松本大洋のレビュー一覧
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ネタバレ日常を切り取る。
どこにでもあるような何気ない日常、
でもそんな日常の中で誰かが傷つき悲しんでいる。
嘘をつくこと、それは自分の中を何かを守ることである。
シャボン玉みたいに触れただけでパチンとはじけてしまう、そんな子供心を嘘は守ってくれる。
小さい時ある日突然始まる、「いじめ」。それは特定の個人というよりも、あるスパンでローテーションする不特定多数による不特定個人に対するいじめ。
月曜日にいじめられていた子が、火曜日にとなりの席の子を仲間はずれにし、水曜日にその前の席の子が背中に悪口を書かれる。
子供の時特有の距離感、空気感、そんなものがsunnyには漂っている。
春男と母親のワ -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔、養護施設のお手伝いをしていたことがある。
多くの子供たちは心に大きな傷を抱えている。
暴力的であったり、協調性がなかったりする子供たちの心の片隅には、
無意識ながらにも親に「捨てられた」という意識があったのかもしれない。
松本大洋が描くのは等身大の子供たち。
あるものは強がり、あるものは弱さを曝け出す。
逃れることの出来ぬ運命の中で、親に愛されたいと願う子供たち。
そしてそれを暖かく見守る施設の人々。
驚くほど剥き出しで鋭利な表現だけど、どこか暖かい。
ひどい喧嘩したあと、友人とどぎまぎしながらも仲直りした時に感じる
あの暖かさ。胸の中にじわっと広がるあの温もり。
そんな漫画だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今一つなぜこれなのか?という必然性が感じられなかった。ネタ、ストーリーに関しては2000年の松本大洋である必然性がない感じ。
ネタとしては、「ブレードランナー」である。とにかく、ブレードランナーを想起させるストーリー、人物設定、SF設定、風景、などが随所に盛り込まれていて、何かを訴えてはいる。(だから、ラストシーンは逃避行するNo吾とマトリョーシカ、なんですよね?)
ただ、ずっと「2人の少年の話」を書いてきた松本大洋にしては、初めてそれ以外の人間関係を書いた作品とは言えるかもしれない。いや、PAPAとNo王、No王とNo吾、のどちらかにフォーカスすれば「2人の少年の物語」なのかな? でもは