樋口裕一のレビュー一覧
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読書を「実読」と「楽読」の2つに分けて説明している。
「実読」は、情報や知識を得るための読書で、主な対象は実用書。紹介されているテクニックは、精読の本と多読の本を分ける、飛ばし読み、斜め読み、などである。
「楽読」は、ただ楽しむための読書で、主な対象は小説やエッセイである。紹介されているテクニックは、精読よりも繰り返し読み、だんだんと守備範囲を広げる、評論も読む、などである。
著者は下記のように、この両方の読みかたが必要だと説く。
この二つの読書の両方があってこそ、人生は豊かになる。片方だけでは、情報を追いかけるだけの味気ない人生になるか、それとも、浮き世離れした趣味人で終わってしまう。(p12)
全体は3部構成で、第1部が実読の方法。第2部が楽読の方法。第3部は、「私の読んできた百冊」と題した読書案内となっている。
私は、読書術の本を何十冊も読んでいる。
読書術の本によく書かれているのは、以下の4点である。
1.読書の効用(読書のすすめ)
2.何を読むか(本の選択)
3.どう読むか(読書術)
4.アウトプット(情報発信)
このうちで、本書では、どう読むか(読書術)が主体である。アウトプット(情報発信)についても書かれている。
読書術の本を、たくさん読んでいくと、初めて見るような考え方やテクニックに出会うことは稀になっていく。説明の仕方や、呼び名は異なっても、ほとんどがどこかで読んだ内容となっていく。このような理由で、私は本書から新たに得るようなものはなかった。
だからといって悪い本とは言わない。内容は悪くないし、樋口氏の文章はいつもながら読みやすい。読書入門者にお勧めの内容だ。 -
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人は誰しも死を避けられない。それなのに死に直面すると嘆き、恨み、取り乱してしまうのが凡人の常である。そんな凡人に「死の教養」を説く。古今東西の賢人たちの死に様を学び妻のごとく泰然と死を迎える心得を教えてくれる。
実際には身近な人を亡くした時人は簡単に教養どおりには振る舞えない。嘆き悲しみ、抜け殻のようになるのが現実だ。
それでも故人の生き方や死にざまに目を向けることで自らの生を見つめ直すことができる。死は終わりではなく生を深める契機となる。
凡人であるがゆえに完璧にはできない。それでも泰然とした死を目指し、日々を大切に生きることこそが、あっぱれな最期へとつながるのかもしれない。
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「文型」に特化した文章術の本。
対象はビジネス文章。例文はすべてビジネス文章である。
本書で核となっているのは、第四章の「説得・主張が得意になる『黄金文型』」。
そこで挙げられている黄金文型は下記の10個だ。
【1】結論からお伝えします
【2】確かに・・・しかし・・・
【3】理由は三つある
【4】その背景にあるのは
【5】そもそも○○は、・・・しかるに・・・、それゆえ・・・
【6】具体的に示すと
【7】つまりまとめて言うと
【8】このままでいくと、その結果・・・になる
【9】○○と思われているが、実はそれは大きな間違いだ
【10】まったく別に見えるが、実は共通点がある
確かに、このような文型を使えば説得力は増すだろう。しかし、ビジネス文書としてはどうか。読み手は小論文を読んでいる錯覚に陥るのではないだろうか。また、説得力が増すということは、言い換えると言い方が強いということだ。そのため、力わざでねじ伏せようとしている印象を与えてしまう。ビジネス文章であれば、もっと簡素で端的の方がいい。
やはり樋口氏のテクニックは小論文向きだ。したがって、ビジネス文章を学ぶ目的であれば、類書にあたった方が良いだろう。
樋口氏は文章術の本をたくさん書いているが、本書はレビュー件数が少なく、品切れ・重版未定状態である。結局のところ、反響が少なく、市場にも受け入れられなかったようだ。 -
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ネタバレ・行けたら、行きます……上から目線にも捉えられる
・仕事をやらさせていただきます……「さ入れ」表現
→「ら抜き」は,けっこうわかるんだけど「れ足す」と「さ入れ」は苦手です
・なにげに……なにげなしにが正しい.本来の意味と違う使われ方をしている言葉
→ほぅ?
