柞刈湯葉のレビュー一覧
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SF作家、柞刈湯葉さんの旅行記。著作が非常に面白いので、旅行記も気になって取ってみたのですが、これがなかなか興味深い内容で楽しく読めました。
笑えたり感動したりといった物語性はほぼないのですが、著者本人が旅のライブ感を楽しんでいる様子が、こちら側にもリアリティを持って伝わってくる構成はお見事。そして、旅行記の随所に小説に取り入れたであろうアイデアの原石が転がっており、「あの作品のアイデアはこんなところで見つけていたのか!」といった、作者の頭を覗き込んでいるような面白さがありました。柞刈湯葉さんのファンには最高に楽しめる一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
pp.278-9の「補遺」による語彙解説を参照しつつ物語を紹介すると、西暦末期に大国間の連続的な戦争「冬戦争」が起き、その結果日本も「JR統合知性隊」という政治機能を委託された企業によって統治される社会になった(JRはJapan Rulerの略)。「横浜駅」はまるで生命体のように自己増殖を開始し(コンクリートが勝手に動いて?増殖し、エスカレーターなど駅施設がニョキニョキ生え始め)、そして本州の99%は横浜駅になった。駅の中は警察みたいな「駅員」と、「自動改札」というロボットに支配され、人々は脳内に埋め込まれたSuikaで管理されている、Suikaを持ってないと「強制排除」が実行されて駅の外、
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Posted by ブクログ
まずまず楽しめた
原稿の締め切りに追われながら書いたというだけに、なんともさっぱりした職安だ
人はおもしろい
職安の所長は猫だけど
経営者はアセクシャリティの男だ
ここでも性的マイノリティのひとつにアセクシャリティが使われている
性的な対象者がいない人達は、まだ少ないと思うから特殊性を強調するつもりで使われているんだろうなとは思うけど、こうあちこちで使われると目立ってくるんじゃないかな
ここではインターネットがなかったら電化製品使えないじゃないか と言う感覚の未來感
仕事はしなくても生活基本金を全国民がもらえる社会
このくらいは実現しろ ! と思う
人間はとことん仕事には向かない生 -
ネタバレ 購入済み
何十年ぶりかのSF小説読了
はじめにマンガ版の方から、今回の作品に出会いました。マンガでは描かれなかった部分があるのだろうか? と、その好奇心で……。
基本的には特別違うところはなかった。
ただ、先にマンガ版を読んでいたおかげが、もしも小説版から読んでいたら、イメージしにくい描写があったかもしれないと思った。
人物設定や関係図、その心情については、若干小説版の方が深く描かれていたので、両方読んで良かった。
以上をふまえて、続編の小説を読むのが楽しみであります。
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Posted by ブクログ
SF小説は初めて読んだ。
知人からこの著者を勧められて選んだが
第二シリーズということで第一にシリーズを読むべきだった気がする。
横浜駅が増殖するというSF設定の中で作られた人型ロボットと人間の話。
地域ごとで起こっている状況を垣間見る短編という形で特に起承転結があるわけではない。
この世界観を楽しむ本。
漫画とか映像にしたら良さそう。
本のみでイメージするのはなかなか難しくて読み進めるのに時間がかかった。
一つのテーマとしては、生きる目的。
生きていること自体が目的の人間と
目的のために作られたロボット。
仕事だけの人生なんてロボットだと思った。
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Posted by ブクログ
「監督。野生の自動改札が何体か近づいて来ています。距離は50メートル。もうすぐカメラに映ります。」
全国版というとなんか分かりにくいけれど要するに外伝。本編の補完的位置づけのお話大好き。
瀬戸内・京都編
瀬戸内海の島に逃げついたハイクンテレケが、キセル同盟№2で駅から追放されたシドウの話を聞くお話。
シドウがケイハとキセル同盟を立ち上げて、発展して、崩壊するまでを語る。
群馬編
ケイハの父ケイジンと青目の医者、浅間山崩壊の一部始終。
熊本編
JR九州技術部門化学班に降ってわいた殺人事件の顛末。
岩手編
JR北日本のアンドロイドたちの会話
オーバーテクノロジーなAIたちをどうやって作