柞刈湯葉のレビュー一覧

  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    人間の制御を外れ自己増殖し、本州を覆い尽くすに至った横浜駅の話。
    九十九段下のエキソトの村に住む主人公ヒロトは入手した18キップを使い、横浜駅1415番から構内に進入する。
    横浜駅で暗躍するJR北日本のアンドロイド、横浜駅化に抗うJR福岡の活躍、違法入構者を襲う自動改札にJR統合知性体、脳に埋め込まれたSuikaとその不正認定、構造遺伝界など。
    何か構造的に発想されたというよりかはエグいセンスの持ち主がセンスのままに書き散らした感じがある。すごく面白い。

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    2026年10月05日
  • まず牛を球とします。

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    いつもながらの、クスリと笑えるSF。短編だからの読みやすさ。中でも印象に残ったのが、箱男。人との間に1枚あることで、外にも出れる箱男。マスクもそんな感じかな?なぜか、少し強くなった気がしてしまう。

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    2026年09月26日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    JR横浜駅が自己増殖し本州じゅうに広がっているという突飛なアイディアと、自動改札やSuicaのしくみ、JR北日本やJR九州の立ち位置…などの設定が面白くて、ワクワクしながら読みました。ぜひ実写化してほしい!

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    2026年08月22日
  • 幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする(新潮文庫nex)

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    なんか理屈っぽい学生さんで、キャラが立ってて良かった。

    曽祖母が亡くなり、同級生を名乗るどう見てもめちゃくちゃ若い鵜沼ハル霊媒師を名乗る女性がお線香をあげに来る。大学生の豊は霊だのなんだのを信じていない。そして霊媒師の助手をして欲しいと持ちかけられる。今から仕事なので着いてきてと言われて着いていく。この日は失敗した。

    次のバイトはスペイン風邪で亡くなった人から何かを聞き出すというもので、豊はいろはすとタミフルを用意していく。どうやら無事聞き出せたらしい。依頼主がいるらしいことがわかった。

    幽霊の後藤三郎さんをハワイに送り出した後、なんのために霊媒師をやっているのかきいてみたが、答えてもらえなかった。ハルさんは倒れて救急搬送される。駆けつけてみると、そこには娘のサクラがいた。

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    2026年08月10日
  • 重力アルケミック(新潮文庫nex)

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    現実とは少し違う世界を舞台にした、理系大学生の青春SF。

    前半は、お金もやる気もない男子学生が友だちと無謀な冒険をしたり、女子との出会いを夢見てはごちゃごちゃ考えたりする青春ストーリー。おバカ加減が息子とそっくりで思わず応援したくなった。

    そして、自分は何がやりたいのか悩んだり、劣等感を抱えたり、後半からは青春時代ならではの葛藤や情熱、希望も描かれていてとても良い作品だった。

    さらには地球が膨張して東京・大阪間が5000キロになってる不思議な世界。
    メールを送るのにも時間がかかったりして、どこかノスタルジックな雰囲気もある。

    そして柞刈さんの熱すぎないリアルっぽい友情青春ストーリーが大好き。
    人間力あふれる篠崎と平叙文の宮原さんもとても良い。
    『横浜駅SF』後の2作目だからか、面白いものを詰め込もうというノリノリの勢いも感じて、今回もたくさん笑った。

    理系大学生の脳内や学生生活も垣間見れた。
    「あとがき」までが楽しい。
    本編を読み終わってから読んでほしい。

    寂しいけど、これで『柞刈湯葉フェア』も終了。あとはBEST3を選ぶという、幸せな悩みが残っている(^^)

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    2026年07月26日
  • SF作家の地球旅行記

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    万人に面白い本ではないかもしれない。
    でも、刺さる人にはとことん刺さる本。
    なのでこれはおすすめではなく、ただただ私の「好き」を語るレビューです。

    旅行記とちょっと変わった斜めな視点。
    どちらも大好物な自分にとって、柞刈さんの旅行記は面白くないわけがなかった。

    1行1行が面白すぎて噛み締めて読むから、ちっとも前に進まない。
    とにかく、いちいち全部面白い。

    最初は面白いところに付箋を貼ろうと思ったけど、3行に1枚ペースになったので、諦めて電子書籍を購入。
    結局は電子書籍もマーカーだらけになって読みづらくなったので、「そういうことだ」とそこからマーカーもやめた。

    自分と似ているのは、止まらないぐるぐる思考、気になるとすぐググる習性、相手の言うことをすぐファクトチェックする性分、面白いと思うポイントやツボ。
    決定的に違うのは、頭の構造と「もの」を見る視点。

