“「なんだか分からないけどチャンスだよ!木乃!変身だ!」
エルメスがすかざす叫びました。
木乃もすかさず叫びます。
「うわああああ!私のドーナツが埃まみれっ!どおうしてくれるんだこのボケ!こらあ!そこのヘリ!降りてこい!ドーナツ弁償しろっ!今すぐ!」
「木乃っ!いいから変身!今すぐ!なう!」
エルメスだって、怒るときは怒ります。
「しょうがないなあ......。ごめんね、ちゃんと食べてあげられなくて......、ごめんね」
土埃の中でドーナツを諦めた木乃、それをドーナツ箱の前に静かに、まるで亡骸を横たえるように置いて(洗えばまだ食べられるかもしれないし)、右手を腰のホルスターに。
しゅばっ!と抜いたのは、そこに入っていた、一丁のリボルバーのモデルガン。親指でハンマーをカチリと上げて、右手を高々と突き上げて、左手は腰に、右足は少し曲げて、
「”フローム・マーイ・コールド!——デーッド・ハーンズ!ドー・ナツノウ・ラミー!ワス・レルカーッ!」
木乃が変身の叫び。なんかちょっといつもと違うけど。
同時に右手の人差し指に力が入り、ぱぽん、とモデルガンのキャップ火薬が小さな火花を散らしました。
光が、木乃を包みます。
来ていたジャージがはじけ飛んで、まるでベルトとホルスターだけ見に纏った全裸のような怪しいシルエット。詳しくは描かないから、何度一時停止しても無駄だよ。”
今回も面白かったー。
そして料理がおいしそう。
エリアス君格好いい。
“「遠慮しないでー!」
自身も二つめを食べている茶子先生に手渡されたのは、実に五つめの重箱。木乃の八つには負けてますが、それにしてもすごい量を食べきっています。まだ食べます。
「あ、ありがとうございます......」
受け取ったエリアス、食べる食べる。
沙羅はもうエリアスの大食いには慣れたので、何も言いません。朝もガッツリ食べてますしね。
夢中で食べていたエリアスが、
「......ん?」
ふと、自分の横顔を見つめる歌姫の笑顔に気づいて、
「.........」
その頬を赤くして、
「うふふ」
沙羅も、楽しそうに微笑みました。
イチャイチャカップルのその後ろで、
「せんせー!もういっちょお代わりー!」
主役が楽しそうに叫んでました。
この主人公に、春はまだ遠い。”