柞刈湯葉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「行ったことのない場所に、特に理由もなく行きたくなる」
なんとなく移動したい人、および、そういう人の思考過程に興味がある人のためのエッセイである。
と、“はじめに”に書かれている。
もうここから笑えるんだけどwww
読者を面白がらせる文章ではなく、むしろ淡々としているのだけど、それがいちいち面白い。
青春18きっぷを使った「大人の18きっぷ旅行」が楽しそう。
コンセプトは「単なる正月の帰省」らしい。
貧乏学生ではなく大人だから、必要に応じて新幹線や飛行機も使うし、駅ナカで地ビールを飲んだりもする。
このゆるい感じが好きだなぁ。
湯葉さんは県境マニアらしい事や、バイク移動が好きな事も分かっ -
Posted by ブクログ
ということで一Qさんドハマリの柞刈湯葉さんを初読
まずは、デビュー作『崎陽軒SF』です
シュウマイ弁当販売を繰り返す〈崎陽軒の売店〉が、ついに自己増殖を開始。
それから数百年ーーー横浜駅の99%が崎陽軒化した。
〜巻末のあらすじより抜粋〜
まぁ、あくまでこれはSFですのでね
特に関東圏でお住まいでない方が誤解するといけませんので補足すると
実際には崎陽軒の売り場面積は横浜駅全体の20%、横浜市全体の3%にすぎません
まぁ、よく言う「聞くと見るとは大友康平」ってやつですね
それにしても柞刈湯葉さん
ものすごい妄想力です
みなさんも経験ありませんかね〜
小さい頃のひとり遊びで目の前にあ -
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Posted by ブクログ
「まず牛」の所でも述べたが、今後の柞刈作品の読書計画で迷っていた。が、迷いは即刻無くなっていた。いや、無くなったと言うよりも、加速している。このままでいくと、柞刈ロスが生まれる可能性があるので、ここは心を鬼にして現在読んでいるハヤカワ文庫JA「人間たちの話」で一区切りしたいと思っている。でもそれじゃだめだ。ここでハッキリと中断宣言する。それくらいの強い意志を持たないといけない。
さて、本書は前職の県庁交通事故責任担当で責任を取らされて失職した後の話で、職安を使わずに職安で働くのも面白い設定。しかし、働かない人が99%の世界ってパラダイス。しかし「働く」という言葉の定義をどの様に設定するかによ -
Posted by ブクログ
期待通りに面白かったのは間違いない。一応前作のスピンオフではあるけれど、登場人物が重複していること以外前作のストーリーの大枠に大きく関わっているわけではないので、同じ世界観を共有した独立した作品として楽しむことができる。
コロポックル達がみんな個性的で魅力的なキャラクターだったな。彼らが出る話をもっと膨らませて書いてほしかった。特に岩手編、謎を謎のまま残して少し尻窄みな終わり方だったので中長編でもよかったのに…と思ってしまう。
このユニバースの他の時代の話も見てみたい、例えば冬戦争終了直後とか。もしくは同時代の外国はどうなってるのか、とか。ということで続編を楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
面白かった!渡し鳥の想像図をついつい落書きしてしまう。
装丁も星新一本っぽいが、内容もあの系統の読み応えというか、ええ感じでした。
99%の「消費者」と1%の「生産者」、国民には厚生福祉省から生活基本金が支給されていて、労働する必要が全くない(人間の代わりにロボットやAIが働いている)、平成よりちょっと先の未来という時間設定のSF。基本生活費は支給されるとはいえ、一人暮らしは無理な金額で、世帯人数が多いほうが生活が楽になるというシステム。そんな世界で家族と離れて暮らしたい女性が、独りで暮らすために、卒後に就職し、辞職し(ここらへんの話もとても面白い)再就職した職安で起きる出来事のストーリーなん -
購入済み
ずっと気になってた
以前立ち読みで、出だしだけ読んで、面白そうだな?っと思ったけど、当時は購入しなかった。
それから、2年ぐらい忘れてて……。
ある時ふと突然思い出した。
廃墟のような崩壊した東京と、巨大な駅の中を歩き回る主人公。駅の中には簡単に入れなくて……海で老人と話してて「もう、行くよ」と別れを告げるシーン。バック1つだけ持って旅にでる主人公。
そんな出だしで始まる作品なんだっけ?と悶々としてしまった。
うろ覚えの本でもみつかる。約2万冊の書籍検索「Webcat Plus」
というサイトで、うろ覚えの部分だけを文章入力して検索したら「横浜駅SF」が一覧の中にあった❗
これだっ❗