あらすじ
身の安全を慮って、シロは藤村・沢田が保護していた。一方、クロはシロのいない寂しさを紛らわすかのように、暴虐を繰り返していた。
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「強さ」って、どういうことだろう。
私は映画からハマったクチですが、原作も何度も読み返しては独特の浮遊感に浸り、そのたびに「強さ」について考えます。
宝町という荒んだ街でたくましく生き抜く少年・クロとシロ。2人が見る世界は、暴力とオトナの欲望に満ちている。オトナを圧倒する「力」を欲するクロの凶暴な感情は、すべて相棒のシロを守ることに注がれているけれど、実はシロの純朴さに生かされている。でもそれを「依存」と簡単にオトナの理屈で言い切りたくはない。2人は光であり闇であり、どちらにも振れる危うさこそが純粋で、愛しく胸に迫るのです。
ひとりで着替えもできず、幼児のように世話のかかるシロですが、「安心安心」「シロ、こんな街いらない」「もっとゆっくりならいいのに」など、たまに呟く「シロ語」は、本質を突いていてドキッとします。
ぜひ、映画主題歌だったアジカンの「或る街の群青」を聴きながら、宝町に飛び込んでください。松本大洋の不細工なガキ(褒め言葉)、クロが最高にカッコよく、シロが最高に可愛く見えてくるはず。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自分が持って無い心のネジを、全部持っている相手に会うことがあるのかな
私が持っているネジが、誰かの役に立つことがあるのかな
役に立ってることって、自分はよく分からないんだね
自分が持っていないものを、人が持っていると、よく見えて、嫉妬したり羨んだりするんだよね。
だけど、闇があっての光
光が当たると影ができる
裏と表、クロとシロ
誰かの光になることができるのだろうか
光になりたい
Posted by ブクログ
クロは一度は闇の世界に行ってしまったんだな。でも、シロのことがあるから、戻ってこれたんだな。
善と悪はなくとも、人を信じるか信じないかはある。
相変わらずの野心的な表現だった。
Posted by ブクログ
苦手な暴力だらけなんだけど、
シロとクロの絆
シロの不思議発言、かわいいかぶり物
クロの子供とは思えない
ハードボイルドさ
現実離れした身体能力、
人間味溢れる大人達…
松本大洋の手にかかると、暴力シーンも
その身体の痛々しさを超える
別のものにすりかわる
ラストで イタチが現れたのは
クロがどんなにクロ一色に
なろうとしても
なりきれるもんじゃない、
ほんとのクロはこういうもんだ。
クロにはシロが必要なんだってことを
クロに知らせるためだったのかな、と思う。
Posted by ブクログ
舞台はヤクザが蔓延った繁華街。二人の主人公はシロとクロ。名前が表すように光と闇、善と悪の正反対で強い結びだが、離れたときのバランスの崩れ方はあまりに激しかった。
他の登場人物たちの人間関係もそうだったけど、強い結びつきの人間の崩れた時のはかなさの表現が絶妙だった。
身の回りに置き換えいろいろと考えさせられる漫画の枠を超えた哲学的な漫画だった。
Posted by ブクログ
DVDの「鉄コン筋クリート」を本棚に入れる前に、こっちを入れておきたかった
鈴木さんと木村くんの、漢にしかできない散り様がカッコよくてカッコよくて
鈴木さんの全てを悟った導き
木村くんの鈴木さんの意思を完璧に受け継いだ最期
そして木村くんの子を身ごもった女の乾いた去り方
嗚呼 シブい
渋すぎる
女が真似したとて、潔さはついてこない
こりゃ漢という“性”に嫉妬するしかない
Posted by ブクログ
いろいろ考え方とか見方とか変わったきっかけであります。
正反対主人公にハマったきっかけでもある・・・。
胸に残り続けるセリフとか、街が生きて呼吸していそうな雰囲気とか、本当に印象的な作品。
Posted by ブクログ
ソコカラナニガミエル?
クロがいるからシロがいる。
シロがいるからクロがいる。
2人はお互い。
クロがない所のネジ、シロがみーんな持ってる。だから、クロはシロが助けるのな。
闇に染まるんだ。そうすれば強くなる。俺を信じろ、イタチは言う。けど、クロはシロを信じる。シロを信じるクロをシロは助ける。
ソコカラナニガミエル?
