黒星紅白のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ最終巻。前巻で起こった事件の解決編です。
アリソンたちの乗った列車が何者かによる攻撃を受け、ヴィルとストーク少佐は列車に積載されていた対戦車用ライフルで応戦します。そんななかベネディクトは、ストーク少佐に対する不信感を強めていきます。さらにイーエンがとつぜんアリソンたちに襲いかかり、アリソンとヴィルは身を守るためにイーエンに銃を発射することになります。騒ぎを知ったストーク少佐とともにテロル氏の客室に踏み込むと、彼はすでに自殺していました。
最後に列車がリリアーヌという町に到着し、全員がそろったところでヴィルの推理が披露されることになります。エピローグは、次世代のリリアとトレイズへの引き継ぎになっています。
ストーリーよりもキャラクターの魅力の方が勝っている印象の作品でした。とくに前巻と本巻では、それまで以上にストレートにヴィルへの好意を示すアリソンの魅力が印象的です。同じ著者の「キノの旅」シリーズに比べると、よくも悪くもライトノベルらしい作品だと感じました。 -
Posted by ブクログ
ベネディクトとフィオナが活躍した第2巻から、およそ4か月後の物語です。
ベネディクトの招待を受けたアリソン、ヴィル、フィオナの3人は、戦争が終わって敷設されたロクシェとスー・ベー・イルを結ぶ豪華鉄道の旅行に出かけることになります。ルトニ河に浮かぶレストキ島でアリソンたちはベネディクトと再会を果たしますが、スー・ベー・イルに向かう途上で列車の車掌たちが何者かによって殺される事件が起こります。
残された脅迫状から、犯人の目的は、ロクシェとスー・ベー・イルの戦争中に危険な商売で私腹を肥やしたとうわさされる富豪テロル氏を恐怖に陥れ、最後に殺害することらしいと判明します。ほかの乗客を危険から守るため、ストーク少佐、テロル氏とその警護にあたっているイーエン、そしてアリソンたちは、列車を切り離して先に出発することになります。しかしテロル氏やストーク少佐には、何か今回の事件に関わっているような気配がありました。
次の第3巻〈下〉が解決編なので、まだ物語の全貌は見えてこないのですが、とりあえず出足は好調です。アリソンの父親の過去が今回の事件に絡んでいるのも、読者のいろいろな予想をかき立てる仕掛けになっています。事件が起こるまでの助走がやや長いのですが、個人的にはこのくらいのペースがちょうどよいと感じます。贅沢をいえば、三分冊になってでも、アリソン×ヴィルだけでなくベネディクト×フィオナの方の絡みについてもう少し読んでみたかった気がします。 -
Posted by ブクログ
アリソンとヴィル、ベネディクトの大発見によって、ロクシェとスー・ベーイルの戦争が終結してから半年後の物語です。
ヴィルはアリソンに強く勧められて、イクス王国への研修旅行に参加することになります。ところが、旅行先に現われたアリソンに強引に連れ出され、壁画発見の「英雄」となったベネディクトと再会します。
アリソンとヴィルの二人はイクス王国の観光に出かけますが、とつぜんの吹雪によってゆく手を阻まれ、近くの村を訪ねることになります。一方、任務を抜け出してアリソンたちの後を追ったベネディクトも、やはりその村に住むフィオナという女性に出会います。ところが、ベネディクトが彼女に首都でおこなわれる演説会のポスターを見せたところ、彼女は自分を首都に連れていってほしいと、必死でベネディクトに懇願しはじめます。やがてヴィルたちは、十年前に謎の火事によって断絶したイクス王家とフィオナとの関係を知ることになります。
ストーリー自体はそれなりにおもしろく読めましたが、第1巻でいきなり戦争が終結したところからどんな物語が始まるのだろうか、という期待があったので、ふつうのストーリーで拍子抜けしてしまいました。 -
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ルトニ川と中央山脈によって隔てられたロクシェとスー・ベー・イルの二つの国は、長年戦争を繰り返してきました。ロクシェの人びとは「河向こう」のスー・ベー・イルを「悪の帝国」と呼んで憎んでおり、それと同じように、スー・ベー・イルでも「河向こう」のロクシェを憎んでいます。
ロクシェの空軍パイロットの少女アリソンと、いつも彼女に振り回されている幼なじみのヴィルが、両国の間の緩衝地帯に、戦争を終わらせることのできるようなすごい宝が眠っているというおじいさんの話に導かれて、両国にまたがる冒険へと旅立つことになります。
アリソンとヴィルが交わす洒脱な会話は、『キノの旅』のキノとエルメスを思い出させるが、そのぶん、こっちではキャラの作り込みが目立っています。あと気になったのが、アリソンに行為を寄せるベネディクトの登場にも、いっこうにヴィルが動揺しないことでしょうか。少しくらいはやきもきしたらどうかといいたくなります。 -
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「ポプラ通りの写真屋」フォトとモトラドのソウの物語も、軌道に乗ってきました。「フォトの日々「見えない真実」」と「フォトの日々「残されたもの」」と題された章では、写真によって傷つくひとがいるかもしれないという問題が、本作らしいストーリーのなかに織り込んで語られています。
もちろんさまざまな意見が出来する問題であり、フォトのくだした答えが唯一の正解ではありません。問いかけをオープンなかたちにしておくのも一つの可能性としてはありうるでしょうが、フォトのキャラクターを明確にするうえでは、一定の答えを彼女にえらばせたことは、悪いことではないと考えます。