大高忍のレビュー一覧
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小隊長の座を争う展開から始まる7巻である。
ここでは小隊長の座を争う小競り合いでの敗戦、第一陣の船団での緒戦における心折りなど、武蔵を襲う試練の数々が見られている。
鬼鉄刀を得るに至るまでの顛末でもそうだったが、この作品では徹底して主人公に試練を課す。ここでの絶望感もなかなか険しいものだ。
物語としては、人間だけが持つ「星座のように他人と繋がる能力」によって人が鬼に立ち向かう、その模様が描かれている点は大きいだろう。
であればこそ、小隊のような組織は現実以上に上意下達が求められる。戦場で抗命するような部隊員に価値などないと、まざまざと武蔵は教えられた。
その展開の残酷さは、ポジテ -
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ネタバレ小雨田武士団での顛末に決着をつけ、本格的に鬼神と戦うために大東鉱山で鬼鉄刀を求める3巻である。
旅に帯同することとなったつぐみが知恵袋となって、少しずつこの世界が明らかになっていく。鬼鉄刀は普通に買えるんですよ、と教えてもらえたりする形である。
またその旅の途上で「名乗る名もない飼い犬」と出会って鬼鉄刀の凄みを知り、大東鉱山では竜造寺武士団刀匠頭の長船ミツルらと出会っている。出会いに次ぐ出会いの物語である。
おそらくは、大きな物語に向けての準備をすでに始めている形だろう。どう転がるかはまだまだ見通しは良くないが。
全体を通してであれば、小雨田武士団で魅せたつぐみの覚悟の評価も含めて -
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ネタバレ鬼神討伐の功績を横取りした武田武士団に一発かまし、旅路で次なる武士団・小雨田武士団と出会う2巻である。
ボーイミーツガール的な物語展開での少女つぐみとの出会いを介して、小雨田武士団の城まで導かれた二人だったが、そこでの団長との会合の末に拘束される。
城に迫る危機的状況で、高圧的な団長に逆らえないつぐみの前に再び現れた武蔵と小次郎が、彼女に手を差し伸ばすところで物語はクローズしている。
この巻で、少しずつ物語の方向性というか、コンテクストのようなものが見え始めている。
パワハラ的な環境に圧し潰されていたつぐみ差し伸ばされた手と、彼女の殻をぶっ壊した二人のバイクの突入シーンなどは象徴的 -
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ネタバレアルバとユナンの戦いから始まってボッコボコにされてるユナンの元に現れたアラジンたち。めっちゃ強いじゃんね。白龍とモルジアナも超強くなってるけど、アラジンなんて桁違い。ソロモンと同じ魔法ゾルフを使うときの指をくいっとあげるところカッコよすぎてドキドキしちゃう。白瑛の体を取り戻したあとアルバが白龍に入っちゃうのかとヒヤヒヤしたから良かった。紅炎グッジョブだったんだね。やっとアラジンたちと再会したアリババ。再会の宴の席でまさかのアリババのモルジアナへの告白。むしろプロポーズ。またギャグ展開になるかと思っていたらまさかの結婚で本当にビックリ。うわーと胸あつな展開からの、アラジン紅玉ちゃんフラグで全部持
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ネタバレアリババの格好良さよ。もうアリババの良いところが溢れた一冊で読んでいてゾクゾクしてしまった。アリババが身に付けた世界がゆっくりに見える力。最強かなと思うんだけど、どこまで通用するのか楽しみだな。再会した紅玉が最初こそ元気なかったけどどんどんアリババのお陰で元気になっていくのが良かった。シンドバッドを言いくるめるアリババ節最高だった。図々しいんだけど説得力のある。煌帝国のために奮闘する姿も良かった。新しい煌帝国としてのやり方を沢山の国民を前に毅然と話す紅玉にちょっとウルウルしちゃった。紅三兄弟もまた出てきて嬉しい。紅覇美人すぎ。転送魔法陣を世界で使うため、煌帝国の使節として各国に出向き交渉するこ
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ネタバレマグノシュタットでの闘いを終えて再興し再びシンドリアに戻ってきたアリババ、アラジン、モルジアナの3人。オルバデカくなりすぎてビックリ。久々のシャルルカン、チャラーっとしてて好き。アリババの彼女できた説やらバレてからのアリババやらもう腹よじれるかと思った。ヤバい。普通に声だして笑った。なにあのキリッとした顔。シンドリアの使節としてバルバッドに向かうことになるアリババ。モルジアナやトト、アルバまで。トト師匠の付き添いいいのかな。でもほんとアリババもモテないくだり面白すぎて。モルジアナ意識しだしてプロポーズだと勘違いしてベタベタしてとか面白すぎた。つらい。勘違いってわかってからの壊れたアリババほんと
