笙野頼子のレビュー一覧

  • 未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の

    Posted by ブクログ

    ひとくせある文体で最初は読みづらかったけど、だんだん慣れて楽しめるようになった。これはエッセイ?私小説?他の作品はどうなんだろうなあ。

    0
    2015年05月31日
  • だいにっほん、ろんちくおげれつ記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    適当に手に取ったのだが、3部作の3冊目なのだった。ロリだのおんたこだの、火星人遊郭だのという世界観自体になんの注釈もあるはずなく、でもま、それなりに面白かったです。

    0
    2014年03月16日
  • 説教師カニバットと百人の危ない美女

    Posted by ブクログ

    ブスブスブス
    私はこんなに素晴しい女性なの!
    お料理だって、お掃除だって、家事はもちろんお手の物。
    それに言葉遣いだって美しいし、自分を常に高めようと努力しているの。
    美しいし、心根だって優れているし、あとは素晴しい殿方だけ。
    ね、なんで結婚できないのだと思う?
    それはね、あなたみたいなブスが、殿方を手練手管でたぶらかしているからよ、ね、いいこと、カニバット様のおっしゃる通りにしていたのよ、だから私は、

    哀れというのでもなく、可笑しいというのでもなく、ただただ呆然とする。
    ブスブスブスと連呼しながら頭に渦巻く疑問。
    それを結婚という幻想に覆い隠しながら、連呼する。
    そうでなければ自らの思いを

    0
    2015年03月18日
  • 説教師カニバットと百人の危ない美女

    Posted by ブクログ

    初めて笙野頼子の小説を読んだが、圧倒された。
    強烈なメタと攻撃的文体で独特のフェミニズムが書いてある。しかし実際はそんな生やさしいものではなく、罵詈雑言の暴風雨が吹き荒れる。勘弁してくれと泣き言をいっても止まらない。勿論それは自分に対して言われているのではないのだが、受け止めるのは自分(読者)の言語中枢である。正直疲れた。
    読む人を選ぶ小説だが、ハマったら相当に面白いものとなるだろう。

    0
    2014年02月03日
  • 笙野頼子三冠小説集

    Posted by ブクログ

    野間文芸新人賞受賞作「なにもしてない」、三島由紀夫賞受賞作「二百回忌」、芥川賞受賞作「タイムスリップ・コンビナート」の三編が収録。

    現実がベースにあるのに突如ありえない非日常が織り交ざり、終始不思議な感覚。空想的な表現というか、場面が頭で描きにくいせいかもしれない。
    掴みどころはないんだけど”しこり”を残していくような。初見では難しかったけど、また挑戦してみたい。

    0
    2013年09月05日
  • 増殖商店街 【復☆電書】

    Posted by ブクログ

    笙野頼子氏の作品を読むのは三作目。短編が5本。最後の、柘榴の底、以外は、著者の私小説(というよりエッセイ)かと思われるが、途中でエッセイとは違うというようなことが書いてある。ノンフィクションに近いフィクションなのかもしれない。ほかの作品と同様、観念と現実が入り交じっていて、難解。正直、途中三作はよくわからなかったなぁ。

    ●増殖商店街
    表題作。夢と現実を、お金という媒体を挟んで行き来している。増殖していく商店街は、欲望の増殖ではなく、「私」の不安の増幅の現れか。

    ●こんな仕事はこれで終わりにする
    猫の話。中身だけ見ると、なぜ私が最初の猫に異常といえるほどの愛情を感じていたのかちょっとわからな

    0
    2013年02月03日
  • 硝子生命論

    Posted by ブクログ

    人形とか少年とか。
    彼らはやっぱりそういう存在だと思う。生きてたらだめ。時間が止まってなくてはだめ。だから、硝子じゃなくても、硝子でなければならない。

    初めて読んだ笙野頼子やったけど、難しかった…。書かれすぎてて難しかった。
    それにしても、ぶさいくさんの気持ちが分かりすぎて心に刺さりまくったぞ…

    0
    2012年12月14日
  • 笙野頼子三冠小説集

    Posted by ブクログ

     わかったかわからないかと聞かれると正直わかってはいない気がするけど、嫌いではない。

     変な電話で連れ出されて海芝浦へ行くまでの、車窓から見える京浜工業地帯を夢現でスケッチしているような「タイムスリップ・コンビナート」がいちばん好きです。いきなりマグロ(のような何か)と夢のなかで恋愛している、という冒頭の期待を裏切らないヘンテコな小説でした。
     ホームの片側が海に面していて、改札口は東芝の工場の門に繋がっているから社員以外は出られないという「海芝浦」はいかにも架空の駅っぽいのに実在していたりとか、あくまで現実のこの日常の話なのに、「沖縄会館」を「沖縄海岸」と聞き間違えていきなり海へ連れて行か

    0
    2010年10月24日
  • タイムスリップ・コンビナート

    Posted by ブクログ

    共感とか理解とか、はたまたストーリー性がどうとか、そんなのたした問題じゃない。
    この文体とうねるリズムに身を任せて、異世界に連れてってもらっちゃえばそれでいいと思うんですよね。
    だってマグロがしゃべりかけてくんだよ!

