大高忍のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ煌帝国決戦の後始末と、そしてアリババくんの復活巻です!
前の巻までが重苦しく救いのない展開だったのと対照的に、
この巻では登場人物のそれぞれが進むべき道を定めているせいか、妙に清々しいですね。
白龍は、紅炎を殺さないという決断を。
アラジンは「ただ一人違和感を持つマギとして生きていたい」という決断を。
モルジアナは「アリババを殺した白龍を見ている」という決断を。
正直、白龍くんは、恨みをいだいて飲みこまれているうちに変質してしまっているということも気付いてるんだろうなあと思っていましたが、気付いてませんでしたね。
皇帝になってどう変わったのか、そしてなぜ失踪したのか、ここが空白の二年間。
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Posted by ブクログ
煌帝国編の後始末が行われて、物語はとうとう最終章に突入している。様々な因縁を抱えながら展開する物語は、2年後を舞台にしてどの方向へ進むのか、定かでない。
注目すべきは、ついにその姿を見せたアルバと、復讐の道に囚われた練紅玉。物語は彼女らを舞台に引き上げており、最終章においても重要な役割を与えることだろう。
それにしても、最終章の主役はアリババが務めることになるのだろうが、引きが「友達として紅玉と正面から会う」というのだから、本当に心憎いところだ。
練白瑛の活かし方や脇役極まりないブーデルなんてキャラの使いどころも含めて、本当に無駄がなく、展開に無理もない。それは社会の図式の描写におい -
Posted by ブクログ
いま最もハマっている漫画。
MXのマグノシュタット編からアニメから入ってコミックで復習して今に至る。
作者の、伏線張りつつも後ほどきちんと回収していく姿は非常に好感が持てる。どんどん広がる重層的な物語、そして展開が速い速い!アニメだとカラーで躍動感とスケール感すごいし緊迫感のあるBGMも相まって一話一話が濃厚なんだけど、コミックだとあんな大事なシーンがサラッとしていて無念。
また、価値観の違いや正義の定義など至極真っ当なテーマ設定でグサッとくる場面もある。汚れちまった大人向きだなあと。
あとは単純にジュダル×白龍、アリババ×アラジンを妄想しています。ほんと最低。汚れちまった悲しみに。 -
Posted by ブクログ
凄惨な一騎打ちにピリオドが打たれた27巻である。詳細は伏せておくが、互いに痛み分けと言ったところだろうか。だが、あまりに酷い痛みが物語を苛んでいる。
この辺の容赦のなさは、さすが大高さんと唸るしかない。ちょっとカバーにネタバレが含まれているが、そちらでの展開にしても、別の意味で容赦しない大高さん。いや、うん、好きですけどね、そういうの。
物語は東西に分裂した煌帝国が全面的に衝突する、その開戦の模様でクローズされている。この展開も、マグノシュタット編のようにかなり巻数を取られることが予想されるが、さてどのような凄惨な戦いが描かれるのやら。恐ろしいような、楽しみなような。
今回も楽しませ -
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ついに立った練白龍の物語である。すでに報せにあるように、練玉艶は討ち取られる(あるいは敗走させられる)ことが確定した物語であるが、それにしても玉艶の強いのなんの。
こんな化け物をどう打ち倒したのか、次の巻が待たれるところである。おそらく、アラジンたちとは違ったベクトルにせよ、仲間の力によって勝ったのだろうと予測されるところであるが。
アル・サーメンとは違った勢力として、世界を破壊しようという練白龍。彼を助け出すと言ったアラジンたちが、果たして壊れてしまった彼とどう対峙するのか、楽しみだ。
ここでは星五つと評価したい。憎しみにまみれながら前へと進もうとする彼らは、アラジンたちと対比する -
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20巻ではマグノシュタット編から引き続く、各勢力が一堂に揃ってのアル・サーメンとの総力戦。ひとまず勝利に終わったものの、力では押し切れなかったという恐るべき戦いが披露された次第である。
その中で、学長が最後に遺した言葉は、もしかすると大きな意味を持つかもしれないところだ。相手が無尽蔵にエネルギーを吸収する化物である以上、その力の無効化は大きく意味を持つところだろう。
と、まあそんな風にこれからの展開を想像するところであるが、このマグノシュタット編完結巻は非常に美しく締められた。練紅炎とシンドバッドの両雄邂逅もあり、時代は大きく展開している途上にある。物語のダイナミズムが大きく描かれている -
Posted by ブクログ
立て続けに物語が展開する15巻は、三人の進捗がするりとわかる恐るべき手並みであった。ここに煌帝国の崩御により姿を見せた玉艶と、レーム帝国のマギ・シェヘラザード、謎めいたマギ・ユナンの顔見せまでやってのけるのだから、本当に恐ろしいほどの手並みである。
三人の活躍を分割しながら描く手法はよくよく見かけるが、そうするとどうしても物語のテンポが乱れるし、それぞれの文脈ごとに物語が分断してしまって一つの物語として描きづらくなる。
それを、全体的な流れを加えながら物語を受け渡しながら物語るのだから、本当に恐れ入る。元々達者な方だとは思っていたが、この巻では特に感じ入った。物語とはこうあるべきだろう。 -
Posted by ブクログ
今回は、それぞれが旅立つ直前の対海賊戦。またタチの悪い敵が出たものである。この辺の厭らしさと、そこに登場人物の過去を組み合わせる手並みはさすがのところだろう。
一冊を丸々使って、これからの魔法を中心とした物語(となるだろう)マグノシュタット編の下ごしらえをする辺りは、人気作の余裕だろうか。もっと多くの作品がこれくらい丁寧に物語を進行させられれば、とも思ったが、大高さんくらいに構成力がある方でなければどのみち意味はないか。
今回はギャグの切れ味を評価して、星五つと評価した。それにしても、アリババの童貞キャラはどこまで続くのだろうか。たぶん、どこまでも続くんだろうなあ。