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ネタバレアリババがついにレーム帝国に入る。剣闘士の養成所に入って武者修行。トトと剣術で闘った時も、剣闘動物と闘う時もカッコよかったアリババ。腕折れて片腕になっちゃうのかと思ってヒヤヒヤしたけど。アリババの中の魔力が2つあった話はなんかうるうるした。カシムの魔力凄かったんだね。魔力が一つに融合したアリババが今後どんな強さを見せるのか楽しみ。モルジアナが目指す谷の向こう側。行くのかな?帰ってこれないってところがなんか怖い。煌帝国の皇帝が亡くなり新たな皇帝に玉艶。白龍たちの母親。この人顔めっちゃ怖い。紅炎戦争好きな怖い人って思ってたんだけどなんかいい人に見えるし。謎深まる。アラジン出番少なかったけどものすご
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ネタバレ海賊討伐編。白龍全身魔装出来ちゃってるじゃん。その上、魔力操作まで。過去は辛いだろうなって思えるものだったけど、大聖母さくっと処刑したのはちょっとな。残党の子供達をさらっと助けるアリババがカッコよかった。頭の回転早いなぁ。オルバ筆頭にあの子供達はアリババを支持するんだろうね。自然に味方が増えてくね。白龍もう告白するとは思わなかったけど、先の処刑があったからほんわかしたキュンみたいな気持ちで見れなくて残念。なんならちょっと強引で怖かったわ。別れの前日はギャグ強烈すぎてめっちゃ笑った。モルジアナの地団駄もアリババのオチも。アモンの金属器と眷属器の関係気になってたからスッキリした。モルジアナとの別れ
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ネタバレ読み終わったあと、何これ面白い!ってなってしまった。興奮。アリババの過去と親友カシムとの話。アリババの言ってた失敗が明かされて。なんかそんな壮大なものを一人背負っていたのかと切なくなったけどな。スラムと王宮の板挟みで辛かったろうなーとか。勇気を出して現国王に直談判しても聞く耳持ってもらえないところとか悲しかった。シンドバッドおじさんはもう面白い。突拍子なさすぎて、いい人すぎて。霧の団の仲間になるって言い出したところは笑った。黒いルフをまとうジュダル。バカ強いのに、それに並んで闘うウーゴくんの強さよ。アラジンのジンではないんだ。なんかもうどんどん続き読みたいし、シンドバッドおじさん早く知ってるこ
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マギの大高先生の新連載!まだ1巻で物語が動き出したところなのでストーリー的な面白さはありませんでしたが、この物語を突き動かす核の思想が込められていると思いました。夢を見るもの、自分の夢を知っているものに対して、夢がわからないもの、自分の夢に自信が無いもの、二者の対比を通して、大高先生はわかりやすくは後者に、最終的には両者に応援をおくる物語にするのではないかなと思いました。
また人間体制側の衣服が大陸風であることから、鬼を持ち込み「日の本」の征服を成したのは、大陸の政権なのではないかと想像しました。
武田軍は格好いいし、武蔵たちの出生地が安芸であったりと、これは日本の歴史でこそないものの、モチー -
ネタバレ 購入済み
アルバin玉艶は最高!!
やっぱり私はアルバが好きだと再確認させられる巻。悪役でここまで惚れ込んだのは彼女が初めてです。
「最強の剣士は、私なの!!」ってセリフのシーンはもう、最高です!! 壁を駆け上がり上から白龍に斬りかかるシーンも大好き!
とにかく玉艶とアルバの魅力が詰まった巻ッ!!!! -
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ネタバレ長大かつ壮大な物語に終止符を打つ37巻である。完結巻であるから当然であるが、凄絶な世界を滅ぼすルフへの還元との戦いが決着している。
それにしても、実に壮大な「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドである。
「世界の敵を倒してみんな幸せに暮らしました、めでたしめでたし」と終わらないのは大高さんらしいところであるが、ただ一人の超越者に任せず、それぞれがぶつかり合いながらも手を取り合って世界を変えていくという結論がこの巻でも描かれている。
この辺は明らかに専制政治と民主政治の二項対立をかたどった部分であり、民主政治の「絶えず人々が頭を悩ませながら前進する」様がエンディングの示唆するところだろう。