    学生時代に初めて読んだ時、しばらく海芝浦のことが頭から離れなかった思い出が。
    実際に行きはしなかったけれど。。
    笙野様の世界に初めて触れた一冊です。

    0
    2010年09月07日
  • 片付けない作家と西の天狗

    Posted by ブクログ

     この人の作品は何を読んでも全方位戦闘的な体勢に恐れ入る。
     そして突き抜けた悪意が芸術に純化されるのだ。

    0
    2010年03月10日
  • 説教師カニバットと百人の危ない美女

    Posted by ブクログ

    つかみにくい話。
    ありえない話なんだけど、よくある話でもある。
    たとえばブス描写。ひとつひとつの描写がぜんぜんおかしくない。普通にみかけるコンプレックスや弱点や、そんな程度のものなんだけど、全部集まると大層な、でも異形じゃないただの外れ値になる。

    無知を恥じもせず人を責めるだけの妄言を吐きまくる説教師も、それを信じる美女たちもそう。
    こんな風にケッコンケッコン恋愛彼氏清く正しく美しく女らしく男オトコ!と思い込まされて、思い込まなければ生きていけないような人ってのはよく居る。
    「!?」「~しているっ」「でもでも」などの小技が利いた文体が絶妙にイラッっとくる。

    最初は笑いながら読んだ。風刺を他

    0
    2012年09月26日
  • 笙野頼子三冠小説集

    Posted by ブクログ

     「タイムスリップ・コンビナート」「二百回忌」「なにもしてない」の3つが詰められた短編集。作風としてはパラレルワールドの私小説といった感じ。特に「タイムスリップ~」は日常の生活でフッと頭に湧いた妄想をあちこちにちりばめつつ小説調にまとめられている。「二百回忌」は実際にありそうでなさそうな土地で行われる法事のイリュージョンだし、「なにもしてない」は妄想世界の私小説。そしてこの小説は、読む人をかなり選ぶと思う。文章はなかなかウィットが効いていて読みやすく、ユーモアタッチだけれど、その内容がもうぶっ飛び過ぎてついていけなくなる。3作の中だと「タイムスリップ~」は電話を通じた会話の中で思考があちこちに

    0
    2010年05月14日
  • 笙野頼子三冠小説集

    Posted by ブクログ

    むちゃくちゃーなはなし。
    だけど心惹かれる気もする。
    ほかのも読んでみる。
    二百回忌がいいかなあ。

    0
    2009年10月04日
  • 愛別外猫雑記

    Posted by ブクログ

    猫がそれほど好きではない筆者が、自宅そばにいた野良猫をいかに守り、また引っ越しまでして郊外で飼うことになったかを、感情のおもむくままに記した書。筋がまともに追えないところは、確かに「雑記」であるなぁ。ゆえに、彼女の周囲の人間に対する怒りが、文字と共にぶつかってくるので、読むのがつらかった。不愉快なのは「猫嫌い」だけではなく、「猫好き」でもある…確かにその通りだ。

    0
    2009年10月04日
  • 水晶内制度

    Posted by ブクログ

    ウラミズモという国名の語感が絶妙。いろいろな意味が重ねられていそう。
    この「きったない」国は、でも私の国でもあるのかも。自分の魂をどこにもない場所に置いていることの証として、魂のない人形と暮らしているということの意味が、少しわかるような気がするから。
    でっちあげの国家神話が個人の神話として血肉を吹き込まれていく過程が切実な美しさ。

    0
    2009年10月04日
  • 母の発達

    Posted by ブクログ

    これ、凄いです。なんか祝詞かなんか読んでる感じになってくるリズム感。シュールで濃い。
    娘の母親離れっていうのは確かに滑稽且つグロテスクだと思うんだけど、こんな風に腹蔵なく書いてしまうのも、凄い。

    0
    2011年06月12日
  • だいにっほん、ろんちくおげれつ記

    Posted by ブクログ

    笙野節って言うのだろうな。もう これでもかっこれでもかっと叩き込むように打ち付けるように言葉がほとばしる。国をお上を政治家を足元からバカにし尽くして笑いまく    …ってるんだよね。これはかなりの知的レヴェルを求められるな、読者に。無教養でノンポリなワタクシにはいささか難しゅうござります。

    0
    2011年08月01日
  • 幽界森娘異聞

    Posted by ブクログ

    ひと言でいうとよくわからなかった。森娘との言葉のセッション? 帯や解説にはそうあるが・・・読み終えた今は猫にはまった話、やったと思っている。おたく的、エネルギーでずんずんずんずんきて、スリリングで最後はどうなるんやろう、と引き込まれてしまった。とにかく不思議やった。これは何の話なのか?「そこは路地が全部生きている東京の小さい駅」には、納得。千葉に引っ越したらその対比がはっきりしたんやろな。
    それにしても頼娘、あの学校のどこにいたんやろう。

    0
    2009年10月04日
  • 水晶内制度

    Posted by ブクログ

    原発を国家の中枢として、日本政府に黙殺された女達の、闇から生まれた女人国ウラミズモ。亡命作家は新国家のため出雲神話を書き変えるが…。美男だけが生き延びる? 男性保護牧場。高校で飼育される
    「ロリコン」男の運命は?家畜人ヤプー、吉里吉里人、女と女の世の中、さかしま、古事記、熊楠論文、児童ポルノ規制法案等、古今東西の名作・迷作を友とし敵とした平成の「奇書」

    0
    2009年10月04日
  • てんたまおや知らズどっぺるげんげる

    Posted by ブクログ

    「この小説はフィクションでありここに登場する笙野頼子は架空の人物です」。
    そんな言わずもがななご注意をしなければまずいほど、純文学事情がセキララに語られる。
    バーチャル日本に跳梁する言語妖怪との果てなき戦い

    0
    2009年10月04日