柞刈湯葉のレビュー一覧

  • 横浜駅SF【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    自己増殖を繰り返し本州を覆い尽くした横浜駅。生体認証システムSuikaを用いて部外者を排除する自動改札。入手した18きっぷを使ってエキナカへの進入を試みる青年。密かに潜入しているJR北日本の工作員たち。横浜駅との攻防を続けているJR福岡。
    などなど、魅力的なガジェットに満ちたディストピアSF。

    作者自身が言及しているように椎名誠の「アド・バード」の影響が感じられるが、ロードムービー的な「アド・バード」に対して、より正攻法なエンターテイメント作品に仕上がっている。
    SFに抵抗が無いなら一読に値する傑作。

    0
    2025年08月30日
  • SF作家の地球旅行記

    Posted by ブクログ

    ずっと気になってた作家さん
    言葉選びが巧みで旅行記なのに小説を読んでいるかのような読みごたえ
    伏線があったり、へぇ、と思うような豆知識もあったり。
    真似したい旅行もたくさんあったしモンゴルとか楽しそうでいつか行ってみたい
    ラスト2編の架空編は未来のこうなったらいいなとifの世界線でどっちも好きだった。
    SFなんとなく苦手意識あるけど挑戦してみたい。

    0
    2025年08月16日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    「宇宙ラーメン重油味」「たのしい超監視社会」という短編のタイトルから、奇抜でブッ飛んでるハイテンションな短編集を期待しましたが、どちらかというと、しっとりと落ち着いた感じの作品集でした。

    しみじみと一番好きだなぁと思ったのは表題作の「人間たちの話」。(当初期待していたような)楽しい気持ちになる話ではないのですが。著者の柞刈湯葉先生は元・生物学者なのだとか。物語の主人公が「地球外生命体が発見されるとしたら、そこは会議室だろうな」(うろ覚え)みたいなことを考えてるのが、リアルな感じしました(笑)。

    0
    2025年08月16日
  • SF作家の地球旅行記

    Posted by ブクログ

    エッセイってこんなに伏線張っていいのか。気を張らない旅行をしているので文体も全体的にゆるくて読みやすいし、クスッと笑えるユーモアや比喩が多くておもしろい。個人的に好きだったのは石川県の垂水の滝を「滝というのは水が垂れるものなので、「音速のソニック」のような冗長性がある」というところや、牛久大仏を「超大型巨人が2人分」と例えた部分で、SF作家のエッセイだけど身近さを感じた。自分が旅行する時も作者のような視点で旅行してみたいなと思った。
    海外編ももちろん全ておもしろかったけど、意外と一番近場の千葉編が短編としてよくまとまっていて一番好きかもしれない。

    0
    2025年08月15日
  • SF作家の地球旅行記

    Posted by ブクログ

    とても楽しい旅行記!
    作者さんが行った場所や妄想の場所のお話!モンゴルの馬なんかはやってみたいな〜と思いながら読んでました!

    0
    2025年08月12日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    普段考えないようなことを身近なところから気づかされる作品だった。
    死ぬことは機能である。という考えは前向きに死をとらえる。というよい気づきになった。
    それぞれの短編がそれぞれ面白かった。

    0
    2025年08月11日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自己増殖を続ける横浜駅に本州が覆われ、人類はエキナカとエキソトの生活圏に分かれて暮らしている世界。エキソトの住人であったヒロトは、いくつかの勢力に後押しされて横浜駅のエキナカに入り込み、真実にたどり着くことになる。こう書くと実に意味が分からなくて良い。おおよそあってるはず。

    自動改札、アナウンス、エスカレーターなど、ごくありふれたものが異常な状態で存在しているのが魅力。横浜駅自体も生物的に書かれており、粘菌のようなイメージを受ける。そうなると自動改札は免疫機構だろうか。

    ヒロト自身に強い意志があったわけでもないので、問題が解消された後も謎が色々残ったままだったり、関わった人物たちとの交流も

    0
    2025年07月18日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    すごい深みのある作品というわけでも、すごい科学技術を描いているというわけでもないが、不思議に読後感は悪くない。
    ちょっとだけシニカルな視線が小気味よい。
    この人の他の作品を読みたくなった

    0
    2025年07月07日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    宇宙のラーメン屋台で働いてる相棒が殺戮兵器なのがめちゃくちゃいい

