誉田哲也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
3.5
主要登場人物それぞれの視点で… 一人称が次々と入れ替わり進んで行く推理?小説。
芸能事務所・スマッシングカンパニーの事務職・市瀬真澄は、たまたまヘルプで入ったファッションブランド・QrosのCM撮影の現場で、クライアントに見染められ急遽人気俳優・藤井涼介の相手役に抜擢される。
結果、CMが予想を大きく上回る好評を得た事で謎の共演女優「Qros」の女を探る声がネット上で盛り上る。
この事態に向けたスマッシングの看板女優・福永瑛莉の猛烈な敵対心を受け、事務所は一切の情報を遮断し全てを無かった事にしようとするが、ネット上の追跡は過激さを増し、もはや真澄が身の危険を感じる程に至ってしまう。 -
Posted by ブクログ
他人と自分を比較せず真っすぐに突き進む夏美は潔くて気持ちいい。こんなふうに自信を持っていられたら毎日は楽しいに違いない。夏美には音楽の才能があった。本人はそれを自覚はしていないのかもしれないが、夏美は音楽に出会えたことで明るい道が拓けた。誰にだってひとつぐらい良いところがある、と思う。でも誰もがそれに出会えるわけじゃないんだよな。でも、才能がなくても楽しくてこれが好き!ってものに出会えたなら幸せだ。本人が楽しんでやっている姿は下手くそでも周りをハッピーにする。夏美たちのようにプロを目指すと話は別なのかな。
この物語で残念なのは城戸薫だ。オイラが死にたいほど辛い目に遭ってないだけなのかもしれない -
Posted by ブクログ
最初は「世界でいちばん長い写真」の意味がわからなくて「?」と思いながら読み始めました。
しばらく読んでいても、主人公の状態説明とか、周りの人間との絡みとか、そういうのが書かれていてちょっと間延びしそうなかんじでした。
しかし、雰囲気が変わったのは、主人公が「グレートマミヤ」と名付けたカメラに出会ってから。
意図してそういう書き方にしていたのかな?
仲良しの幼馴染みが転校してしまってから、本人が思う以上に気力を無くしていた主人公に、エネルギーが入ってきます。
カメラの仕組みが良く分かって、題名の意味が理解出来た時、この物語の生徒達のように「わくわく」した気持ちになりました。
頭の中に、世 -
Posted by ブクログ
宏伸はいい友達がいてよかった。洋輔、三好奈々恵、安藤エリカ。そして、従姉のあっちゃん。自分から動き出すことができない宏伸をみんながそれぞれやり方で後押しする。宏伸は世界一長い写真実行委員会を通じて少しだけポジティブになっていく、誰かの笑顔のため。最後の最後にあっちゃんの言葉がうまくまとめてくれている。いまはすっかり聴かなくなったけど時々、尾崎豊の「心をいつでも輝かせてなくちゃならないってことを」って歌詞はふとした時に浮かんでくる。たぶん自分がネガティブな時だ。年齢に関係なくそうあるべきだと思っている。オイラの好きな人たちは年齢に関係なくいつも明るくて元気だ。あっちゃんが言う「ほんとはみんな、何
-
Posted by ブクログ
警察小説アンソロジー。
今野敏 「消えたホトケ」死体が消えたのは? 萩尾警部補のもの。
五十嵐貴久 「汚名」父が起こしたという事件の真相は?
三羽省吾 「シェパード」すばしっこい犯人を追い詰めるには。そしてその犯人は?
誉田哲也 「裏切りの日」こちらは「背中の蜘蛛」の第一部。
三羽さんは初読みですが、三羽さんを含め、長編で読みたい作家さんばかりです。短くてさっと読めるのがこの本で良かったことですが。
誉田さんは「背中の蜘蛛」を読んでねっていう感じかしら。今野さんは短すぎて残念、物足りない。
違ったタイプ刑事たちのですが、それぞれのお話、楽しめました。 -
Posted by ブクログ
乃木坂文庫。飛鳥ちゃん表紙だった。じゃなきゃ読まなかったかな。そういう意味ではいい企画。
誉田さんの本あんま読まないなぁと思ったけど、読んでたわ。武士道シックスティーンとかのシリーズだわ。瀧井さんの書評読んで気付いたや。
とてもキレイな流れの青春もの。悪意や奸計はなく、スッキリとした読み味。それだけに落ち着くところに落ち着いた感もあるけど。
うん、良質な青春ものなんだ。それでも続きが気になると「武士道」ほど思わなかったのは、僕が音楽を早すぎる段階で諦めたからだろう。だからこれが響くティーンがきっといるんだろうな。そういう人に読んでほしいな。
女性キャラクターの造形を瀧井さんは絶賛していたけど、 -
Posted by ブクログ
四人の作家による、4編の警察小説。
「消えたホトケ」
トップバッターは今野敏。
前作でも登場した、萩尾と武田のコンビがいい。
決してかっこいいとは言えない萩尾と、若干腰掛け(他部署への)の武田が織りなす物語は、テンポが小気味よい。
コロンボを彷彿とさせる、ちょっと冴えない感の漂う先輩警官の武田は、誇り高きプロフェッショナルだ。
物語は「ボタンの掛け違い」によって答えが見つからない。
ダメなら元に戻ってみよ。
この考え方は、今、仕事に行き詰まる私にとって家族や先輩に言われるよりもすっと心に入ってきた。
できるかな、明日からの仕事。
抜け出せるかな、苦悩から。
頑張れるかな、きっと、大丈夫。
-
Posted by ブクログ
四人の語り部による警察小説。
捜査三課、留置係、保安課と通訳捜査官、強行犯係。
あまり馴染みのない仕事もあるだろうか。
捜査三課は窃盗犯を扱う。プロ対プロ。
職人気質の警察官が多い部署だが、本作では、よれた(イメージで、本人はちゃんとしているつもり、らしい)服を着た警部補と、32歳という中堅どころの女性警察官がコンビを組んでいる。
女性警察官は武田秋穂、警部補は萩尾秀一。
長編も出ており、ドラマ化もされているらしい。
タイトル通り、常習犯と対峙するのだが、果たして「牛丼の松」は人を殺したのか?
謎解きもしながら、プロ意識、職人という言葉に想いを馳せたい。
胸糞悪いのは『三十九番』。
留置係