あらすじ
原発を国家の中枢として日本から独立した女人国ウラミズモ。亡命作家は新国家のため創作神話を書くが……。高校では「ロリコン」男が飼育され、男性保護牧場では美男だけが生き延びる!? 家畜人ヤプーから出雲神話、児童ポルノ規制法案等、古今東西の名作・迷作を友とし敵として、自由も倫理も性愛もない女の楽園を描く平成の「奇書」。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
女尊男卑の物語(?)
複雑でした。色々と。内容と設定がいろいろあるわりに、読めばわかるのですが軽く(むしろおふざけっぽく)書いてあるので、なかなか好悪の分かれるところ。
『きったないフェミニズム』
『うわーっ』
『原発(原は違う字)』
この三つはポイント。
主人公の女性は、この国の神話を作る作業に携わる。……なんで、彼女の世話役が「ウカ」なんだよ……。樓主はパズルの花紡ぐ姫の名前を「羽佳」にしたのに(涙)ま、いいけど。
月都市と似たような雰囲気かと思ったのですが、保護施設のあり方も、制度も違いましたね。なんだか異様にねじくれていました。
説明のしようがないんです。綺麗なのに、おちゃらけて、下品なのに上品っぽくて、男性社会を風刺しながら、女を笑っているような。そんな作品。
子供の神聖みたいなものを言い出したりもしながら、残忍性も表に出して。
いろんな人にとって、読み心地の悪い作品じゃないのかな。樓主は勝手にこれに、「SPA!」的小説と名づけましょう。(あの雑誌は各週メイン企画で、たくさんの人間を貶しまくるから)
面白かったかどうかと言われれば、面白かった。ついていけない部分もあるけれど。
あと、表紙の絵がとても綺麗。タイトルもお気に入り。
耽美にも出来たのに、しなかったのはなぜか。作者に聞いてみたい気もする。
Posted by ブクログ
言わずと知れた笙野頼子。もうほんまに好き。フェミっていうか、もう見えてるね、世界の成り立ちとか、なんかそんなのが。確信的なフェミ50%、丁寧でリアルな少女漫画感覚20%、ヨゴレ系20%、その他、で成り立っている。一部、売春婦と普通の女の分断を指摘してるとこがあったような、なかったような。
Posted by ブクログ
ウラミズモという国名の語感が絶妙。いろいろな意味が重ねられていそう。
この「きったない」国は、でも私の国でもあるのかも。自分の魂をどこにもない場所に置いていることの証として、魂のない人形と暮らしているということの意味が、少しわかるような気がするから。
でっちあげの国家神話が個人の神話として血肉を吹き込まれていく過程が切実な美しさ。