柞刈湯葉のレビュー一覧

  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    久しぶりに読みごたえのあるSF小説を読みました。とても満足感。作者さんは生物研究員さんとのこと。すごく現実的なわけでもなく、かと言ってあり得なくもないような未来を少し納得…の怖さを感じました。

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    2023年05月07日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    最近、お気に入り作家の柞刈湯葉さんです!
    『まず牛を球とします。』『未来職安』と読んで湯葉さんの発想力が凄すぎる!
    デビュー作である本作の発想もまた凄い!


    横浜駅は大正四年に誕生してから百年以上に渡り一度たりとも工事が終わったことが無い(あとがきより)

    そんな改築工事を繰り返す『横浜駅』がついに自己増殖を開始!
    自己増殖!?
    どーいうこと(・・?
    勝手に成長していくんです!
    (エレベータも自販機も勝手にあっちこちに生えてくるんですよw)
    自己増殖を開始してから数百年・・・、JR北日本・JR福岡の2社が独自技術で防衛戦を続けるが、本州の99%が横浜駅化した!

    ここで本作の横浜駅情報のプチ

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    2023年03月12日
  • 横浜駅SF 全国版

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    面白かった!横浜駅SFのサイドストーリー的な全部繋がってる短編集。「京都」「群馬」「熊本」「岩手」。
    ヒロトに影響を与えた二条ケイジンの娘、ケイハがキセル同盟を立ち上げていく経過が面白かった。キセル同盟はてっきり、両端区間だけ払って、中間運賃を払わない不正乗車のキセルからきてると思っていたが、本書内に出てくる煙草密売業から由来していることになっている(もともと、語源はタバコのキセルで正解なんだが)。多分全部つながっているんだろうが、こういう設定や仕様がとても面白い。JR北海道のアンドロイド工作員のところも面白かったが、結局ユキエさんは話にしか出てこず、ユキエさんが主役の作品も読みたい。あと、サ

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    2022年01月22日
  • 未来職安

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    唐突ですが近未来が舞台の話です。
    あくまで個人の主観ですが、小説で「近未来」というとパッと思いつくのは、ディストピアとか、機械やコンピュータに支配されてるとか、荒廃した社会だとか(どんな小説を読んできたんやという話ですが)、ネガティブなイメージです。
    この小説の近未来は、なんて言うんでしょう、ほんとこのまま10年もすれば普通にこんな感じになってるかもって思えるほどの「身近さ」を感じさせられる近未来です。

    とはいえ、「暮らしの中の物事はほぼ自動化され、人間がやるべき仕事も激減した結果、国民の99%は〈消費者〉として、働かなくても国から支給される生活基本金で暮らしていける。残り1%が〈生産者〉と

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    2021年02月08日
  • オートマン(1)

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    横浜駅SFで物語設定のツマミを思いきり振り切った世界を書き出した著者が原作を書いた、ゾンビやフランケンシュタインの原理が産業として成立している世界線の現代の話。ストーリーの面白さだけでなく、設定の細かさにうなることしきり。超名作漫画の予感。

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    2021年01月31日
  • 横浜駅SF 全国版

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    増殖した横浜駅が本州を覆い尽くして170年が経過した未来の話。あまりにも突飛な設定なのだが、緻密に組み立て立てられた話なっている。発表された順番としては2作目だが、前作の20-30年前の時代の札幌、和歌山、四国、岩手、京都、群馬、博多の話。オーディブルで散歩/ドライブしながら聴くのにちょうど良いお話だった。

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    2021年01月03日
  • 横浜駅SF 全国版

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    横浜駅SF2巻。(と言っていいと思う。1冊目のスピンオフっていうよりは、横浜駅オデッセイの2冊目という感じ)

    またまたおもしろかった!
    そして、3巻も(書く気になってくれさえすれば)きっとある! この人ネタは絶対作ってる! っていうか仕込んでたし!と思った。

    この著者の描く人物がとても好きだなぁ、と思う。
    いや、人物の描き方が好き、の方が正しいかも。
    みんな自分に嘘がつけない人たちばかり(含アンドロイド)。

    前作を読んだ時から思っていたけど、ある人物について、もう一人の人間があれ?と思う瞬間、の描写にたまにドキっとすることがある。人間が二人以上いて初めて起こるある種の化学反応とか感情の動

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    2020年09月13日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    大変におもしろうございました。
    好きだなぁ、この人のセンス。

    まず、「18きっぷ」にクスッときてしまった。
    青春18きっぷって、確かにアングラ非常用アイテムっぽいよね、やたら安いけど自動改札通らないし日常使いしづらいあたりが。
    何にも知らない無垢な主人公が胡散臭いレジスタンス活動家から託される、という設定が説得力あって、おもしろい。

    エキナカやICoCarシステムもそうだけど、この著者はこういう言葉遊びが実に巧みで、読んでいて楽しかった。
    非常に高度な理科系知識に裏打ちされたパロディ。

    遊び心は言葉だけじゃなくて、些細な描写にも生かされていて、なんでもないところでニヤニヤしてしまう。

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    2020年09月05日
  • 横浜駅SF(2)

    購入済み

    面白かった

    サクラダファミリア状態の横浜駅をネタにしただけの色物と思いきや、なかなか面白かった

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    2018年05月11日
  • 人間たちの話

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    面白かった!好きなタイプのSFでした。
    どのお話も、その世界のごく一部、ひとときを切り抜いただけ、のようなショートストーリーで、どの世界もこれからも続いていきそうなところがとてもいい。
    私たちの今生きる世界とはちょっとだけ違う世界をちょろっと覗いて、おもしろ〜と呟いて、また現実に戻ってくる感じ。

