笙野頼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自由自在に飛び回る思考、巧みな仕掛け、それでいて美しい文体に圧倒されてしまう。夢とも現実とも似つかない世界でぷかぷかと浮遊する思考。突飛もないところへ時空移動する意識。止むことを知らぬ妄想。マグロ、海芝浦、富士、日本…オキナワ変換…まるで自分の頭ん中をごろんとそのまま文字に起こしたような、見知らぬ奴に思考をぐちゃぐちゃにされているみたいでなぜこの作家は私の頭ん中を語ろうとしているのだ、と疑ってかかりたくなる。東京からJR鶴見線で40分、出られない駅。それが海芝浦だ。東芝の敷地内にあり、東芝関係者以外は駅から出ることができない。この海芝浦、ホームのすぐ横が海だということもあり、駅のホームから釣り
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Posted by ブクログ
芥川賞、三島賞、野間文芸新人賞、三冠を一冊で読める、たしかにお得な本だった。本人の解説付きなのも良い。
「タイムスリップコンビナート」
意識の流れで書かれた、現実の中に時折混じる変なもの。マグロへの恋、謎の電話、大量に現れたおっさん、片面が海の駅。初めて笙野頼子を読むものだから、ただただ変な話だなーゼンエイテキなゲイジュツだなーと思いながら読んでいた。解説で若干腑に落ちた。
「二百回忌」一番面白かった話。トンチンカンな話で200年に一度の奇祭、時空が歪み蘇った者も一族が一堂に会し、でも会話をするでも親交を深めるでもなく、でも一族であることが分かる、その騒々しさと乱雑さといい加減さ。
「な -
Posted by ブクログ
この人の作品は…なんというか、自己主張が強くて読んでいて疲れますねぇ…まあ、何かしら目の張るところがあるので読み続けているわけですが。
ヽ(・ω・)/ズコー
特に「何もしてない」なんて自身の病気の症状を延々と語り出すものだから、何か闘病ブログでも読んでいるんじゃないかと錯覚してしまいました…。
ヽ(・ω・)/ズコー
好きなのは他の二編ですねぇ、タイムスリップコンビナート? もマグロとの恋愛に疲れて……みたいな書き出しが面白いと思いましたし、二百回忌は変なことが延々と起きているのに主人公はどこか飄々と、と言いますか、淡々と、と言いますかあまり動じていない風なのが面白いと思いました。
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Posted by ブクログ
ほんと書き殴ったかのやうな文章ですねぇ…難しい病気ですけれども、著者がなんとなく前向きですのでそこまで暗くならずに済みます…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
表紙の猫ちゃんがイイですね…! まあ、それだけ…と言ってはナンですけれども、うーん…これまでの著作にも言及されていますねぇ…。
実は著者…気が付かなかっただけでずっと「膠原病」だったような…そんな述懐をされておられますねぇ…その症状については何度も自らの作品の中に書いてきたとか…。
僕はまだ彼女の作品をあまり読んでいなのでなんとも言えませんが…まあ、著者のファンなら読まずにはおれないエッセイでしょう…! 多分…。
さようなら