柞刈湯葉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
宇宙人やテクノロジーといったワクワクあるいは恐々とするものにフォーカスするのがSFというジャンルの王道。
にもかかわらず、<人間たちの話>とは、どういうことなんすか?
という不可解な気持ちで読み始めた短編集。
感想としてはたしかに、表題作もそれ以外の作品も、全編通して人間たちの話でした。
氷河期の日本を旅する二人組、国による超監視下にあるのになぜか幸せそうな人々、宇宙開発に独自の冷めた目線で臨む研究者、異星人を相手にラーメンを作る料理人、部屋に現れたでかい岩と共同生活する青年、不透明人間にひたすらぼやいていく透明人間。
世界観や設定のユニークさよりも、そこに生きている人間たちがどう思って -
Posted by ブクログ
元々の本の方が面白かったため、期待が大きすぎました。
なので、結論としては、“あまり面白く無かった“
色々と話が終わってないので、更に続きが無いと困る(笑)なぁと思います。
これだけ詳細に、とんでもない世界観を作ったんだから、まだまだこの設定で幾らでも物語はイケるはず。
それぞれの読者の中に、それぞれの横浜駅の風景が既に出来上がっているので、是非是非、引き続き、駅構内で色んな事を起こして欲しいです。
コレ、例えば翻訳して海外に出してもきっと共感出来ないし(例えば世界には、改札が無い所も沢山ある)、
(新宿駅や渋谷駅でもなく、敢えて?)横浜駅って言う所も、微妙に読者のココロを掴んだ感は否めません -
Posted by ブクログ
これは……理系こじらせ系? 「こじらせ」と言ったら文系の特権みたいなイメージがあったけれども、青春に文理の別なしということか。「学部を理由にするな」と作中の先生も言っているし。
その前に、こじらせ=青春で合ってるのか? とにかく湯葉さんが、じゃなかった主人公の谷原豊さん(十九)が、彼なりの仕方で青春らしく悩んでる話だった。それならそれで、もっと青春風味のタイトルにしても良かったのでは、と思った。でもたぶん、「お前それ青春じゃん」と片付けられたくないのだろうな湯葉さん、じゃなかった谷原さんは。
言い回しや思考回路が面白いなあ、とクスクスしながら読んだ。西田くんが良かった。 -
Posted by ブクログ
はい、湯葉さんです!
湯葉さん知ってます?
『まずは牛を球とします。』の柞刈湯葉さんと言えばわかる人も多いかも
ちょっと何を書いてるのかよくわからない作品も多いですが、湯葉さん大好きです!
その湯葉さんの新作が出たのでこれもリクエストを出して速攻で手に取りました
さっそく読み出して…??
ん…??
んん…??
なんかいつもと違うぞ…??
何を書いてるのかよくわからなことが多い湯葉さんなのに書いてあることがわかっちゃうぞ!w
幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生がひいばあちゃんの葬式を経て、霊媒師と出会い、奇妙な”慰霊”のアルバイトを始めるという内容
ちょっと不 -
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Posted by ブクログ
SF作家、柞刈湯葉さんの旅行記。著作が非常に面白いので、旅行記も気になって取ってみたのですが、これがなかなか興味深い内容で楽しく読めました。
笑えたり感動したりといった物語性はほぼないのですが、著者本人が旅のライブ感を楽しんでいる様子が、こちら側にもリアリティを持って伝わってくる構成はお見事。そして、旅行記の随所に小説に取り入れたであろうアイデアの原石が転がっており、「あの作品のアイデアはこんなところで見つけていたのか!」といった、作者の頭を覗き込んでいるような面白さがありました。柞刈湯葉さんのファンには最高に楽しめる一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
pp.278-9の「補遺」による語彙解説を参照しつつ物語を紹介すると、西暦末期に大国間の連続的な戦争「冬戦争」が起き、その結果日本も「JR統合知性隊」という政治機能を委託された企業によって統治される社会になった(JRはJapan Rulerの略)。「横浜駅」はまるで生命体のように自己増殖を開始し(コンクリートが勝手に動いて?増殖し、エスカレーターなど駅施設がニョキニョキ生え始め)、そして本州の99%は横浜駅になった。駅の中は警察みたいな「駅員」と、「自動改札」というロボットに支配され、人々は脳内に埋め込まれたSuikaで管理されている、Suikaを持ってないと「強制排除」が実行されて駅の外、