柞刈湯葉のレビュー一覧
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キレの良いストーリー展開が気持ち良いです♡
SFのSFらしいところが生き生きと読めます♡
作品の長さの違いも含めて、何が出てくるのか分からないのが魅力ですね♪
SF作品の面白さにハマりつつあります♡
文明論として考えさせられるところも多々ありました。
〔作品紹介・あらすじ〕
「人類を幸福にするのが私の仕事です」
ハンバーガー屋の待ち時間でもサクッと読めてガツッと刺さる、極上のSF作品集。牛は食べたいが、動物は殺したくない、そんな人類の夢が実現した未来を描く表題作の他、大正電気女学生、石油玉、現代の箱男などが大活躍! 全十五編(文庫化にあたり一編追加収録)。◎解説=小川哲 -
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SFなのか不条理ものなのか分類不明な小編たち。私はあまり好きではない。
第1話 日本列島は雪に覆われている。ヤチダモとエンジュはソリを引いている。南に行けば春の国があると聞いたからだ。除雪車を見つけたので乗り込む。いつしか建物についた。黒雪男と人間に出会う。肉を与えると雪男はおとなしくなった。男はガジュマルと名乗る。
第2話 イースタシアの公営住宅は全てネットワークの監視下に置かれている。薄井と大村は相互監視メイトだ。
第3話 新野境平は孤独だった。姉は累をおいて姿を消した。
第4話 トリパーチ星人の課長はラーメンを食べに来たが、重油だったので喜んだ。
第5話 仕事を終えて家に帰ると、部屋の大半を占める巨大な岩が置かれていた。
第6話 僕は透明人間で名前はない。最初は幽霊なのかと思っていたが、霊感の強い人の側で叫んでも認知されない。透明人間は不幸ではないが不便だ。壁はすり抜けられないので、部屋には閉じ込められる。 -
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なんか理屈っぽい学生さんで、キャラが立ってて良かった。
曽祖母が亡くなり、同級生を名乗るどう見てもめちゃくちゃ若い鵜沼ハル霊媒師を名乗る女性がお線香をあげに来る。大学生の豊は霊だのなんだのを信じていない。そして霊媒師の助手をして欲しいと持ちかけられる。今から仕事なので着いてきてと言われて着いていく。この日は失敗した。
次のバイトはスペイン風邪で亡くなった人から何かを聞き出すというもので、豊はいろはすとタミフルを用意していく。どうやら無事聞き出せたらしい。依頼主がいるらしいことがわかった。
幽霊の後藤三郎さんをハワイに送り出した後、なんのために霊媒師をやっているのかきいてみたが、答えてもらえなかった。ハルさんは倒れて救急搬送される。駆けつけてみると、そこには娘のサクラがいた。
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Posted by ブクログ
現実とは少し違う世界を舞台にした、理系大学生の青春SF。
前半は、お金もやる気もない男子学生が友だちと無謀な冒険をしたり、女子との出会いを夢見てはごちゃごちゃ考えたりする青春ストーリー。おバカ加減が息子とそっくりで思わず応援したくなった。
そして、自分は何がやりたいのか悩んだり、劣等感を抱えたり、後半からは青春時代ならではの葛藤や情熱、希望も描かれていてとても良い作品だった。
さらには地球が膨張して東京・大阪間が5000キロになってる不思議な世界。
メールを送るのにも時間がかかったりして、どこかノスタルジックな雰囲気もある。
そして柞刈さんの熱すぎないリアルっぽい友情青春ストーリーが大好き。
人間力あふれる篠崎と平叙文の宮原さんもとても良い。
『横浜駅SF』後の2作目だからか、面白いものを詰め込もうというノリノリの勢いも感じて、今回もたくさん笑った。
理系大学生の脳内や学生生活も垣間見れた。
「あとがき」までが楽しい。
本編を読み終わってから読んでほしい。
寂しいけど、これで『柞刈湯葉フェア』も終了。あとはBEST3を選ぶという、幸せな悩みが残っている(^^) -
Posted by ブクログ
万人に面白い本ではないかもしれない。
でも、刺さる人にはとことん刺さる本。
なのでこれはおすすめではなく、ただただ私の「好き」を語るレビューです。
旅行記とちょっと変わった斜めな視点。
どちらも大好物な自分にとって、柞刈さんの旅行記は面白くないわけがなかった。
1行1行が面白すぎて噛み締めて読むから、ちっとも前に進まない。
とにかく、いちいち全部面白い。