    【理系出身者はギリシア文字がだいたい読めるので、キリル文字の発音も類推で結構わかる。】らしい。
    何でわかるのかは、説明されても全然わからない。
    理数が苦手な自分からすると新鮮で、ただただ憧れる。できることならば、私も理系の人になりたかった。(絶対ムリだから憧れる)

    印象的だったのがモンゴルでの子羊の解体シーン。
    私はつい、子羊側の感情を勝手に想像して、信用していた人間に襲われる裏切りや恐怖や痛み、子を殺された子羊のお母さんの気持ちまでをセットで一気に想像してしまう。
    柞刈さんは、感情を入れずに生物学的な視点で淡々と観察しているように私には見えた。
    これは私には全くない感覚なのでとても斬新だった。
    カエルの解剖で教室を飛び出して保健室に逃げ込んだ自分とは、頭の構造が根本から違う。
    だから私はグロが苦手だったのかと何だかわかった気がした。
    グロ描写は絶対NGなはずなのに、柞刈さんの脳内を通すとなぜか不思議と平気で読めてしまう。

    目の前にない感情を想像してしまう自分と、目の前にある物体の仕組みを探求する柞刈さん。
    自分とは全く違う頭の中をここまで覗けるのは、本でしかできない体験だと思った。

    そして、柞刈さんは理系頭脳だけでなく、文章も面白いからずるい。
    言葉選びのセンスがたまらない。
    随所に散りばめられたオタク的で秀逸な例え話が、ことごとくツボだった。

    自分にとっては心から楽しい特別な一冊だった。
    もっとたくさんの国を旅して、その脳内を覗かせてほしい。
    ★10

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    2026年07月19日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    ぶっ飛んだ設定だったのでもっとギャグでナンセンスな話かと思いきや、ちゃんと?SFでした。あれよあれよという間にすっかりストーリーの虜。一気に駆け抜けてしまいました。設定は意味分かりませんが深く考えず読み続けているといつの間にか面白くなっていてハマります!

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    2026年07月10日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    SFと言えば、宇宙が絡んでくると思ったら、日本国内で駅が細胞みたいに増殖すると言う発想が面白かった。その素材として、JRやSuica、改札が使われる。将来的にはSuica的なマイクロチップが私たちの体埋め込まれるだろうから、あながちこれもSFではないのかもしれない。Suica入ってる人、入ってない人との差別とか…

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    2026年07月10日
  • まず牛を球とします。

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    SFの短編集。SFはいつも価値観や視点を揺さぶられるので痛快です。

    特にタイトルの「まず牛を球とします」はタイトルからもちょっと面白くてセコい。全然説明されない世界観の含み方も素晴らしくて、近未来的な思想と科学の結実が有り得そうすぎて本当に面白かった。SF長編では得られない、いわゆる「すこしふしぎ」なSFでした。

    もう1つのお気に入りは最後。単にめっちゃ勉強になったし、やべえ!合理的だ!気持ちいい!と思う設定(設計?)に感動しました。
    いやー、科学って楽しいな…

    読むのも楽しいが、誰かとこの作品で描かれている近未来や世界観についてずっと議論したい…!と思いました。相手がいないのでGeminiと話します…笑

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    2026年07月08日
  • 重力アルケミック(新潮文庫nex)

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    地球が膨張し続ける世界。そこでは空飛ぶ円盤が人を運ぶ。
    主人公が運命の一冊に出会うまでがやたらと長いけど、そんなの気にならないくらい素敵な話だった。
    SFかつ理系男子目線の青春小説でもあった。
    あとがき込みで面白かった。やっぱり湯葉さんはいいなあ。

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    2026年06月17日
  • まず牛を球とします。

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    YouTubeのほんタメや小川哲さんの帯で期待していたが、作者の視点や考え方が面白い
    今後も注目していこうと思う

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    2026年06月09日
  • まず牛を球とします。

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    印象深いのは「東京都交通安全責任課」。とんちか落語か、感覚的には間違っている気がするけど理屈にケチがつけられない。「そうかな? そうかも」って感じ。なぜ労働者は金がもらえるのか、これは形を変えた感情労働なのか、全員で1人が車1台ずつ責任を負うとどうなるのか、などなど色々な論点がありそう。

    全体として他人に対する思いやりというか、せめて僕にできることはしてやろうという姿勢を感じた。「石油玉になりたい」、「家に帰ると妻が必ず人間のふりをしています。」、「大正電気女学生」の3編は特に。

    「改暦」で天人合一説がまんまの形で出てたのは面白かった。これ1つ前の本で読んだところだ!

