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野間文芸新人賞受賞作「なにもしてない」、三島賞受賞作「二百回忌」、芥川賞受賞作「タイムスリップ・コンビナート」を収録。未だ破られざるその「記録」を超え、限りなく変容する作家の「栄光」の軌跡。
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Posted by ブクログ
こういう作品の纏め方って、あざといとも思う反面、潔いですね。いわゆる私小説になるんだろうけど、収められた三篇がそれぞれに違う雰囲気を醸してて、でも笙野頼子印がしっかり押されていて、読んでて気持ちよかったです。”二百回忌”に至っては、もはや完全にファンタジーだし、他の二編についても、電車移動とか皮膚科...続きを読む診察とかを軸にしながらもあちこちに妄想飛びまくりで、混沌世界観が満載。ただ単に意味が分からんだけと思えないのも、構成や文章の妙があってこそと理解。さすがの力作三部でした。
これ1冊で3作ってお得!と思い購入しました、というのも笙野作品は全体的に在庫がないのです(探す私の努力不足かもしれないけど)。 単行本の方より読みやすい感じ。「恋愛用マグロ」の描写が妙にリアルで若干のグロテスクさを感じさせる辺りが素敵。 一番のお薦めは『二百回忌』です。
笙野頼子は今生きている作家の中で一番面白いのではないでしょうか。ハードボイルドでオカルティック。我が憧れの作家。
受賞順に読んだ。全部同じじゃないかというところはあるけど、毎回面白いから全然問題ない。とにかく笙野頼子がめちゃくちゃ面白いことを知れてよかった。なんで売れないのかなあ?このあとの作品読んでない身で言ってもしかたがないが、この三つを読んで思ったのはどっか変なところに旅行にでも連れて行きたいよな。あと、...続きを読む町田康ってほとんど読んだことないけど、一番最初に思い浮かんだのは町蔵だった。似てないかなあ。2007.1.11
カニデシ、カニデシタ、カニデナイ、カニカモネ‥ 「二百回忌」が良かった。 可愛いな、面白いな。 大学時代を思い出した。 こんな風に純文学を楽しめる時間が、涼やかだった。 「タイムスリップ・コンビナート」がどうしても読めなくて、しばらく遠ざかっていたけれど、今回は「二百回忌」が良かったな。
これは面白いと言っていいのか、どこがどう面白いと感じたのか、何とも感想が難しいのだけど、特異な作品であることは間違いない。最も強く感じたのは、この著者は外部に対するより自分への興味がとても強い方なのだなぁということ。その程度の感想しか持てなかったというのはとても情けないのだけれど。 文中に描かれる...続きを読む視点移動が、知覚を呼び起こすのではなく分析的評価に直接結びつく様が、とても興味深かった。外からの刺激を受け入れるのに、都度評価を伴うのは大変だろうなぁ。自意識の壁がとても厚いのだろうなぁ。こういう人は生きるのがしんどそうだ。本作に登場する人物に悉く共通するそのような個性に同情する。でもこういう人って実際居るよね。
笙野頼子作品を人からすすめられたので、読んでみようと購入しました。三作品収められていて、どれも良かったのですが、「なにもしてない」が出色でした。皮膚科に行くのを日々先延ばしにするところが秀逸で、病院の診療時間を調べて保険証を準備して…その日はそれで終わりというあたり、「そうそう!」とうなずきながら読...続きを読むみました。母親の支配から逃れたいのに、母親が心配で実家に帰ってしまう、その葛藤もじれったいほどよく描かれています。 ほかに収められているのは「二百回忌」と「タイムスリップ・コンビナート」。前者は普段と逆の行動をとることが奨励される<イベント>を描き、女性が男性を投げ飛ばしてもOK、むしろよくやったと賞賛される…その意味ではファンタジーと言えるかもしれません。後者は夢と現実が交錯するような不思議な作品で、ある種けだるさのようなものも感じられました。
読んでいるうちに景色が回りだし、しまいには眩暈がしてくる。そういう類の小説。 これと似た印象の小説を思い出そうとしてみたが、草間弥生の『クリストファー男娼窟』あたりだろうか。 だが、あちらよりはだいぶ、感覚的じゃない。 いや、感覚は独特だが、笙野の場合そうした感覚はすべていったん反省の元に置かれ、...続きを読む感じている私というものを上から見た状態で、改めてそこに感情移入するというような、回りに回った経路を辿るようになっている。 読者としてそれに付き合って出口に出たと思ったら、入口からは想像もできない場所に出た、ということがままある。 だが、不思議と疲れるとか、面倒な印象はなく、むしろ軽妙でさえある。 今度はどこへ連れていかれるのだろう、というわくわくした気持ちさえ湧いてくる。 単純に、文章がうまい、というか、言葉の選び方がうまいのだろう。 このためか、「私」という一人称の語りで進む割に、女の情念のようなどろどろとしたものに絡め捕られて行くという気はせず、むしろそういう情念についてつい考えてしまうもう一段階進んだ状態で積極的に語るので、つねにどこからしら、諦めや冷静さがつきまとう。 確かに悲しんだり怒ったりしているのだが、それをどこかで見ている私、というものが常にいる。 笙野作品はこれが初読だが、これだけ読む限りでは、肉体では怒り狂いながら実はそれを面白がって観察しているような、どこか黒子のような作者というものがちらちら見えた。
好きだ。たぶん「何これ、わけわからん」と言う人が多いのだとは思うけれど私はけっこう好き。しっくり来た。 最初はこの著者の壮大な独り言のように連綿と続いていく文章に戸惑いを覚えるが、次第にそれがくせになってくる。単なる独語に留まらず広い世界の地面すれすれをかっさらって通ってゆくような気持ちよさ、自分...続きを読むがすくい上げたくて叶わなかった感情の群れを体現してもらったような爽快感を感じる。特に「なにもしてない」「二百回忌」が好き。 音読したくなる文章だ。ある種の詩などは音読している内に狂気へ昇華してしまう怖さがあるが、これは詩的な文章なのかと思いきやそうとも言い切れず、地べた付近でばたばたしている葛藤が生々しくて、そこがまた良い。 自らの言葉で語っていることがこんなにひしひしと感じられるとは、そしてそれがこんなにも心地よいとは。
「二百回忌」が面白かった。生きている者と死者の曖昧さ、時空の歪み、赤い喪服、確かにドキドキする。「なにもしていない」ナニモシテイナイワタシ。被害妄想が膨らんで動けなくなる。あとがきが笑えた。
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