・教えてもらっていないから、できません
→近頃自分がこれになっている気がする.「最初に自分で調べて、わかろうとする努力は、無にならない。」とあるので頑張ろうと思った
本質じゃないけど,JOAKとかJOBKとかJOCKがNHKの放送局の符号と書いてある文章があって,確かにラジオ番組終わるときにそう言ってると思った. -
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古本で読んだ。
お馬鹿さんの特徴的な話し方や話の内容を40挙げ、それぞれにこうするべきだとか、そんな人にはこういう姿勢で対しようとかが書かれている。
どの例も、そんな傾向の人はいるにはいるなとは思うが、やや極端で、かえって参考にならないのかなとも。話し手の頭の悪さを強調しておかないと、この手の本の筋が通らないからかな。
しかし「教養とは、自分とは別の価値観も許容するということ。自分だけの狭い価観にとらわれず、別の価値観を理解し、広い立場に立って判断できるということ」、「賢さとは分析力」は、確かにだな。
あと、カタカナ言葉をやたら使って、あなたとはレベルが違うんだよ、を匂わす人の例題もあったが、これはテレビを賑わす自称評論家の面々が当てはまるように感じた。確かに良い印象は持てない。
読書をする人にはこんな人はいないだろう と言うのが、私の結論。 -
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人は誰しも口癖を持っている。勿論自分でそれが口癖だと気づいてるケースは少ないと思うが、部下と1on1している際にもそうした口癖を必ず聞く瞬間がある。私はそれを聞き逃さないようにして、この言葉が出れば大丈夫だろう、少し支援や説得が必要な時だな、と次のアクションを決める際の判断材料にしたりする。聞き上手という言葉があるが、いつも賑やかに議論し、うまく回っているチーム、成果を上げ続けているチームは大抵の場合、上司がそういった聞き上手な人間で、部下の話をしっかり聞いており、飲み会などで部下の話になると、その分析力に舌を巻く事がある。忙しい最中に切り詰めて時間を作って、合間合間でやっている部下とのコミュニケーションの場だと、内職しながら聞いてしまうケースもあり、そういった部下からの重要なサインである口癖を聞き逃してしまう事がある。以前の私はそうだったが、チームマネジメントに悩んだ頃に、話に集中しようと改善した経緯がある。その中で沢山の口癖があることにも気付いた。
本書はそのような口癖から、いったい発言者がどの様な意図や思考でそれを口に出しているかを解説している。大きくはマイナス面、プラスの面のいずれかの背景や事情があるが、本人が経験してきた過去からの状況が、そうした発言(口癖)を生み出していることに気づく。当たり前ではあるが、失敗ばかりを繰り返し、周囲からも中々認められないなど、苦い経験が多ければ、性格も卑屈になったり極端に怖がりになる。逆に理由は何であれ、ある程度の実績を常に作りながら、褒められたり持ち上げられたりする経験が多いと、多少なりとも自信に満ち溢れ、行き過ぎると天狗になった様な言い回し(口癖)が出る事が多い。意外にも前者なら勇気づけたり、自信を持たせる様な言葉がいくらでも思い浮かび、ある意味楽なのだが、問題は後者だ。上手く行ってる状況だったとしても、決して本人だけの能力ではないし、周囲への感謝も忘れているような場合は、それを気付かせるのは難しい。やり過ぎると思わぬ批判や、予期せぬモチベーションダウンを招くこともあるからだ。私の部下にも、自分に絶対的な自信があり、周りが止めても会議で自論を展開したり、反論にあえば、反論した人の考え方を悪く思ったりしてしまう者がいる。その部下の口癖や話し方も把握しているが、いかにもロジカルに考えているかのような、「つまり」や「従って(よって)」を多用する。実際の中身は話が飛躍的だったり、途中の解釈が自分の考え方一本で決定してしまったりと、問題が含まれている事が多い。少なくとも、その部下との1on1では、「つまり」がでたら警戒している。
本書を読むと私にも、例示されている言葉と似たような口癖がある事に気づく。凡そ発言の背景にある考え方も一致する。私自身も部下や上司から分析されているだろうから、注意しなければならない。何より、その言葉がマイナスであれば、発言に至った自分の思考から改善しなければダメだ。人の批判ばかりしていられず、先ずは自分からだ。言霊という言葉があるように、音として口に出せば、それが誰かの耳に届けば、受け取った人間はその言葉をベースに、発言者の性格や人物像を形づくる。
あの人はこんな人間だ、こっちの人は素晴らしい人だ、というように多くの場合は、その人が知り得た情報を整理して各々勝手に描いてるものには違いない。然し乍ら、そう思っていたら、実は口癖でついつい出てしまった言葉を聞いた事で、180度違った評価に変わることもある。実はそういう人間なんだな、と勝手に決めつけられないようにしたいが、案外マイナス面はよく気付かれ、印象に残りやすいのも事実である。だから、余計に口癖には気を付けたい。
本種の後半で、自分を勇気づけたり奮い立たせるための口癖も多く紹介されている。嬉しい事に、自分がよく使う言葉もそこに多数載っていた。長生きしただけあって、私の中にも少しは筆者に近い思考が身に付いているのかもしれない。自信のない人、周囲からの評判に悩む人、他人の目ばかり気にして前に進めない人、失敗して次の一歩が踏み出せない人、部下を持って関係性に悩む人。人は様々な状況に置かれて今を生きているだろうが、本書にはそれを解決するヒントがあるのではないかと感じた。