SF作家の地球旅行記

SF作家の地球旅行記

小説・文芸
1,650円 (税込)

8pt

首里城、筑波山、ウラジオストク、モンゴルの草原……
何のために旅に出て、何を思い、何を目指すのか。SF作家の目を通して楽しむ新感覚旅行記。

2019~2021年note投稿作品を大幅に加筆・修正した海外編4柞&国内編8柞、さらに[架空旅行記]として書き下ろし短編小説2作(月面編/日本領南樺太編)を加えた。

──だいたい僕はどこへ行っても似たようなことをして、似たようなことを考えている。そこには環境によらない恒常的な自己同一性みたいなものがうっすらと見えてくる。(あとがき より)

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SF作家の地球旅行記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    万人に面白い本ではないかもしれない。
    でも、刺さる人にはとことん刺さる本。
    なのでこれはおすすめではなく、ただただ私の「好き」を語るレビューです。

    旅行記とちょっと変わった斜めな視点。
    どちらも大好物な自分にとって、柞刈さんの旅行記は面白くないわけがなかった。

    1行1行が面白すぎて噛み締めて読むから、ちっとも前に進まない。
    とにかく、いちいち全部面白い。

    最初は面白いところに付箋を貼ろうと思ったけど、3行に1枚ペースになったので、諦めて電子書籍を購入。
    結局は電子書籍もマーカーだらけになって読みづらくなったので、「そういうことだ」とそこからマーカーもやめた。

    自分と似ているのは、止まらないぐるぐる思考、気になるとすぐググる習性、相手の言うことをすぐファクトチェックする性分、面白いと思うポイントやツボ。
    決定的に違うのは、頭の構造と「もの」を見る視点。

    【理系出身者はギリシア文字がだいたい読めるので、キリル文字の発音も類推で結構わかる。】らしい。
    何でわかるのかは、説明されても全然わからない。
    理数が苦手な自分からすると新鮮で、ただただ憧れる。できることならば、私も理系の人になりたかった。(絶対ムリだから憧れる)

    印象的だったのがモンゴルでの子羊の解体シーン。
    私はつい、子羊側の感情を勝手に想像して、信用していた人間に襲われる裏切りや恐怖や痛み、子を殺された子羊のお母さんの気持ちまでをセットで一気に想像してしまう。
    柞刈さんは、感情を入れずに生物学的な視点で淡々と観察しているように私には見えた。
    これは私には全くない感覚なのでとても斬新だった。
    カエルの解剖で教室を飛び出して保健室に逃げ込んだ自分とは、頭の構造が根本から違う。
    だから私はグロが苦手だったのかと何だかわかった気がした。
    グロ描写は絶対NGなはずなのに、柞刈さんの脳内を通すとなぜか不思議と平気で読めてしまう。

    目の前にない感情を想像してしまう自分と、目の前にある物体の仕組みを探求する柞刈さん。
    自分とは全く違う頭の中をここまで覗けるのは、本でしかできない体験だと思った。

    そして、柞刈さんは理系頭脳だけでなく、文章も面白いからずるい。
    言葉選びのセンスがたまらない。
    随所に散りばめられたオタク的で秀逸な例え話が、ことごとくツボだった。

    自分にとっては心から楽しい特別な一冊だった。
    もっとたくさんの国を旅して、その脳内を覗かせてほしい。
    ★10

    0
    2026年07月19日

    Posted by ブクログ

    理系っぽい語り口のエッセイがツボ

    エッセイの部分も勿論おもしろいんだけど、架空の旅行記もSF作家ならではの視点と想像力でとても面白かった

    0
    2026年04月19日

    Posted by ブクログ

    文章の書き方が私にとても類似していて共感を得たものの、全体的に滞在時間の割に思考内容(脱線)が少なすぎる!!実際の旅行中はもっと色々な思考(志向からくる嗜好)があったはずであり、そこが記されていない以上、小説としてイマイチです。
    書籍化するのであれば常時、心の内を独り言としてつぶやいて録音し、文章に起こして添削する覚悟で旅して欲しいものである。
    一読者からの感想としては以上だ。

    0
    2026年09月13日

    Posted by ブクログ

    語り手がユニークで終始読みやすい。
    最後のページに、自分探しに何故旅行へ行くのかが書かれていて、とても本質的だと思った。
    内容が気になる方は、是非読んでみてほしい。
    本書自体はサラッと読めるのが良いところである。

    0
    2026年08月20日

    Posted by ブクログ

    こういう旅のエッセイものってなかなか手が伸びないのだけど、一風変わったチョイスの旅先で面白く読めた。(ゆる言語学ラジオか積読チャンネルで堀元さんが紹介していたので読んだ)

