大高忍のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ偽りの歓喜に満ちた世界の滅びが始まった36巻である。いよいよこの長大なシリーズのクライマックスだ。
シンドバッドを含めた聖宮に集う彼らの中で「別次元の神々との同盟」というプランが本格化する中、そうした運命を認めないダビデの反撃から世界はルフへの回帰に向かう。
ここでの描写は、おそらくはキリスト教における黙示録などを模したものだろうが、偽りの歓喜に踊らされる人々と、そんな人々の魂を刈り取る天使と、その両者と対峙せざるを得ないアリババとアラジン。聖宮ではシンドバッドとダビデが相争う中、アラジンをダビデの本体へと送り出したアリババは国際同盟の金属器使いに包囲される。
そんな佳境で物語はクロー -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の核心を突く35巻である。対立する考えを持つアラジンとシンドバッド、異質な考えを持つアルバ、そしてそれらの考えに意見できるウーゴが論を争い、世界をどうすべきか論議する物語となっている。
ゼパル、フルフルと進みゆく迷宮攻略は、かつて死んでいたアリババの体験告白によって様相を様替えし、主役はシンドバッドからアリババへと移行する。
現状をつまらない茶番だと思い「早く終わんないかなあ、これ」(P.83)とこぼすアルバも、アルマトランの人々と復活を試みたアリババの体験には耳を惹き、どのような結果であれその結末は「うんざりだ」と断ずる彼女へとアリババは希望を提示している。
まさしく主人公の振る -
Posted by ブクログ
ネタバレシンドバッドが支配する聖宮へと突入する34巻である。
シンドバッドによるルフの変換により、世界の人々はルフへと還ることを熱狂的に支持している。「今から逃げるな!」と諌言したジャーファルでさえ例外ではない。
その狂気に染まらないアリババとアラジンは聖宮の攻略を決意した流れだ。
ここでは主人公勢の男組というべき、アリババ、アラジン、白龍、ジュダルの四人(と拠点防御担当のネルヴァ)が聖宮へと突入しているが、ここに来ての「七つの迷宮を攻略せよ!」という本領へと立ち返る物語構成は見事の一言である。
シンドバッドの支配下にある玉艶の誘導に従い、かつてシンドバッドが体験した過去が模られた迷宮世界を -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界を次なるステージへと導こうとシンドバッドが聖宮を目指す33巻である。
前巻の引きである国際同盟からの離脱を宣言する煌帝国の紅玉の姿から始まった物語は、レーム帝国や鬼倭の同調を経て、シンドバッドに決断を迫っている。
力を失ったアルバの誘いと、その誘いを断つべく諌言するジャーファルの言葉を得て、シンドバッドは聖宮行きを決断している。
そこでの一幕は、シンドバッド、その陰に隠れていたダビデ老、そして聖宮の番人であるウーゴによる丁々発止の争いだが、そこでの勝利を経てシンドバッドは世界を変革することに成功する。
突如として同盟からの離脱を中止する紅玉やムーの振る舞いに違和感を覚えたアリババ -
Posted by ブクログ
ネタバレついにアラジンとアリババも、シンドバッドと激突!
ここでアリババの死んだ後のお話も明らかになって、また一つ話のスケールが大きくなった。縦横の壁を全部壊して死後の世界も繋げる…すごいな…。
アリババはまた一皮剥けたというか、自分の強みをはっきり認識してシンドバッドと対等以上に話をしているのがすごい。確かに、古今東西探しても死んでから生き返った人間はいないよね(笑)
ただそんな中で思いついた作戦を話しつつ、アラジン、シンドバッド、アルバ、ウーゴを巻き込んで議論を展開し、より良い作戦を生み出しているのが本当に出来る男だなと。
結局シンドバッドもアリババのペースに巻き込まれつつあり、これからどうな -
ネタバレ 購入済み
再会(≧∀≦)
成長したアラジンとアリババくんの再会やら、アリババくんがモルジアナにプロポーズやら、見どころいっぱいの巻♪
再会の時に二人が出会った頃の回想シーンがあって懐かしかったです。また最初から読んで見たくなりました!
-
Posted by ブクログ
最終章・二年後編の本格的な始まりとなる30巻である。アリババを主人公とした物語は、まずは二年後の世界を見て回ることから始まる。煌帝国からバルバッド共和国へ、マグノシュタット、エリオハプト王国を経て、レーム帝国へと辿り着いたところで物語は閉じられている。
ここでのテンポ感の良さはさすがの手並みだろう。バルバッドでの因縁を晴らし、マグノシュタットでヤムライハと、エリオハプトでシャルルカンと再会を果たし、レーム帝国でマスルールとティトスとの再会。その対話の中で二年後の世界を少しずつ描いている。
またその物語の軸となっているのが「煌帝国復興のために交易路を構築する」という展開であり、あくまで煌帝