あらすじ
「他人の気持ちが分からない」ことが悩みの谷原豊(たにはらゆたか)(18)は、曾祖母の死(享年100)をきっかけに、謎の霊媒師・鵜沼(うぬま)ハルと出会った。自称大正生まれのハルは、幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生の豊に、奇妙な“慰霊”のアルバイトを依頼する。彼女の正体と、この街の秘密とは――。モラトリアムの青春を爽やかに描く、すこし不思議なジェントル・ゴースト・ストーリー。
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幽霊は信じてないけど霊媒師を信じてるのがいい。
豊君の人の基準が西田君っていうのがなかなか。
西田君は最後誰をみたんだろうか。
一番の可能性あるのは今野勲さんだったりしますかね。
まさか霊媒師のバイトから凄いシステムの作成に繋がるなんて。
豊君は凄いと思ってたけど周藤君も凄い。
行動が的確といいますか。利益を出すのが上手といいますか。
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あらすじを書いてしまうと、理系の大学生が、霊媒師の女性と出会って、その手伝いをし、その街に過去にあった出来事を吐き出すと言う、タイトル通りの話なのだが、軽い筆致の割に、予想外の展開が続き、この作家の本領発揮と言うところだと思う。
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柞刈湯葉大先生の最新作、今更ながら、遅ればせながら、読みました。軽やかに、でも面白く、しっかりとの作風にいつものように安心して楽しみながら読んだ。やっぱ好きだなあ
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初めて読む作家さん。面白かった。終盤失速気味だったのは残念だが途中までは文句無し。会話の内容が、主人公の理屈っぽくて少し醒めたキャラを反映して、良い感じなのだ。
「幽霊存在を信じない理系大学生」というと、単純に信じていないように思われるのですが、所謂「幽霊と考えられること」を論理的に捉えることで、幽霊でないと思っている大学生を主人公とする小説です。
オカルトでもないし、単純な青春小説でもなく、心理小説的なもので、楽しく一気に読みました。
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柞刈湯葉マラソン三冊目。
今作もおもしろかった!
最後まで幽霊がいるいないではなく、"ハルさんを信じている"、で紡がれるのがいい。ジェントル・ゴースト・ストーリーという紹介文が素敵で、かつゴーストの本質が死者そのものでなく街の記憶、人の記憶、人と人のあいだで蓄積される記憶、として現れているのが良かった。
幼なじみとのエピソードのひとつひとつが愛らしく、子ども時代の思い出でしかなかった"埋蔵金"が物語に絡み訪れる終幕のなんとも爽やかなこと。
柞刈湯葉は男と男書くの上手いですね。
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面白かった。推定100歳以上だけど40歳くらいにしか見えない霊媒師のハルさんと、その仕事を手伝う理系大学生の話。主人公は幽霊については全く信じてないんだけど、ハルさんを真っ向から否定するわけではなく、自分なりにロジックに落とし込もうとする。その過程が面白い。
途中霊媒の仕事を目撃された女性が登場するんだけど、その彼女と主人公の会話が抜群に面白かったです。
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「幽霊」を信じない理系大学生の主人公が、幽霊は普通に存在するという価値観を持つ霊媒師と出会い、「幽霊」について考えるなかで、人というものの存在、人と人の社会的関係について考えを巡らせる物語。
真面目で勉強はできるけれど、そのせいもあってか自分の世界観や思考の軸がハッキリとしている主人公は、どこか他者の心情を読み取るのが下手で、「人の気持ちの分からないやつ」と友人に言われてしまうほど、、、
そんな主人公が「霊媒師のバイト」として雇われるなかで、亡くなった人と今生きる人との関係に考えを巡らせ、
『人はみんな、誰かとの関係、会話の中で、自分の存在を社会に刻み込んできたのだ。』
と腹落ちしていく。
今まで亡くしてきた人、今生きている人たちに想いを巡らせることのできる一冊。
とても読みやすく3時間もかからずに一気に読んでしまいました。読後感はさっぱり、夏の少し涼しい風が吹く日にピッタリ。
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さて、豊とハルさん、どっちが実数軸でどっちが虚数軸なのか、と思ったりした。
普通ならハルさんが虚数、なんだろうけど、人情が判らない豊が虚数という見方も無くはない、かな、と。
で、続編があるなら、90度回転したりするのかな、と。(回転させるマトリクスがサクラになるのか、それとも、高野さんになるのか)
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読み終わった一番の印象は,これはキャラクターそのものを主軸とする小説だな,と思った.ストーリー自体はかなりぬるッとしていて,大きな盛り上がりがあるわけではないのだけれど,お話そのものではなく,お話を通して独特の価値観を持っている主人公自体の考え方を楽しむ感じで読んでいた.理屈っぽいキャラクターってのは世の中にたくさんあるけれども,ここまで科学的な考え方をする主人公ってのはなかなかいないように思う.そういう点で,柞刈湯葉っぽい小説だなと思って面白かった.
