汐見夏衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「夜更けに会いたくなる人は、体で恋うるだけのただの欲望の対象。夜明けに会いたくなる人は、心で愛している永遠の恋人よ。」
本文に登場する中でいちばん好きな言葉。
つまり、「月が綺麗ですね」に似た隠れた愛の告白を体現したようなもの。
かなり高評価されている作品だと思っていたので、号泣できると期待していたけれども、涙は出なかったな...。
でも、汐見先生の表現のバリエーションが幅広くて、空の彩も、絵の表情も、想像がしやすいし、コロナ禍前にマスク依存症に着眼点を置いているのも凄いと思う。
野いちご文庫の世界観を最大限に反映しているのがすんごい伝わってきた。
私も「夜が明けたら、いちばんに君に会いに -
Posted by ブクログ
“生まれてはじめて私が愛した人は、特攻隊員だった。”
戦時中の日本を主な舞台としているので、恋愛小説とはいえ「戦争の悲惨さ」「理不尽な爆撃や銃撃」「愛する者の喪失感」「素直に生きたいと願う心」「愛国心」などが鮮明に記述されており心を痛めました。
平和な時代から悲惨な戦時中にタイムスリップし、当時の人々と百合の価値観が一致するはずもなく葛藤する場面には共感しました。
(天皇や国・家族の為に命を落として国を救うことを誇りだと思う又は思わなければならない時代の人々に戦争の結末を知っている百合が「特攻など無駄死にと同じ」「特攻なんかしても負ける」と説く場面には憤りを感じましたが…)
自分が当たり前 -
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Posted by ブクログ
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』とその続編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の登場人物たちのそれぞれの感情や生き方を知ることのできる短編集です。
タイトルが『あの花が咲く丘で、~』のAnotherとなっていたので、『あの星が降る丘で、~』の前に読んでしまいましたが、内容を見るに『あの花が咲く丘で、~』と『あの星が降る丘で、~』の両方を読んでからの方がよかったかもしれません。もう少し間をあけずに読めばよかったと思いつつ、時間が空いてしまったので前作を思い返しながら読みました。また、今作は映画版のストーリーとも絡む部分があるそうで、原作だけでなく映画を読んでからでも楽しめる -
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Posted by ブクログ
ネタバレあの花が咲く丘で君とまた出会えたらの続編
あの星が降る丘で君とまた会いたい
ヒロイン百合がタイムスリップから戻り、
亡き人 彰 特攻隊で亡くなったの影をいつまでも追う日々のところに 引越したばかりの涼と会う 彼と会った瞬間、百合はあきらの生まれ変わりと悟が、本心を彼に話したところ、涼は、昔の男 彰に嫉妬してしまい、6年以上関係を離れてしまう。
ある日、あることがきっかけで涼は原爆博物館に行き、彰を知ることになるが、それは覚えてはないが、書いたことがある彰の手紙を見てしまう。
涼は、また百合と連絡をとり始め、関係を修復しようと試みる。 -
Posted by ブクログ
映画のポスターで見たことあるなと思っていた本を中学生の姪が持っていたので貸してもらいました。
割とシンプルな話の展開で、読みやすく、漫画を読んでいるかのような感覚になり、ティーンズ向けの小説に感じました。
戦争の小説や映画は苦手だけれど、やはり読むと当時の様子について知ることができる。
主人公ふたりについて幼く感じるところが多々あったけれど、それはそうだ、まだ百合は中学生なんだから。そして特攻隊だといえども、まだ彰も20歳なんだから。
20歳で国のために死ぬことが光栄だと、そう洗脳させた戦争が怖い。
そして今がどれだけ恵まれているのか、百合だけでなく、大人でも気づけていないことが多いのではな -
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