柞刈湯葉のレビュー一覧
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購入済み
「幽霊存在を信じない理系大学生」というと、単純に信じていないように思われるのですが、所謂「幽霊と考えられること」を論理的に捉えることで、幽霊でないと思っている大学生を主人公とする小説です。
オカルトでもないし、単純な青春小説でもなく、心理小説的なもので、楽しく一気に読みました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「幽霊」を信じない理系大学生の主人公が、幽霊は普通に存在するという価値観を持つ霊媒師と出会い、「幽霊」について考えるなかで、人というものの存在、人と人の社会的関係について考えを巡らせる物語。
真面目で勉強はできるけれど、そのせいもあってか自分の世界観や思考の軸がハッキリとしている主人公は、どこか他者の心情を読み取るのが下手で、「人の気持ちの分からないやつ」と友人に言われてしまうほど、、、
そんな主人公が「霊媒師のバイト」として雇われるなかで、亡くなった人と今生きる人との関係に考えを巡らせ、
『人はみんな、誰かとの関係、会話の中で、自分の存在を社会に刻み込んできたのだ。』
と腹落ちしていく。
今まで亡くしてきた人、今生きている人たちに想いを巡らせることのできる一冊。
とても読みやすく3時間もかからずに一気に読んでしまいました。読後感はさっぱり、夏の少し涼しい風が吹く日にピッタリ。 -
Posted by ブクログ
面白かった!!
いま一番好きな日本人作家は、と聞かれたらこの人かも。
旅行記はそんなに好きなジャンルじゃないけど、ご本人にとても興味があるので読んでみた。
予想をはるかに上回って面白かった。普通の日常エッセイも読みたい。ものすごく読みたい。有料でそういうのを配信されているらしいけれどできれば本でまとめて読みたい。
全部おもしろかったけど、やっぱりカナダ編、モンゴル編の海外ものが特におもしろかったな。
旅先でユニークな体験をした、とかいうことよりも、その体験についての考察がコテコテの理系目線なので、私には思いもよらない方向に深掘りされていて楽しい。一緒に旅行して、延々と喋りを聞けたらいいのにと思う。
あと、乗馬大好きなのでモンゴルに行きたくなった。ギャロップとかしてみたいよ。
研究職と作家業の両立が時間的に不可能となり、作家業を選んだ、とあったが、「本当は兼業を続けたかった」と書かれていて、なんとなく哀しい気持ちになった。
状況は全然違うが、私も夫の転勤により、辞めたくない仕事を何度も辞めてきたので、自己都合じゃないけど自己都合としか言いようのない理由で仕事を辞める悲しみが心の中に何重もの地層をなしていて、その上に無理やり蓋をして鍵をかけて開かないようにして生きているので、研究職を辞める決意をしたことについて、柞刈さんの控えめな(だけど、何度か繰り返し出てくる)表現が逆に胸に刺さった。人に話してもどうしようもない話だし、本当の悲しみは分かってもらえないので、ふだん話題にしないが、こういうのを読むとふっと表に出てきてしまう。
ところで、架空編になると、とたんに興味が失せた。自分でも不思議なくらいに。この架空編の二編、だるーと思いながら読んだ。
小説だって架空の話なのに、こうならず面白く読めるのはなぜなのかしら。両者の違いは何?!と自分でも謎だった。
あと、やけに誤字の多い本だった。柞刈さんと編集さん、忙しかったのですかね。
研究者らしく、事実に関してやけに厳密な人なだけに、余計タイプミスみたいなものが気になったかも。
好きなので、評価には全然影響しないけど。 -
Posted by ブクログ
全部は読んでいない。GENESISが雑誌になって、ノリの良さが前面に出た感じ。これもまた良いな。
ゲラゲラ笑った青崎有吾さんのメカくらりは別枠として、高山羽根子さん、笹原千波さん、の作品が特に好きだった。
■笹原千波『手のなかに花なんて』
肉体を捨てて情報人格として生きることを選べる世界。花と料理と。
■柞刈湯葉『記憶人シィーの最後の記憶』
あれ、なんかいまいちだった。
■宮西建礼『冬にあらがう』
いつもの宮西さんの、高校生が静かに世界を救うモノなのだが、AIが絡んできた。私いまいちまだ人工知能なるもののすごさがわかってなくて。やっぱ人間その程度のことも考えるのやめちゃだめじゃない?検索エンジンと電卓だけでじゅうぶんだよと、思う今日。
■熊倉献『空中楼閣』(まんが)
ラストかっけー。
■高山羽根子『その場所の名前を』
ラスト直前シーン起こったことの解釈がまだできていないが、気になる要素たくさん(場所当てゲーム、これまたAIなど)。
■宮澤伊織『ときときチャンネル#6【登録者数完全破壊してみた】』
数学?理論?
■アイ・ジアン『英語をください』
言語を単語単位で取引できるようになった近未来。初めて見たアイデア。
■青崎有吾『くらり vs メカくらり』
遊び過ぎ!東京創元社IZAMファン多過ぎ!(面白かった)
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Posted by ブクログ
▼近未来の「職安」を舞台にしたSF連作短編。「働く」ということの意味合いが「エリートであること」になってしまっているなど、格差社会が突き抜けた設定で、一方で生活保護的セーフティーネットは「一応行き届いている」という設定なので、それほど胃液が逆流せずに読めます。
▼目黒さん、というのが「普通の常識」を持っている女性で語り部で、言ってみればワトソンさん。副所長の大塚さんというのが奇妙奇天烈な変人、中年男性キャラクターで、言ってみればホームズ役。
▼読み終わってしばらくすると、細部はともかくこのふたりのやりとりがとにかくほのぼのと面白かった、という後味だけがはっきり残っています。とっても好印象で、面白かったんです。設定のSF的な苦みを追求しすぎない「ゆるさ」が持ち味だと思います。続編あったら読んでもいいかな、という好ましさ。
▼妻のすすめで気楽に読んだんですが、なかなか自分だけの守備範囲だとこういうのは読まないから、ありがたいですね。 -
Posted by ブクログ
「行ったことのない場所に、特に理由もなく行きたくなる」
なんとなく移動したい人、および、そういう人の思考過程に興味がある人のためのエッセイである。
と、“はじめに”に書かれている。
もうここから笑えるんだけどwww
読者を面白がらせる文章ではなく、むしろ淡々としているのだけど、それがいちいち面白い。
青春18きっぷを使った「大人の18きっぷ旅行」が楽しそう。
コンセプトは「単なる正月の帰省」らしい。
貧乏学生ではなく大人だから、必要に応じて新幹線や飛行機も使うし、駅ナカで地ビールを飲んだりもする。
このゆるい感じが好きだなぁ。
湯葉さんは県境マニアらしい事や、バイク移動が好きな事も分かった。
おそらく体力もあるのだろう、歩くのも好き。
そして頭も良い。
(ロシアとモンゴルでキリル文字を読んでいた)
ますます柞刈湯葉という人に興味が湧く。
この本は、1Q8401さん、ほん3さんのレビューから興味を持ち、手に取りました。
ありがとうございます♪