星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「にぎやかな部屋」3
著者 星新一
出版 新潮社
p133より引用
“あるのは偶然だけ。偶然とその結果だけ。
それを各人が自己の好みで蒐集し、
勝手な理屈をつけて人生観としてるだけさ。”
ショートショートの代名詞ともいえる著者による、
とある人生相談所にておこる出来事を描いた戯曲。
生きた人間一人一人にとりついた霊達が、
霊ならではと言える考えを話し合いながら楽しく進行します。
上記の引用は、
登場人物にとりついた霊の中の一人の意見。
結局人は、
自分に都合の良い考えだけ取り入れやすい、
ということでしょうか。
多少の偏屈さは人間らしさにつながるかもしれませんが、
あまりにも偏ると自分も周りも困ってしまいそうです。
ほどほどの所で上手くバランスを取れるように、
気をつけたいと思います。
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Posted by ブクログ
これほど、洒脱で、それでいて深みがあって、
たまにちらっと残酷さも垣間見せ、
読んでいて、楽しんだり、してやられたなと
感じさせられるSF作家さんって、現代の現役の人ではもう
いないのではないでしょうか。
手塚治虫や藤子・F・不二雄に通じるものもあります。
そういう、昭和が生んだ遺産の一つでもあるのでしょうか。
ただの夢物語ではありません。
使い勝手の良い、万能の未来の技術を神の上で駆使して、
その中から見えてくる人間のあざとさなんかもあります。
でも、それを醜いとか悪いとか、書いていないのです。
そういうところにこだわらないから、
ショートショートという短い形式なのもありますが、
さらっと読めてしまって、後腐れがないのが不思議な点の一つ。
とにかく、ひけらかしのない知的エンタテイメント。
知的エンタテイナーが星新一さんです。 -
Posted by ブクログ
懐かしい。中学生くらいのころに読み漁った記憶がある星新一さんのショートショート。次から次へとわけのわからんことが起こっていくさまがなんとも楽しい。
今回は少しおとなしい読み物だが、それなりに一気に楽しく読めた。でもいずれも少し長すぎるかな。続けて読もうかなぁ。しかし映画もたまっているし困ったなぁ。
作品は次のとおり。
・おみそれ社会 ・・・ ま、出だしはこんなものかな。
・女難の季節 ・・・ ちょっとさえないなぁ。
・ねずみ小僧六世 ・・・ 面白くないなぁ。
・キューピッド ・・・ これもイマイチかな。
・牧場都市 ・・・ これが一番楽しかった。まさに逆説の星節かな。
・はだかの部屋 ・・・ わからんではないが、ねたが下品。
・手紙 ・・・ これも面白い。落ちはけっこういいね。
・回復 ・・・ オチがもっとも決まるのがこれ。
・古代の神々 ・・・ う~ん、あんまりだな。
・殺意の部屋 ・・・ はだかの部屋と似た展開だね。
・ああ祖国よ ・・・ 面白いけれど、長すぎる。 -
Posted by ブクログ
「ちぐはぐな部品」3
著者 星新一
出版 角川文庫
p160より引用
“だから、そしらぬ表情をいつまでもつづけ、
あなたに手をつけるなどということは、
おこるわけがないのだ。”
ショートショートの代名詞ともいえる著者による、
短篇作品集。
宇宙の話からお金に関する話まで、
ひねりととんちのきいた短篇が30本収録されています。
上記の引用は、
「抑制心」と題された一話の締めくくりの一文。
遠慮の固まりというものは、
いつでも面倒くさいものだなと思います。
周りの人数が少なければ、
確認してから手にすればいいのだけれど、
人数が多い時は結局残ってしまう事が少なくありません。
もったいないので誰か良いルールを作ってくれたら、
いいのになぁと思います。
自分で作れればいいのですが、
そんなアイデアが浮かぶほど、
著者のようにとんちがきかないのが残念な所です。
一話ずつがとても短くきれいにまとまっているので、
忙しい合間にも読めていいのではないでしょうか。
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Posted by ブクログ
3冊目。悪いことしようとして失敗、というパターンの話が多かったように思う。
印象に残ってるのは「囚人」だろうか。誰が悪人か、というのはあまりにも陳腐な問題提起だろうが、短編内での悪人は世論によれば間違いなく、人類の救済を妨げている囚人ということになってしまう。
囚人が牢にいる理由は、悪いことをしたわけでもなければ冤罪ですらない。
でも、世界中の人間から死ぬことを願われている。大切な人から疎んじられるのは辛いし、「世界中を敵に回しても僕は君を守る!!」的な臭いセリフを吐ける人間でも、実際に世界中を敵に回したらどんな気持ちになるのだろう。あまりにも現実とかけ離れた舞台設定で、どうにも想像が湧かないけど。 -
Posted by ブクログ
SF短編集。
氏の作品はどれもSFではあるのだが、今回の作品は中でも宇宙や未来の技術に関するものが多い。
日常のズレたブラックユーモアも面白いが、こちらの方が氏の本領発揮、という印象を受ける。
また、今回の短編集には割合マトモなものが多い気がする。
最後に毒を効かせた終わりを期待していると呆気なくマトモに終わってしまって拍子抜けしたものも;
晩年の作品群であり、氏の死後に出版されたらしい。
人間年をとると丸くなってくるのだろうか、と考えたり。
正統派といえばそうだが、ちょっと物足りない。
うーん、それとも私が阿刀田氏の作品と比べてしまっているだけなのかもしれない。