あらすじ
宿敵・木久地との対決。宗一郎、木久地、両者ともこの戦いだけは避けられない己が定めと考え、それぞれに最後の決戦に備えて準備に怠りない。そして迎える「十二日卯ノ刻烏野神社」両名の存在意義を描けた決闘が始まる。ともに剣に憑かれた二人の男。より深くより黒い動機を持つ者が勝つのか?その深い闇から解放された者が勝つのか?さらには、勝利の果てに何があるのか?
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Posted by ブクログ
最終巻〜〜〜〜〜
本当にいい作品でした。なんだろうすごくタメになるとかじゃなくて、ただ物語として、良質なものに触れることができた。生きていくことに楽しみを与えてくれた、という感が強くてうまく言語化できないのだけど
以下徒然
完全に家臣ムーブ森くんなんだけど、時々「瀬能、死ぬな!」って昔の友達ムーブになるのが可愛い
「お勝、行くよ」と他の客が来たから出るねというのと、もうこれで最後の別れというのを掛け合わせる宗一郎も素敵なんだけど、それに敏感に「これ切りなんだね、宗さん」と縁が切れることに気づいて、でもそれを質すわけでもなく、静かに見送るお勝〜〜〜〜〜涙涙涙
あの二人の顔だけのページ、好きだった、、
そうして見送った後で、ようやく涙を流すお勝、、カッコ良すぎるんだよ、、
メシを最後託すのもなんか良いし、そのメシがまずは刀を抜こうとしているのも可愛く切ない、、
みつ屋の団子を食べたいという「我儘者がおられての!」と相変わらずな森改めて大村崎&宗一郎ペア、可愛い〜〜
年老いたメシ肩に乗せてるのも良い、、
至極の作品
緊縛した敵との勝負。敵の命をとる代わりに、主人公は腕を失う。一瞬悲劇の様に感じるが、主人公は、同時に剣の呪縛からも解き放たれる最高のラスト。大好きな松本大洋先生の作品の中でも、個人的には上位にくる名作だと思います。
Posted by ブクログ
ストーリー、絵、キャラクター、あらゆる点でツボ過ぎる。
ページのすみずみまで配慮が行き届き、かつそれをあざとく感じさせないユーモアと脱力感がスバラシイ。
読み終わった時の、満ち足りた、すがすがしい気持ちをまた何度も味わいたくなるに違いない、そんなマンガです。
登場人物すべてが魅力的で、その中でもさらに際立つ主人公宗一郎のキャラクター。
子どもたちの表情の豊かさと、人の生活に溶け込む動物たちのさりげない存在感。
ストーリーは軽快で、深くて、面白い。
宗一郎と矢場の看板娘お勝、二人のシーンが好き。
大人の女性たちにこそ、この情感を味わってほしい気がします。
Posted by ブクログ
これは、すごい!と思わず唸らされました。絵のタッチ、そして対決のシーン、場面が切り替わる、主人公が持つ暗黒な部分が浮き出てくる感触…全てが漫画という範疇を超えた作品。帯に「松本大洋大団円を描く」と書かれているように清々しい幕が下りました。対照するのは「バガボンド」と思います。活殺の真実に迫ったのが「バガボンド」なら(武道家や武術家の共感を得られるという意味で)竹光侍はその身体的な感覚をしっかりと表現しているように思います。時に日本画が流れていくようであり、怪談を聴いているようであり、墨絵を目の前に翳されたよう、そして流れる風や雲が本当に流れるよう。
Posted by ブクログ
巧いんだか、ヘタなんだか解らないような絵だと感じがちだが…
漫画と認識するより、絵画、またはアートっと認識した方が正解かもしれん。
古い漫画を知っている人には「劇画タッチ」っと言った方が解り易いと思う。
なにせ絵が動くように感じる。
原作者は別な人だが、実に見事なほど松本大洋は自分らしさを出している。
主人公の「瀬能宗一郎」は、浮世離れした侍
同じ長屋に住む大工の息子「勘吉」など、子供等に好かれている。
ってことは、悪い人だとは思えんのだが…
だがフっと見せる一面には、何か人知の及ばざる物にとり憑かれている様も見受けられる
それに彼は滅法剣の腕が立つ、それに伴い心も強い。
人は自分の弱さを知っているだけに、強いエネルギーには惹かれる。