    千葉の鋸山に最近行ったのだけど、あそこをマインクラフトと表現するセンスいいなぁと思う。

    ・私が知らなかったこと
    人が住んでいる琵琶湖内の島!
    沖島
     
    新幹線と在来線の線路の幅が違う!
    三線軌条

    日本でもオイルが採れる!
    相良油田

    0
    2026年06月13日

    Posted by ブクログ

    ずっと気になってた作家さん
    言葉選びが巧みで旅行記なのに小説を読んでいるかのような読みごたえ
    伏線があったり、へぇ、と思うような豆知識もあったり。
    真似したい旅行もたくさんあったしモンゴルとか楽しそうでいつか行ってみたい
    ラスト2編の架空編は未来のこうなったらいいなとifの世界線でどっちも好きだった。
    SFなんとなく苦手意識あるけど挑戦してみたい。

    0
    2025年08月16日

    Posted by ブクログ

    エッセイってこんなに伏線張っていいのか。気を張らない旅行をしているので文体も全体的にゆるくて読みやすいし、クスッと笑えるユーモアや比喩が多くておもしろい。個人的に好きだったのは石川県の垂水の滝を「滝というのは水が垂れるものなので、「音速のソニック」のような冗長性がある」というところや、牛久大仏を「超大型巨人が2人分」と例えた部分で、SF作家のエッセイだけど身近さを感じた。自分が旅行する時も作者のような視点で旅行してみたいなと思った。
    海外編ももちろん全ておもしろかったけど、意外と一番近場の千葉編が短編としてよくまとまっていて一番好きかもしれない。

    0
    2025年08月15日

    Posted by ブクログ

    とても楽しい旅行記!
    作者さんが行った場所や妄想の場所のお話!モンゴルの馬なんかはやってみたいな〜と思いながら読んでました!

    0
    2025年08月12日

    Posted by ブクログ

    面白かった!!
    いま一番好きな日本人作家は、と聞かれたらこの人かも。
    旅行記はそんなに好きなジャンルじゃないけど、ご本人にとても興味があるので読んでみた。

    予想をはるかに上回って面白かった。普通の日常エッセイも読みたい。ものすごく読みたい。有料でそういうのを配信されているらしいけれどできれば本でまとめて読みたい。

    全部おもしろかったけど、やっぱりカナダ編、モンゴル編の海外ものが特におもしろかったな。
    旅先でユニークな体験をした、とかいうことよりも、その体験についての考察がコテコテの理系目線なので、私には思いもよらない方向に深掘りされていて楽しい。一緒に旅行して、延々と喋りを聞けたらいいのにと思う。
    あと、乗馬大好きなのでモンゴルに行きたくなった。ギャロップとかしてみたいよ。

    研究職と作家業の両立が時間的に不可能となり、作家業を選んだ、とあったが、「本当は兼業を続けたかった」と書かれていて、なんとなく哀しい気持ちになった。
    状況は全然違うが、私も夫の転勤により、辞めたくない仕事を何度も辞めてきたので、自己都合じゃないけど自己都合としか言いようのない理由で仕事を辞める悲しみが心の中に何重もの地層をなしていて、その上に無理やり蓋をして鍵をかけて開かないようにして生きているので、研究職を辞める決意をしたことについて、柞刈さんの控えめな(だけど、何度か繰り返し出てくる)表現が逆に胸に刺さった。人に話してもどうしようもない話だし、本当の悲しみは分かってもらえないので、ふだん話題にしないが、こういうのを読むとふっと表に出てきてしまう。

    ところで、架空編になると、とたんに興味が失せた。自分でも不思議なくらいに。この架空編の二編、だるーと思いながら読んだ。
    小説だって架空の話なのに、こうならず面白く読めるのはなぜなのかしら。両者の違いは何?!と自分でも謎だった。

    あと、やけに誤字の多い本だった。柞刈さんと編集さん、忙しかったのですかね。
    研究者らしく、事実に関してやけに厳密な人なだけに、余計タイプミスみたいなものが気になったかも。
    好きなので、評価には全然影響しないけど。

    0
    2024年08月11日

    Posted by ブクログ

    SF作家、柞刈湯葉の旅行記。

    国内、海外問わず、さまざまな場所を旅行するエッセイ集。というとよくある旅行記に聞こえるが、そこはSF作家。

    目的は観光地化された遺跡でも美食でもなく、国境だったり地磁気逆転の記録された地層だったり、電車に乗ること自体だったりと常軌を逸している。鉄道だけに。
    氏の小説と同じ軽妙な語り口でのあてのない旅の記録をみていると、自分も特に無意味にアイスランド行ってトナカイでも食べるか…とか、思えてくる。たぶんいかないけど。インドア派なので。

    インドア派だけど旅には憧れる、けど観光地にはそんな興味無いあなたへの一冊。

    0
    2024年08月06日

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