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タイトル通りの話。科学は幽霊を信じないのに幽霊は元々ヒトだから科学を信じている、しかも自分の生きていた頃の科学っていう設定が面白かった。盛り上がりには欠けるけど読みやすい。
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主人公は、「他人の気持ちがわからない」大学生。
私は彼ほど頭は良くないが、人の気持ちがわからないところは似ていると思った。
しかし、読んでいて気がついたのは、私は、「他人の気持ちがわからない」のではなく、「わかろうとしてこなかった」だけなのだと。
他者を理解するふりはやめて、人に寄り添える人間になろうと思った。
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「駅周辺の何処かしらで工事が続きまくって、何時まで経っても終わらない様」を、無限増殖という形にして描いた「横浜駅SF」でデビューした柞刈さん初の非SF作品??
と思いきや、しっかりSF的見地で非科学的な霊と向き合っています
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これは……理系こじらせ系? 「こじらせ」と言ったら文系の特権みたいなイメージがあったけれども、青春に文理の別なしということか。「学部を理由にするな」と作中の先生も言っているし。
その前に、こじらせ=青春で合ってるのか? とにかく湯葉さんが、じゃなかった主人公の谷原豊さん(十九)が、彼なりの仕方で青春らしく悩んでる話だった。それならそれで、もっと青春風味のタイトルにしても良かったのでは、と思った。でもたぶん、「お前それ青春じゃん」と片付けられたくないのだろうな湯葉さん、じゃなかった谷原さんは。
言い回しや思考回路が面白いなあ、とクスクスしながら読んだ。西田くんが良かった。
Posted by ブクログ
一癖あるSFでおなじみの作家さんなのでミステリっぽい話を想像したのだけれど、そんなことはなく端的に言うならハートフルコメディかな。まあ、タイトルそのままですね。
この手のお話は最後にオカルトっぽい事件が起きて、理系青年が考えを改める的な展開になるのが定番で、実際怪異っぽい事件は起きる。けれども主人公はそれが確かに怪異っぽいことは認めつつも、合理的に解釈可能だと判断してスタンスは変えない。これが痛快でありました。実際、起きたことを素直に受け止めてるだけなんだよね。
Posted by ブクログ
はい、湯葉さんです!
湯葉さん知ってます?
『まずは牛を球とします。』の柞刈湯葉さんと言えばわかる人も多いかも
ちょっと何を書いてるのかよくわからない作品も多いですが、湯葉さん大好きです!
その湯葉さんの新作が出たのでこれもリクエストを出して速攻で手に取りました
さっそく読み出して…??
ん…??
んん…??
なんかいつもと違うぞ…??
何を書いてるのかよくわからなことが多い湯葉さんなのに書いてあることがわかっちゃうぞ!w
幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生がひいばあちゃんの葬式を経て、霊媒師と出会い、奇妙な”慰霊”のアルバイトを始めるという内容
ちょっと不思議な爽やか青春SF小説って感じかな
今までと違った作風だけど、こんな湯葉さんもいいかも〜