あらすじ
「他人の気持ちが分からない」ことが悩みの谷原豊(たにはらゆたか)(18)は、曾祖母の死(享年100)をきっかけに、謎の霊媒師・鵜沼(うぬま)ハルと出会った。自称大正生まれのハルは、幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生の豊に、奇妙な“慰霊”のアルバイトを依頼する。彼女の正体と、この街の秘密とは――。モラトリアムの青春を爽やかに描く、すこし不思議なジェントル・ゴースト・ストーリー。
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Posted by ブクログ
幽霊は信じてないけど霊媒師を信じてるのがいい。
豊君の人の基準が西田君っていうのがなかなか。
西田君は最後誰をみたんだろうか。
一番の可能性あるのは今野勲さんだったりしますかね。
まさか霊媒師のバイトから凄いシステムの作成に繋がるなんて。
豊君は凄いと思ってたけど周藤君も凄い。
行動が的確といいますか。利益を出すのが上手といいますか。
Posted by ブクログ
「幽霊」を信じない理系大学生の主人公が、幽霊は普通に存在するという価値観を持つ霊媒師と出会い、「幽霊」について考えるなかで、人というものの存在、人と人の社会的関係について考えを巡らせる物語。
真面目で勉強はできるけれど、そのせいもあってか自分の世界観や思考の軸がハッキリとしている主人公は、どこか他者の心情を読み取るのが下手で、「人の気持ちの分からないやつ」と友人に言われてしまうほど、、、
そんな主人公が「霊媒師のバイト」として雇われるなかで、亡くなった人と今生きる人との関係に考えを巡らせ、
『人はみんな、誰かとの関係、会話の中で、自分の存在を社会に刻み込んできたのだ。』
と腹落ちしていく。
今まで亡くしてきた人、今生きている人たちに想いを巡らせることのできる一冊。
とても読みやすく3時間もかからずに一気に読んでしまいました。読後感はさっぱり、夏の少し涼しい風が吹く日にピッタリ。