でもあまりにも強いエネルギーに接すると、逆に怖さも感じてしまい腰が引ける。
ただ当の本人がノホホ~ンとしているもんだからつい傍に寄って行ってしまうのだが
時々ミョウ~な緊張感をまとう瀬能にドキっとすることしばし(笑)
だから誰もが彼から目が離せない。
ノホホ~ンとした表情と、時折見せる獣のような表情と、
どちらも人を惹きつけてやまないのだ
そんな漫画だから、読んでいる側もたまらん程、瀬能に惹きつけられるのだ(笑)
今回は最終巻を前にし、読みきってしまうのが勿体ないので、
もう一度、一巻から一気に楽しみながら読んだ。
悪を切り、ついでに自分の悪をも断つ。
な~るほど、そういう風に結論を持っていったか・・・
まったく考えていなかった最終回だったが、一度読み終わると
確かにコレしか無いってな終わり方だった。
なにか偉業を遂げた人物、または波乱万丈な人生を送った人の伝説ってのは
こんな風に始まり、こんな風に終わるのかもしれんな
そうして時代とともに脚色され、語り継がれるのかもしれん。
松本大洋の描く人物は、いつも、とてつもない強さを持って登場する
普通は色々とあって経験を積み、強くなる過程を描く話が多い中
いきなりMAXな強さで登場するもんだから、見ている側には安心感どころか
MAXの次は落ちるだろうってなセオリーに捕らわれ、ドキドキの連続となってしまう
それを毎回「そう来たか」ってな落としどころへ持っていく技には感服する
強い主人公を登場させてた作者は、読者にハラハラ・ドキドキ感を持たせるために
次から次へと強い相手を登場させるか…主人公に怪我を負わせて多少弱らせるか…
体は強いが心が弱い…なんぞと話を持っていきがちだが
彼の描く漫画には、そういったセオリーが当てはまる作品は無い。
今回の竹光侍は先にも述べたが原作は永福一成氏である。
この話に松本大洋の絵が見事にハマっているので、大変満足していたが
どうやら永福一成氏の原作が文庫化されているらしい。
ちょっとソソルのは、漫画にはない場面が載っているそうで…読みたいかもっと思った。
しかし…最近、江戸モノに気持ちが持っていかれるのはどうしてだろう。
色々な本や漫画を読んでも、必ず合間合間に江戸モノを手にしてしまう。
士農工商の完全なる封建制度な時代にも関わらず、気持ちが江戸へと飛んでいく(笑)
さて、民主主義に嫌気でもさしているのだろうか?(ハハハハハ)
なにはともかく、松本大洋ファンも、そうでない人も
漫画好きも、漫画なんぞ見ない人も、機会があれば是非見るべし。
きっと訳の解らない幸福感に戸惑うこと確実である(笑)
Posted by ブクログ
隅々まで楽しく美しい絵で楽しませてくれたこの本も、ついに最終巻。宗さんがお勝さんを置いていっちゃった時には、本気で抗議したくなりましたが、でもほんとに大円団だあー。最後のページの「完」が、昔の大映映画みたいでいい!
Posted by ブクログ
圧巻。漫画は絵に引っ張られ、吹き出しもあまり目を通さず読んでしまう事がありますが、「竹光侍」は、最後まで、ヒトコマヒトコマじっくり目で読んで、文字も読んで、読みました。そうしないと、作品に失礼な気がしてました。大団円の8巻、刀を振るって人の命を奪う殺生に対して、相反する精神性で在る二人の対峙は、音の無い、静寂の世界でした。漫画は沢山読みますが、この漫画を読んで良かった、なんか、お話の内容云々ではなく、幸せな気分になった、大切な一冊になりました。
二人の死闘の間に、木久地の顔がどくろのように見えてくるのは、彼が死へ向かっている暗示なのか…凄いの一言しかない。
Posted by ブクログ
大好きな作品の最終巻と言うことで、心して読みました。読んでいるだけで、こんなに血なまぐささを感じるとは思わなかったです。最近出逢った作品の中では、ダントツで面白かったです。
Posted by ブクログ
時代劇で敵が絶食。
愛刀を手にした瀬能宗一郎が、戦ふ。
最後のメシが大変良い。ああいふ伏線の回収は、さう言ふもんずらなぁと言ふのはあるんだけぇど、周りでいろいろやって、いくんだけぇど、うーん。(ああいふをっさんデザインすると彼にわんこの舌をつかませるよな)