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例の如く、チームに加えてもらえないボッシュだが、一匹狼の特性(?)を活かして執拗に捜査を続けていく。ボッシュの人となりが浮かび上がると同時に、別々だった事件がやがてひとつの方向性を導いていく──この辺りのプロットが秀逸である。
事件性だけではなく、人間ドラマとしてもしっかり読ませてくれる。メキシコの可能性を見出してからの、個々の背景を事件に投影させる様は、ストーリーに重厚さと奥行きを与えている。アクション色の濃いクライマックスを経てのサプライズなラストまで、中盤から一気に駆け上がるスピード感は中身も充実しており読み応え抜群。
これまで麻薬ルートを扱ったサスペンスでは、『トラフィック』と『犬 -
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短期間でシリーズを読破しようと思わないこと。刊行に合わせてリアルタイムで読むのがベストだが、私のように逆走してシリーズを制覇しようとする場合は、間に別作家を挟んでから次の作品に取り掛かるべし。恐ろしくクオリティの高いシリーズだが、続けて読むとそのハイレベルさが当たり前になる。当然、次作品におけるハードルも高くなる。コナリー作品基準でハードルを上げてしまうということは、他の小説はもう読めないということにもなりかねない。なので、一定の間隔を空けてからこの世界観を堪能しましょう。
現代ハードボイルドでは、こういう展開が常なのだろうが、刑事という職業に忠実な警察ミステリとしてのボッシュ・シリーズも読