柞刈湯葉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「まず牛」の所でも述べたが、今後の柞刈作品の読書計画で迷っていた。が、迷いは即刻無くなっていた。いや、無くなったと言うよりも、加速している。このままでいくと、柞刈ロスが生まれる可能性があるので、ここは心を鬼にして現在読んでいるハヤカワ文庫JA「人間たちの話」で一区切りしたいと思っている。でもそれじゃだめだ。ここでハッキリと中断宣言する。それくらいの強い意志を持たないといけない。
さて、本書は前職の県庁交通事故責任担当で責任を取らされて失職した後の話で、職安を使わずに職安で働くのも面白い設定。しかし、働かない人が99%の世界ってパラダイス。しかし「働く」という言葉の定義をどの様に設定するかによって、この働かない人=99%の世界に意外と近づいている。単に「働く」というものが労働に対して対価を得るのであればちょっと定義が広すぎる。「働く」という質を考えた数値で再評価する必要もある。ホワイトvsブルー、労働時間、管理vs被管理、生産性vs非生産性等の構成を考えただけでも、等価なのか非等価で労働強度といった数字の重みづけも違ってくる。
人間が人間になる前の世界では働かない人=0%とすると、今世紀は働かない人が急増するのは間違いないだろう。しかし、働かない人の死亡率が高くなり、いくらAIが発達したとしても、働かない人=99%の世界にはなかなか到達できないのではないかと思う。人間は働く、というか生物は働くのだ。寄生虫だって寄生の対価が栄養とすると、仕事をしないと死んでしまう。生まれる前から一生分の栄養を所有しているのなら、寄生しなくても生きていける。でも、それって本当に寄生虫なの?つまり、働かない人間って本当に人間なの?働くという楽しみを失った人間って本当に人間なの?と、率直な感想が頭の中をよぎった。
作者はさすが生物学研究者だけのことはあるな、と感心した作品でした。 -
Posted by ブクログ
期待通りに面白かったのは間違いない。一応前作のスピンオフではあるけれど、登場人物が重複していること以外前作のストーリーの大枠に大きく関わっているわけではないので、同じ世界観を共有した独立した作品として楽しむことができる。
コロポックル達がみんな個性的で魅力的なキャラクターだったな。彼らが出る話をもっと膨らませて書いてほしかった。特に岩手編、謎を謎のまま残して少し尻窄みな終わり方だったので中長編でもよかったのに…と思ってしまう。
このユニバースの他の時代の話も見てみたい、例えば冬戦争終了直後とか。もしくは同時代の外国はどうなってるのか、とか。ということで続編を楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
面白かった!渡し鳥の想像図をついつい落書きしてしまう。
装丁も星新一本っぽいが、内容もあの系統の読み応えというか、ええ感じでした。
99%の「消費者」と1%の「生産者」、国民には厚生福祉省から生活基本金が支給されていて、労働する必要が全くない(人間の代わりにロボットやAIが働いている)、平成よりちょっと先の未来という時間設定のSF。基本生活費は支給されるとはいえ、一人暮らしは無理な金額で、世帯人数が多いほうが生活が楽になるというシステム。そんな世界で家族と離れて暮らしたい女性が、独りで暮らすために、卒後に就職し、辞職し(ここらへんの話もとても面白い)再就職した職安で起きる出来事のストーリーなんだが、結構あちこちに出てくる文章がぶっささる。
P90
”厚福省の生活基本金は、ひとりで生きるには少し厳しい金額に設定されている。一方で家族をつくってまとまって住めば、いくらかの節約になる。
だからみんな結婚して、子どもをつくって、人数分の生活基本金をもらう。
そうやってこの国の人口は維持されている。
ずっと昔から、まだ科学技術なんてものが生まれる前からこの国はそういう風に運営されていたらしい。普通の生き方をしていれば国からきちんと面倒をみてもらえるけど、そこからちょっとでも外れるとひどく面倒な事になる。だからみんな、寒い土地で身を寄せ合うように「普通」へ「普通」へと向かっていく。”
p127
”「事務員?という事は、そちらも社会人の方ですか」
「社会人?」
と私が聞き返すと、
「生産者の昔の言い方だよ」
と大塚さんが小声で補足する。なんだそりゃ。まるで消費者は社会の構成員じゃないみたいじゃないか・ひどい言葉もあったものだ。”
とても短くて読みやすいので、
ランチタイムに1冊イケる系
あ、そうそう、
SNSは、EsEnEsという名前に置き換えられているんだが、
SNSって日本語で書くとエスエヌエス、全部エでスタートするやん!
という、ことに気づかされて、妙に興奮してしまった(なんやねん、それ)
ローマ字表記すると、Eが3つ!(興奮)
そんな感じで、久々に小学生か中学生ぐらいのころに
戻った気がしました。こんな感じの作品めちゃ好きでした。
(今も好きだと再確認した) -
購入済み
ずっと気になってた
以前立ち読みで、出だしだけ読んで、面白そうだな?っと思ったけど、当時は購入しなかった。
それから、2年ぐらい忘れてて……。
ある時ふと突然思い出した。
廃墟のような崩壊した東京と、巨大な駅の中を歩き回る主人公。駅の中には簡単に入れなくて……海で老人と話してて「もう、行くよ」と別れを告げるシーン。バック1つだけ持って旅にでる主人公。
そんな出だしで始まる作品なんだっけ?と悶々としてしまった。
うろ覚えの本でもみつかる。約2万冊の書籍検索「Webcat Plus」
というサイトで、うろ覚えの部分だけを文章入力して検索したら「横浜駅SF」が一覧の中にあった❗
これだっ❗
そしてマンガ版は、全3巻で完結してることも確認できたので、まとめて買って、一気に読みました❗
なかなか面白かった。
あとがきを読んで、元の小説版が気になった❗
マンガと小説がどう違うかな?って。
そして現在、小説版を読んでる最中だが、これもまた何年ぶりかにSF小説を読むきっかけとなった。
※最近ずっとビジネス本ばかりだったので、とても新鮮である(笑)
マンガから小説という順番で読んでるおかげか、小説のイメージがしやすい。
やはり、マンガより少し肉付け感が増しているので、マンガ版と小説版の読み比べするのも面白い作品です❗