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    2026年05月20日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    ネタバレ

    自己増殖する横浜駅というぶっ飛んだ設定にも関わらず、わりと硬派で王道なSF要素が組み込まれているのが面白かったです。
    博士がコールドスリープしてたっぽいことはわかるけどどういう流れだったのかとか、JR北日本は何を企んでいたのかとか、久保はあの後どうなったとか気になる要素がまだまだ残ってたけど2冊目に続くってことですかね?

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    2026年05月10日
  • 重力アルケミック(新潮文庫nex)

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    “この物語は僕が東京で過ごした4年間、つまり2013年から2016年までの話だ。大塚大学理工学部の重素工学科というところに入学し、そして卒業した。”

    導入部にある、この2文が
    この作品の全てを表しているし、
    全く何も言っていないともいえる。

    SFというジャンルはこんなこともできるのかという驚きをくれるし、
    それと同じくらいの“おとぼけ”を味わえる。

    なにはともあれ、面白かった。

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    2026年05月01日
  • まず牛を球とします。

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    数学的・物理的・論理的で客観的な視点が、簡潔でモデリングされたような小説空間を形成。とても面白かった。

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    2026年04月30日
  • SF作家の地球旅行記

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    理系っぽい語り口のエッセイがツボ

    エッセイの部分も勿論おもしろいんだけど、架空の旅行記もSF作家ならではの視点と想像力でとても面白かった

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    2026年04月19日
  • 横浜駅SF 全国版

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    前作の続編というより、スピンオフ作品がたくさんな感じでした!
    JR北日本のアンドロイドであるハイクンテレケが出会った人間は「キセル同盟」がどうして出来たのかを語る。そして「キセル同盟」のリーダーケイハの父親の話。
    他にも熊本での横浜駅との攻防のなかで起きる殺人事件やネップシャマイの仲間たちアンドロイドの話。各キャラクターの深掘りなところが良かったです。あとがきも好き。

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    2026年03月12日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    横浜市民となってから、横浜駅は日本のサグラダファミリアだという話題は良く聞いていた。確かにずーっと工事してたし、待ち合わせ場所も全然定まらないし。そんな横浜駅がついに『完成』してしまったらしい。サグラダファミリアも完成するし時代の流れを感じずにはいられない。
    そんな時にSF作品紹介動画でこちらの作品が出ていた。柞刈湯葉先生の作品は読んだことがあり、めちゃくちゃ面白かったからこの作品もタイトルだけは知っていた。けれど紹介動画で話されるあらすじが余りにも面白そうすぎてすぐに手を付けていました。もっと早くに読んでいたら良かったな。横浜駅が自己増殖を繰り返し国土のほとんどが横浜駅になるとか、何言ってるんだ?ってなるだろう。Suica至上主義とか青春18きっぷとかネタ満載かと思いきや本格的SF。かなり好き。若い頃していた妄想に近いものを感じてワクワクが止まらない。
    主人公が駅と戦うような思想ではなく、自分探しの旅に出るのが良い。主人公の成長、駅の成長、人間の成長、そういったテーマで描かれているのだなと感じてとても良かった。
    最後は受け取り手に委ねるような形かと思う。これから横浜駅がどうなるのか、主人公がどうなるのか、色々と想像させる。パキッとしたオチが必要な方にはうーん?となるのかもしれないけれど、私はこういう未来がどうなるのか考えさせるところもSFらしさでとても好きでした。

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    2026年02月28日
  • まず牛を球とします。

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    大学大学院と物理やってたので、タイトルに惹かれて。 15編入ったSF短編集。 表題作はまず発想がすごい。球形の牛からこの発想にいくのかー!という。 短編集は、全部読んだ後タイトルを見返しても、これはなんだったかな?と忘れてしまう話が出てくるのが常なのだけれど、この本はタイトルみたらくっきりはっきり全て思い出せました。 それくらい各話特徴的で楽しく読めます。おすすめ!

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    2026年02月16日
  • 横浜駅SF 全国版

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    うっかり本編より先にこちらを読んでしまい、背景を理解するのにすごく時間がかかった。にもかかわらず、設定が分かってしまえば物凄い面白い。作者がストーリーテラーだと感じました。本編を読んだ後の感想としては、こちらの方が密度が濃いと感じました。

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    2026年01月31日