大高忍のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新世界が大きく動き始めた32巻である。ユナンとアルバの対決から始まったこの巻は、加勢したアラジン一派の強さを強調した一方で、後半からはアリババとアラジンらの邂逅、そしてシンドバッドとの対話が描かれている。
ここに来て急速にカップリングが整理され始めたのは少し驚かされた。こうして種々の恋愛模様を構築するのは女性作者らしい部分ではあるが(男性作者はサブキャラはおろか、メインキャラの恋愛すらほったらかしの場合が多い印象だ)、我々読者から言えるのはアラジンに倣って「白龍どんまい」である。
しかし、今の新世界編が最終章と明言されている以上、ここでのカップリングの整理は、いよいよ物語も佳境に入ってき -
Posted by ブクログ
11巻ではエリオハプトに出現したゼパルの迷宮を攻略する物語となっている。本筋はアールマカンとシャルルカン兄弟の王位継承問題に従って展開しているが、漫画としてみれば、本編では長らくご無沙汰となっている迷宮攻略が描かれている点がやはり肝要だろう。
そうした意味で言えば、精神に作用するゼパルとの対峙は、迷宮的な面白さを損なっている一面が否めない。せっかくの迷宮なのだから、きちんと迷宮としてのギミックを楽しみたかったが、ここではシンドバッド配下のキャラによる対戦が描かれた。これは別に、迷宮でなくとも描ける物語ではないかと思うのだ。
描写の質などは、これまでよりも高かった印象が残っているが、そうし -
ネタバレ 購入済み
やっぱり生きてた
アルバさんの現在地が発覚。
生きてるとは思っていたけど、まさか白瑛の中にいたとは…
玉艶戦で、玉艶(体)が殺された瞬間に中にいた人って、もしかして白瑛?……と考えて青ざめた。もしそうなら、辛すぎる。
そして、ようやくアリババ君も復活。
せっかくモルジアナと両想いになって、脱非モテしたと思いきや、新世界では貧乏舌とイジられる愛され主人公。
紅炎が目指した社会主義の国や、シンドバッドの創る資本主義の世界を見て、アリババ君がどう考え何を選ぶか楽しみ。
次巻では、紅玉に会うようなので、復讐心から解放して欲しいけど、どうなるのか。 -
Posted by ブクログ
奴隷編を終え、建国のための国土を求めて暗黒大陸へと向かう一行を描いた十巻である。今回は、エジプトがモチーフだろうエリオハプトでの物語の序盤が収録されている。
あくまでスピンオフとして見れば、描かれている物語は前日譚として悪くはない。本編ではなかなかできない類のキャラの掘り下げを行い、本編の補足を行っていく。バルバッドの王子二人やアリババなど、在りし日の彼らの姿が確認できる意味で面白いのは面白い。
ただ、一方でこの物語そのものを単体で見ると、どうしても本編と比べてしまい、評価が下がってしまうところがある。たとえば前半部の奴隷から解放されたシンドバッドを皆が歓待するシーンなどは、次から次へと