最初は面白いところに付箋を貼ろうと思ったけど、3行に1枚ペースになったので、諦めて電子書籍を購入。
結局は電子書籍もマーカーだらけになって読みづらくなったので、「そういうことだ」とそこからマーカーもやめた。
自分と似ているのは、止まらないぐるぐる思考、気になるとすぐググる習性、相手の言うことをすぐファクトチェックする性分、面白いと思うポイントやツボ。
決定的に違うのは、頭の構造と「もの」を見る視点。
【理系出身者はギリシア文字がだいたい読めるので、キリル文字の発音も類推で結構わかる。】らしい。
何でわかるのかは、説明されても全然わからない。
理数が苦手な自分からすると新鮮で、ただただ憧れる。できることならば、私も理系の人になりたかった。(絶対ムリだから憧れる)
印象的だったのがモンゴルでの子羊の解体シーン。
私はつい、子羊側の感情を勝手に想像して、信用していた人間に襲われる裏切りや恐怖や痛み、子を殺された子羊のお母さんの気持ちまでをセットで一気に想像してしまう。
柞刈さんは、感情を入れずに生物学的な視点で淡々と観察しているように私には見えた。
これは私には全くない感覚なのでとても斬新だった。
カエルの解剖で教室を飛び出して保健室に逃げ込んだ自分とは、頭の構造が根本から違う。
だから私はグロが苦手だったのかと何だかわかった気がした。
グロ描写は絶対NGなはずなのに、柞刈さんの脳内を通すとなぜか不思議と平気で読めてしまう。
目の前にない感情を想像してしまう自分と、目の前にある物体の仕組みを探求する柞刈さん。
自分とは全く違う頭の中をここまで覗けるのは、本でしかできない体験だと思った。
そして、柞刈さんは理系頭脳だけでなく、文章も面白いからずるい。
言葉選びのセンスがたまらない。
随所に散りばめられたオタク的で秀逸な例え話が、ことごとくツボだった。
自分にとっては心から楽しい特別な一冊だった。
もっとたくさんの国を旅して、その脳内を覗かせてほしい。
★10 -
Posted by ブクログ
『人間たちの話』が1番好き。
水金地火木土天海冥
「海冥、冥海」どっちだったっけ?と迷ってたのに、今度は「冥」がなくなったと言われても、「海」で止めるとなんか気持ち悪い。
世代によって「当たり前」が違うのも面白い。
恐竜が好きなこともあって、新しい発見によってそれまでの当たり前があっさり書き換わってしまう感覚に共感した。
それから、ずっと心のどこかにあった感覚が自分だけではないんだと思えて、ネタバレにもなるし言葉にするのは難しいんだけど、深いところでも共感した作品だった。
表題作以外ではこの2作が好き。
『宇宙ラーメン重油味』
さすがラーメン。宇宙でも人気らしい。
面白すぎるパワーワードの連続。
柞刈さんの妄想力がとにかく楽しかった。
『記念日』
家に帰ると、なぜか部屋の中に巨大な岩がある。 シュールな設定が大好き。
先輩のカタログギフトの話はちょっと参考にしようと思った。
『たのしい超監視社会』の現代的なオーウェル世界も面白かった。
最後の透明人間の話だけは、今まで読んだ柞刈作品とは少し違うように感じて自分にはあまりハマらなかったけど、デビュー前の作品と知って妙に納得。
「あとがき」が毎作品面白いので、最後まで楽しい。 -
Posted by ブクログ
SFの短編集。SFはいつも価値観や視点を揺さぶられるので痛快です。
特にタイトルの「まず牛を球とします」はタイトルからもちょっと面白くてセコい。全然説明されない世界観の含み方も素晴らしくて、近未来的な思想と科学の結実が有り得そうすぎて本当に面白かった。SF長編では得られない、いわゆる「すこしふしぎ」なSFでした。
もう1つのお気に入りは最後。単にめっちゃ勉強になったし、やべえ!合理的だ!気持ちいい!と思う設定(設計?)に感動しました。
いやー、科学って楽しいな…
読むのも楽しいが、誰かとこの作品で描かれている近未来や世界観についてずっと議論したい…!と思いました。相手がいないのでGeminiと話します…笑 -
Posted by ブクログ
印象深いのは「東京都交通安全責任課」。とんちか落語か、感覚的には間違っている気がするけど理屈にケチがつけられない。「そうかな? そうかも」って感じ。なぜ労働者は金がもらえるのか、これは形を変えた感情労働なのか、全員で1人が車1台ずつ責任を負うとどうなるのか、などなど色々な論点がありそう。
全体として他人に対する思いやりというか、せめて僕にできることはしてやろうという姿勢を感じた。「石油玉になりたい」、「家に帰ると妻が必ず人間のふりをしています。」、「大正電気女学生」の3編は特に。
「改暦」で天人合一説がまんまの形で出てたのは面白かった。これ1つ前の本で読んだところだ!