大高忍のレビュー一覧
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今回はササン王国編とアルテミュラ王国編の冒頭を載せている。
ササン王国編については少し評価が難しい。このテンポの良さは好ましいところだが、それだけに先行きが予想されるミストラスに対する感情移入の度合いが相当薄いし、シンドバッドと騎士王の対決もかなり強引になっている。第六迷宮攻略の際も思ったが、シンドバッドの冒険は物語上かなり強引さが目立つ。これは言い換えれば、展開の妥当性を欠いているとも言い換えられる。
強引な手法、という点で第六迷宮はまだしも良かったのだけど、今回は強引かつ身も蓋もない恫喝外交であり、これはさすがにどうかなと。シンドバッドの強さは(最強の主人公を描く際に出てしまうような -
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5巻はレーム帝国での起業と、同時にバルバッド国王との邂逅編である。巻の終盤には本国に姫を攫いに行ったドラコーンの物語が描かれている。
全体的なテンポは良いが、紹介設立の辺りにギャグを絡めたのはちょっとどうなのだろうと思わなくもない。結構物語的には重要で、劇場での公演なども含めて彼の成り上がりがよく描かれているところなのだけど、まとめると紹介を設立して鼻高々のシンドバッドというシーンになってしまっている。いや、悪くはないのだが、うーん。
この辺のことも考えつつ、今回は星四つ。
物語は幅を広げ始めているが、これが物語をどう動かすのか注目したいところだ。 -
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マグノシュタットとレーム帝国の開戦編である。おぞましいほどの狂信者である学長と、おそらくは同じ程度に強烈な信念を持つだろうシェヘラザードの対決は、凄惨な結果を生むことが容易に想像できる。そこに煌帝国も軍勢を率いて進軍しているのだから、これは地獄絵図だ。
それにしても、マグノシュタットにしても魔法の心理にたどり着いているのではない、という点には少し驚かされた。物語上は重要だが、世界観設計においてはあまり意味のない魔法使いに関する学長の意見は、ほとんど煽動に過ぎない内容だった。
そのおぞましさについては162話できちんと描かれているが、ここがおそらく学長のアキレス腱だろう。それを予感させる巻 -
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今回は、表紙の練紅炎とは関係なく前編でマグノシュタット編が展開されている。人口三十万の都市に隠された真相について、そしてそもそも魔法使いとはどんな存在なのかを開陳するところで物語は閉じられている。
今巻で活躍しているのはティトスだろう。レーム帝国のシェヘラザードから派遣された魔法使いだが、激情タイプの性格はこの状況に対して難しい対応を求められている。シェヘラザードとの対話を思うに、次の巻ではさらに難しい立場となることだろう。
それにしても、ここでマイヤーズ教官が活躍することになるとは。良い使いどころだろう。
今回は星四つ半。次回、非常に重要な設定開示が待ち受けているだろう。楽しみにし -
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マグノシュタット編開幕の巻である。この巻でいきなり風の魔法を得るアラジンであるが、この辺はさすがの展開の早さである。
同道した練紅覇に、同室のスフィントスと、物語はシンプルに進みながらもこれからを予感させるような展開を絡ませての開幕。本当に達者でいらっしゃるなと。
白龍との決別もそうだが、一つ一つの展開に意味があり、無駄がない。その過程で開陳される設定も適切な分量と内容であり、それでいて物語は無理なくスムーズに進行しているのだから、大高さんは稀有なストーリーテラーだと改めて思うところだ。
とはいえ、今回はあくまで開幕の巻。重要な設定の開示はあったが(この世界の魔法の分類や、練紅覇の人 -
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今回は旅立ち編とでも称するべきだろうか。シンドリアでの出来事も一段落し、アリババ以外の二人がこれからの行く道を見つけた形である。
マグノシュタットについては、八人将のヤムライハに加えて前回ドゥニヤの因縁が加えられたことで物語的に注目度が上がっていたわけだけれど、そこにアラジンが乗り込む、というのはさすがのテンポ感だろう。アル・サーメンとの繋がりも示唆されているし、アル・サーメン自体がソロモンとの繋がりを示唆する今巻から察するに、対立構造がより明らかになるだろうことが予測される。
ところで、ちょっと意外だったのが、白龍の件が今回事件を引き起こしたところである。もう少し引っ張るかな、と思って -
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今回は迷宮攻略&師匠方の無双編。これで簡単に終わったとは思われないが、何しろ強い師匠方であった。
物語的には、練白龍に加えられた最後の一撃が重要なポイントとなるだろう。最後のおちゃらけ漫画での示唆といい、もしかすると今回の迷宮攻略編において最も重要なシーンだったかもしれない。
どうでもいい話であるが、迷宮攻略当初のアモンのキモいアレがもっさんのことを言ってたんだなと、今回の巻末漫画でようやく気付いた。我ながら鈍い話である。
今回は星四つ。
個人的には、ドゥニヤが救われたのはめでたい。使い捨てにするにはだいぶ気合が入ったキャラであったし、魔法使いでマグノシュタットとの因縁持ちというの -
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今回はアリババの過去の経緯が明らかになるとともに、バルバッドを影から支配する勢力との対峙編である。より正確に言うと、対ジュダル緒戦である。
物語はシンドバッドとジュダルを取り込むことで、より複雑な色合いを帯び始め、なかなか一筋縄ではいかぬ様相をもたらしつつある。霧の団の幹部三人が姿を消した件はそっと触れられているが、物語上重要なターニングポイントだ。
対ジュダル戦が今回で片が付くようなものでないことは容易く読み取れるし、次巻からの展開が楽しみなところである。
間に挟まる巻と言えるような内容であり、元からの密度を思えば星四つ半相当かなと評価した。 -
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ネタバレ煌帝国篇に入りましたね。
しみじみと、アリババ君が立派になったなあ、と涙が出てきました。
彼の決断は自罰的すぎるきらいがあって、見ていてかなしくなってきます・・・
一方、これまでフェードアウトしていた白龍とジュダルにスポットが当たりましたね。
「怒り」を抑えられないという二人の考え方は理解できない。ことによっては純粋すぎる、という表現になるのかも。
ただ、怒りをすべて誰かにぶつける、ということはつまり、自我をどこまでも肥大させていくということにほかならず、それが満足ゆくまで行き渡るには、一度全てのものを壊してしまい、全く自分のものにしてしまうしかないわけで。
そして荒野でやっと安心するの