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Posted by ブクログ
現実とは少し違う世界を舞台にした、理系大学生の青春SF。
前半は、お金もやる気もない男子学生が友だちと無謀な冒険をしたり、女子との出会いを夢見てはごちゃごちゃ考えたりする青春ストーリー。おバカ加減が息子とそっくりで思わず応援したくなった。
そして、自分は何がやりたいのか悩んだり、劣等感を抱えたり、後半からは青春時代ならではの葛藤や情熱、希望も描かれていてとても良い作品だった。
さらには地球が膨張して東京・大阪間が5000キロになってる不思議な世界。
メールを送るのにも時間がかかったりして、どこかノスタルジックな雰囲気もある。
そして柞刈さんの熱すぎないリアルっぽい友情青春ストーリーが大好き。
人間力あふれる篠崎と平叙文の宮原さんもとても良い。
『横浜駅SF』後の2作目だからか、面白いものを詰め込もうというノリノリの勢いも感じて、今回もたくさん笑った。
理系大学生の脳内や学生生活も垣間見れた。
「あとがき」までが楽しい。
本編を読み終わってから読んでほしい。
寂しいけど、これで『柞刈湯葉フェア』も終了。あとはBEST3を選ぶという、幸せな悩みが残っている(^^)
Posted by ブクログ
重力を司る重素の発見により、現実とは似て非なる発展を遂げた世界。大塚大学理工学部重素工学科に進学した僕は、一人暮らしを楽しんだり、友人とひと夏の冒険旅行に出たりする日常の中、一冊の本との出会いをきっかけとして、重素を用いないで空を飛ぶという「飛行機」なるものを作ることを決意する。
重素の過剰採掘により膨張化する地球や反重力を使用した航空機といった、かなり綿密に構築された世界観を、大学生の一人称の中で小出しにしながら明らかにしていくスタイルのSF長編。青春小説としても歴史改変SFとしても楽しめる作品。
時にユーモラスでありながらも、あくまで淡々とした筆致は青春の過剰さを強調しすぎない、平熱青春SFといった趣で評価が分かれるところかもしれない。
「飛行機」に主人公が唐突にのめり込んでいく様も、現実との接続を試みる作者の意図は分かるものの、少し無理がある気がした。
余談だが、作中で出て来る四国独立というモチーフから、ある名作を思い起こした。また再読したい作品が増えてしまったようだ。
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