ミンナガミエル。
気付けないような当たり前の感情、たくさん書いてありました。
安心安心。
誰かに「ただいま」「おかえり」を、言えるような人になりたいのだ。
Posted by ブクログ
第3話。最終章。世の中には、決まってるコト。なんてナイのかもしれない。人間の中には、ソレゾレ「クロ」と「シロ」が宿る。ソレはオセロのチップとおなじで、常に「クロ」と「シロ」であって表や裏じゃない。
Posted by ブクログ
二巻の不穏さからどんどん盛り上がっていき、上手くまとめてあります。最後までコマ一つ一つに手が込んでいて、まるで画集をみているかの様でした。
私が今まで生きてきた中で読んだ漫画で最高ランクでした。
Posted by ブクログ
やはりこの作品から入るべきだろうか。松本大洋。この感性はすごい。クロはシロを守り、シロは街を守ってる。成長の物語なのだろうか。崇高な志、突きつけられる現実。クロとシロはもちろん、登場人物全員がそれぞれの強い想いを持つ。それだけで、十分。わかるはず。
Posted by ブクログ
素直に好きと言えるマンガ。本当に好き。シロとクロが好き。ありがちって言えばありがちな設定だけれど、そこにとどまらないところが松本大洋の凄いところだと思う。
Posted by ブクログ
3巻が一番ドラマティック。改めて読むと、イタチの件はちょっとスターウォーズに似てると思ったのは私だけ?
お互いの足りないねじを持ってる同志が、お互いそれを知ってるってことはホントに幸福だ。
Posted by ブクログ
松本大洋作品の中で一番好きな作品。
でも読み返してみたらまた違った感想も出てきそう。
大泣きするとかじゃないけど気付いたら涙が出てる。
シロクロ可愛い。
Posted by ブクログ
なんでもアーバン・ファンタジーよいうジャンルらしい。初耳。
なるほどなとうなずかされる言葉だ。
というのも、この作品で描かれる都市は無際限に拡大する都市という不合理で不可逆なシステムではない。
むしろ個人の内面だとか家庭だとか極小の場所を、都市に拡大して考える類の都市だからだ。
半透明で透過性のあるコクーンが、クロとシロのふたりの周りに敷き詰められている。
半透明だから互いに自由のように見える。
そして実際、透過性があるから他者からの侵入を許すこともあり、結果的にふたりが反目することもある。
が、変わってしまったも変わっていない繭が、依然としてうすーく残っているのだ。
だからふたりが再開すれば、ふたたび繭は閉じることができる、そういうふうにできている。
彼らを包む都市も、そういう具合でできている。
あるいは繭のような都市の核が彼らといえるのかもしれないし、都市の繭性を彼らが象徴しているといえるのかもしれない。
くだくだしく書いてしまったが、ふたりのキャラクターも好きだし、ふたりと取り巻く大人たちの群像も好きだ。
『AKIRA』のまだ幸せだったころの金田と鉄男を連想したりもした。
健康優良不良少年なところや、幻想への没入の仕方とか。
Posted by ブクログ
松本大洋版「悪童日記」か!? やはりこの人のセンスはすごい。最後はもう少し盛り上がってほしかった気もするが、面白かった。まさしく90年代のガキストーリーである。
Posted by ブクログ
崩れた。でも、崩れたら、なおせるように努力するんだ。寄り添って、また一から積み重ねていくんだ。
ネズミ、は、嗚呼、悔しくって、哀しくって、漢だなあ、なんて、思った。
木村、も、……木村の奥さんも、奥さんは、気高いというか、なんというか、泣かずに、だから嫌なのよと捨て台詞吐いて、何処かへ立ち去る。
シロはクロ、クロはシロ。
ソコカラナニガミエル?
Posted by ブクログ
なんとも正義感溢れる、暴力的な作品です。
現代の暗い部分を、とてもカッコよく描いています。
さて、このマンガ、否定的なことばかり書きましたが、
なんだか感動します。
意味もよくわからず、感動しました。
「2人」で初めて見つかるものがある。
足りないものを補い合う2人。
そんな友情(違う気もするが)の物語。
い〜んじゃない(´∀`)??
ただ、この物語が現実社会にどんなメリットを持っているのかは考えどころですが。
むしろ子供たちがクロのように凶暴化したらどうしようと、
要らぬ心配もします。
「最近の子供、ホントに怖い」
と、同世代の友人に聞いておりますので。
でもなんだか感動するんだ。
しかもやっぱり俺自身、
こういった壊れた闘争社会にカッコよさを感じたりするしな(σ゜∀゜)σ
俺の足りないネジは、誰が持ってるんだろう・・・。
ま、シロかわいいし、
楽しいから読んでみれ☆
Posted by ブクログ
クロ、シロ、街、ドッペルゲンガー…。このマンガには記号が散りばめられている。クロとシロそれぞれが持たない部分をそれぞれが補完し合うという、哲学的な文脈を物語の骨格としつつ、作家の人情性が物語りの肉付けを行っている。ここに出てくる街はメタファーとしての街であり、変わり行く時代の象徴なのだ。
Posted by ブクログ
「守る」ということや「大切にする」ということの意味を深く考えさせられるとても濃い漫画だが、個人的には細かいギャグや絵がそこまで好きでないので、☆4つ。