    表題作がなんともいえない良さだった じわじわ染み入るかんじ

    0
    2025年07月03日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    あまり詳しくない分野だったので、読んでいるときの頭の中は「ははー、なるほど、ほー!」しか浮かびませんでしたが、面白かったことは断言できます。

    0
    2025年06月27日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    世界観がすごい!
    増殖する横浜駅という構想がすごい。jr北日本のアンドロイド達がどうなったか気になるし、jr福岡や北日本の動きも気になる。続編も読みたい。

    0
    2025年06月15日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    SFとは想像力を広げるものだ。著者の方の見える世界には脱帽でまだ私の頭は狭いものだと気付かされ、同時に自分だけの世界ではないことに改めて感じる。
    監視社会をテーマに書かれたものは今の自分の常識を考えなおさせてくれる気づきになった。
    どれもそうだが基本的には楽しく読めて読んだ後に深さを感じられる、自分の中でこのような世界となれば自分はどう感じるのだろうか?どう生きるのだろうか?と反芻できるものは、とても良い作品に出会えたのだろうと思う。
    科学的なことが多く書かれているものもあって、そこは物語よりそっちに引っ張られることもあったので読むためには科学的な知識があればより楽しめるんだろうなとも思った。

    0
    2025年05月23日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    横浜駅、Suika、改札、キセル同盟、、、。

    駅をモチーフにここまでイメージが拡張された世界に圧巻でした。

    ディストピアな世界観も相まってとても妖しい奇妙な話でとてもおもしろかった。

    0
    2025年05月11日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    SF短編集、完全にジャケ買い。

    以前読んだハードな(硬派ではなく難解な)SF短編集と比べてしまうのは申し訳ないが、読みやすく、登場人物の思考や人物像も明確で、没入して読むことができた。キャラクターがいきいきしている物語は読んでいて楽しい。

    得体の知れない事物が物語の最後にどうなってしまうのか、気になって読み進めることができるのがこの短編のいいところで、短編だからこそ長すぎずこのワクワク感が適度に持続した状態で結末を迎えてくれるのが好み。

    柞刈湯葉 他の作品も読んでみたい。

    0
    2025年05月06日
  • 幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    あらすじを書いてしまうと、理系の大学生が、霊媒師の女性と出会って、その手伝いをし、その街に過去にあった出来事を吐き出すと言う、タイトル通りの話なのだが、軽い筆致の割に、予想外の展開が続き、この作家の本領発揮と言うところだと思う。

    0
    2025年04月29日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SF短編だけど面白かった。

    「たのしい超監視社会」みたいな作品を読むたびにジョージオーウェルの1984を読んでて良かったなって思う。他の作品もなかなか良かったように思いました。作者の名前覚えとこ。

    0
    2025年04月28日
  • 横浜駅SF【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    着想と設定がすごい
    リアルタイムで読んだ時はピンと来なかったところが、現在の技術に照らし合わせるとなるほどとなった。
    回収して欲しい伏線が多い。
    エキナカにいられる5日間だけで数百年の真相に辿り着けちゃう主人公の運が良過ぎる。

    今回のオチ:
    本州全土に増殖したAI横浜駅だったけど、元々自己崩壊プログラムを用意していた。主人公は幻の42番出口に辿り着きそのスイッチを押す。日本はもう横浜駅なしでは生きられない状態だったが、行末には触れず終了。

    0
    2025年04月28日
  • SF作家の地球旅行記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SFの嗜みがないのでどんなもんだろうと思っていたけれど、過度にSF的なところはなく、淡々としていて読みやすい。
    ところどころに挟まれる「笑い所」も自分的には許容範囲だ。
    元々旅行が好きという作家さんのようなので、続刊が出るようなら読んでみたい。

    0
    2025年04月13日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表題作「人間たちの話」が衝撃だった。

    プロローグやエピローグの部分は、端的にいえば、人間の悩みなんて宇宙から見ればちっぽけなものというのと近いと思う。

    しかし、プロローグでその伏線を張り、生命や家族の定義について深く議論し自分も一緒になって苦しんだ上で、エピローグで改めて突きつけられると、まるでそのことに初めて気付かされたような感覚があった。

    また、それでもこれは「人間たちの話」であり、宇宙からどう見えようと人間たちにとっては預かり知らぬ話なんだとも思った。

    0
    2025年04月06日
  • 人間たちの話

    Posted by ブクログ

    ラーメンの話とたのしい超監視社会が印象に残った。特に後者は全然自分が思ってる方向に行かないのが楽しかった

    0
    2025年03月09日