柞刈湯葉のレビュー一覧
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斜め上をいく発想でおもしろかった!
特に「東京都交通安全責任課」。
自動化技術の発達で人の仕事はなくなり、人にできる仕事は責任を取ることだけだという。
タクシーは無人化し、運転自動化で事故もあまり起こらないけどいざという時は人が辞職することで責任を取らないと被害者が納得しない。
学校では教師はいなくて、責任を取る校長しかいない。
完全にSFの世界とは言い切れず興味を刺激される。
他、犯罪者に田中が多いとされた過程とそれによる影響の話の「犯罪者には田中が多い」と、
物から数字だけを取り出すという発想の「数を食べる」もおもしろかった。
(ちょっと長くて意味のわからない話もあったけど。)
あとがきに -
Posted by ブクログ
表題作である「まず牛を球とします」というタイトルに惹かれて購入した。
書き出しの「球よりも立方体のほうが、隙間がなくて効率的では?」という一文だけで、
もう「牛を決まった形に整形して育てるべきか?」という疑問ではなく、
そんなことは当たり前で「牛をどういう形にするべきか?」という議論に至っているという世界に引き込まれる。
そうそう、こういう奇想天外なSFが読みたかったんだよ、という気持ちにさせられるのだ。
どの短編も奇想天外な世界で、実際には起こり得ないと思いながら読んでいくのだが、「犯罪者には田中が多い」「東京都交通安全責任課」「ボーナス・トラック・クロモソーム」など、実際こうなる可能性もあ -
Posted by ブクログ
私も幽霊を信じたことがない。
何なら「幽霊を見た」と話す人を、どこか信用できないと思ってしまうタイプだった。
でも母が亡くなってから少し変わった。
幽霊を信じるようになったわけではない。
夢に母が出てきたら「何かを伝えに来てくれたのかな」と思ってしまうし、お墓参りには行くけど、母はお墓ではなく今までどおり母の部屋にいるような気がする。
霊は信じていないのに、母のことは信じているという、なんとも矛盾しているような感覚がずっと私の中にある。
この本の主人公もまた、幽霊を信じない理系大学生。彼が霊媒師のバイトを通して「信じてはいないけど…」というグラデーションのような感覚に共感した。
随所に笑え -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルからして面白そうだった。
この話の最も面白い点は
「幽霊を信じていないまま、物語が進んでいく」
というところではなかろうか。
こういった類の話だと、
『類まれな霊媒の実力をまざまざと見せつけられて、
科学的には到底あり得ない話だけれども、
どうしたって納得する他ない』みたいになって、
バディ感が生まれる…というのがセオリーな気がするが、
この話に限っては最初から最後まで彼の主張が一貫していて
全くぶれることがない。
途中一般人ならやっぱいるんじゃない?となりそうなところも
華麗にスルーしていたまま、かといって斜に構えるでもなく、
物語が進行していくので、読み手としては
どっちのスタ -
Posted by ブクログ
無秩序に自己増殖する横浜駅に本州がほぼ飲み込まれて数世紀。ひょんなことからヒロトは横浜駅が秘匿する「42番出口」へと赴く。
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先に「全国版」を読んでしまっていた本作なので、読んでいて先に答えを見てから問題を解くような気持ちになってしまった。その点はちょっと残念だったのだけど、十分に面白かった。特に最後に畳み掛けるように謎が解かれていく部分はなかなかのカタルシスだった。
しかし横浜駅ば無限に増殖していくとかいうぶっ飛んだ設定をよく考えてくれたもので、そこから広がる世界観にはどっぷりとハマらせてもらった。楽しい時間だった。