柞刈湯葉のレビュー一覧
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面白かった!横浜駅SFのサイドストーリー的な全部繋がってる短編集。「京都」「群馬」「熊本」「岩手」。
ヒロトに影響を与えた二条ケイジンの娘、ケイハがキセル同盟を立ち上げていく経過が面白かった。キセル同盟はてっきり、両端区間だけ払って、中間運賃を払わない不正乗車のキセルからきてると思っていたが、本書内に出てくる煙草密売業から由来していることになっている(もともと、語源はタバコのキセルで正解なんだが)。多分全部つながっているんだろうが、こういう設定や仕様がとても面白い。JR北海道のアンドロイド工作員のところも面白かったが、結局ユキエさんは話にしか出てこず、ユキエさんが主役の作品も読みたい。あと、サ -
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唐突ですが近未来が舞台の話です。
あくまで個人の主観ですが、小説で「近未来」というとパッと思いつくのは、ディストピアとか、機械やコンピュータに支配されてるとか、荒廃した社会だとか(どんな小説を読んできたんやという話ですが)、ネガティブなイメージです。
この小説の近未来は、なんて言うんでしょう、ほんとこのまま10年もすれば普通にこんな感じになってるかもって思えるほどの「身近さ」を感じさせられる近未来です。
とはいえ、「暮らしの中の物事はほぼ自動化され、人間がやるべき仕事も激減した結果、国民の99%は〈消費者〉として、働かなくても国から支給される生活基本金で暮らしていける。残り1%が〈生産者〉と -
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横浜駅SF2巻。(と言っていいと思う。1冊目のスピンオフっていうよりは、横浜駅オデッセイの2冊目という感じ)
またまたおもしろかった!
そして、3巻も(書く気になってくれさえすれば)きっとある! この人ネタは絶対作ってる! っていうか仕込んでたし!と思った。
この著者の描く人物がとても好きだなぁ、と思う。
いや、人物の描き方が好き、の方が正しいかも。
みんな自分に嘘がつけない人たちばかり(含アンドロイド)。
前作を読んだ時から思っていたけど、ある人物について、もう一人の人間があれ?と思う瞬間、の描写にたまにドキっとすることがある。人間が二人以上いて初めて起こるある種の化学反応とか感情の動 -
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大変におもしろうございました。
好きだなぁ、この人のセンス。
まず、「18きっぷ」にクスッときてしまった。
青春18きっぷって、確かにアングラ非常用アイテムっぽいよね、やたら安いけど自動改札通らないし日常使いしづらいあたりが。
何にも知らない無垢な主人公が胡散臭いレジスタンス活動家から託される、という設定が説得力あって、おもしろい。
エキナカやICoCarシステムもそうだけど、この著者はこういう言葉遊びが実に巧みで、読んでいて楽しかった。
非常に高度な理科系知識に裏打ちされたパロディ。
遊び心は言葉だけじゃなくて、些細な描写にも生かされていて、なんでもないところでニヤニヤしてしまう。
た -
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名前は知りつつ、「AIとSF」内の短編も楽しく読んだが単著は初めて。「冬の時代」は「少女終末旅行」風(好きなディストピア漫画)、「たのしい超監視社会」は「1984年」風(筆者解説曰く冒涜的パスティーシュ)と若干既視感を感じながら、後半3作は新鮮でとても楽しい。著者が理系ということもありディテールの描写が説得力高いというより気持ち良い。よくここまで詰められるなぁと博識に感嘆しつつ、ちょっと皮肉っぽいメタ的な視点が刺さる。「No Reaction」の反作用がない(?)は突っ込みたくなるけど。
読みやすい円城塔 (いつも理解が追いつかない...) という感じが好き。 -
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1.「たのしい超監視社会」がよかった
監視社会といえば、ディストピアのようなイメージがあったがそれのパロディ的になっている面白さがあった。実際に現実に監視社会を構築しようとすると予算やリソースの問題もあるし1人の権力者が力でねじ伏せる感じではなく、相互監視社会になるのかもね。どんな環境でも慣れていって、たのしく過ごしていきたいね。
2.なにかが起きそうで起きない
「冬の時代」と「記念日」は何かが起きそうで起きない感じが勿体無いというか、なんというか。続きを読者にまかせて想像させる技法かもしれないが、、、普通に続きがあっても面白かったと思う。短編の良さでもあり、物足りなさでもあるかな。
3.