    少女終末旅行っぽさがある「冬の時代」、ポップなSF感のある「宇宙ラーメン重油味」、主人公の考え方が面白い「人間たちの話」
    が特に好きだった。
    読み終わってから見る表紙のイラストがまた格別。

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    2025年12月05日
  • 人間たちの話

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    1.「たのしい超監視社会」がよかった
    監視社会といえば、ディストピアのようなイメージがあったがそれのパロディ的になっている面白さがあった。実際に現実に監視社会を構築しようとすると予算やリソースの問題もあるし1人の権力者が力でねじ伏せる感じではなく、相互監視社会になるのかもね。どんな環境でも慣れていって、たのしく過ごしていきたいね。

    2.なにかが起きそうで起きない
    「冬の時代」と「記念日」は何かが起きそうで起きない感じが勿体無いというか、なんというか。続きを読者にまかせて想像させる技法かもしれないが、、、普通に続きがあっても面白かったと思う。短編の良さでもあり、物足りなさでもあるかな。

    3.

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    2025年12月01日
  • まず牛を球とします。

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    とても斬新な小説だった。「スコットランドの黒羊」、「改暦」が、特に面白いと思った。
    本編を読み終わった後に、筆者による簡単なセルフ解説が書かれており、それも良かった。
    小学生の算数の問題などで見かける「直方体の太郎君」は、確かに凄まじくイビツではあるが、それを大人になるまでずっと頭にこびりつかせている筆者の執念?は、凄い。そうした感性だからこそ、こういう独特な世界が描けるんだろうと思った。(小学生の頃に算数オリンピックの問題に挑める理系頭であったことも、小説家としては多分特異的なんだろう。)

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    2025年11月27日
  • 横浜駅SF 全国版

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    横浜駅SFの続編。前作の続きではなくスピンオフ短編集。JR北日本のユキエさんの謎や冬戦争の詳細が明らかになる事は期待しないで読むのが吉。まったく明らかになりません…が、それはそれとて面白かったです。

    横浜駅SFの世界で生きるいろんな人(と、アンドロイド)のエピソードを中心に、「やっぱり生き物の目的って、自分自身が生存し続けることなんだよな」という当たり前な事を思い出させてくれる一冊だと思います。

    数日前まで國分功一郎先生の『暇と退屈の倫理学』を読んでたので、よいタイミングでした(笑)。

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    2025年11月24日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    自己増殖する横浜駅と、エキナカの住民と、改札外の住民と、横浜駅に侵食されていない地域の住民。
    発想があまりにも突飛でありながら、自己増殖の論理そのものだったり、エキナカの統治システムだったり、なるほどと思わせる。
    おもしろくて夜中に一気読みしてしまった。

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    2025年11月23日
  • 横浜駅SF 全国版

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    キセル同盟の成立と瓦解が語られる「瀬戸内・京都編」、工作員アンドロイドの思索を巡る「岩手編」などを含む「横浜駅SF」前日譚。

    各地で独自に構築された社会システムや工作員アンドロイドの内面などが語られ、より世界観がクリアになった一作。明晰な文章や緻密な設定も相まって個人的にかなり好みの作風。

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    2025年11月18日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

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    横浜駅が無限増殖を始め人類を支配した世界を、駅ソト育ちの主人公が「18きっぷ」で5日間の旅をする、なんとも不思議なSF。横浜駅にはちょいちょい行くので、「あの横浜駅がねぇ〜」と感慨深いものが…別にないですが、世界観が面白くて結構ハマりました(笑)。

    「私、今、横浜駅が無限増殖して人間を支配する話、読んでるんだよ〜」と人に話すのが、まず楽しいです。

    カクヨムからうまれたライトノベル…になるのですかね?主人公のキャラクター性がそこまで強くなくて、かわりに世界観の構成が秀逸で、読み味としては星新一さんの小説に似てる気がします。ラノベのノリを期待すると裏切られるかも。…偏見?

    細かい謎が明らかに

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    2025年11月01日
  • 人間たちの話

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    著者の作品を初めて読みました。ラノベタッチで読みやすく、短編ごとに設定が凝っていてそれぞれもっと読みたかったです。
    漫画化するといいかも? 他の作品も読んでみたくなりました!

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    2025年10月19日
  • まず牛を球とします。

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    異星モノ、歴史改変モノ、謎の技術、はたまた改暦のように純粋にSFというよりも、この世界のあり方を考察させるような作品まで、まさにごった煮。色々な料理を味わえた。

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    2025年10月05日
  • 人間たちの話

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    SFの短篇ってアイディア勝負な世界だと思ってて、「たのしい超監視社会」はその面では秀逸だった。
    他はアイディアとしては普通だけど、作者の生物学的な視点からみた人間に対する解釈とか考え方が結構おもしろかった。

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    2025年09月27日
  • まず牛を球とします。

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    ショートショートとまではいかないけど、短い話を束ねた短編集。表題作からしても牛を球にして工場で生産するって発想が面白い。
    個人的に刺さったのは「沈黙のリトルボーイ」。これは広島に投下された原爆が起爆せず、不発弾として産業奨励館(現在の原爆ドーム)に突き刺さり、それを不発弾処理として解体しようというお話。広島の方々のいろいろな感情があるので難しいとは思いますが、もっと深掘りして膨らませて一本の映画にできそうとおもいました。

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    2025年09月12日