阿部賢一のレビュー一覧

  • 湖

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    どこかロシアの辺境のような湖の村,湖が枯れていき荒廃していく人々と村,母親に捨てられた少年ナミは祖母を姨捨のように村人から湖に生贄として流され一人になってしまう.ナミの母を求めての遍歴と吹きすさぶ暴力の中で,それでも優しい人達はいてナミも成長していく.最後にまた村へ帰り到達したところで明かされた真実に胸が震えた.

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    2019年07月11日
  • わたしは英国王に給仕した

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    ・チェコスロバキアの文学。
    ・訳者の阿部賢一先生を交えた読書会に参加
    ・作者のボミフル・フラバルさんはビール工場でうまれた。
    ・好きな言葉
    わたしが保守し自分自身で砕いた敷石で補修しようとしていた道は、わたしの人生に似ていた。背後には草がぼうぼうと生えていて、道の先にも生えていた。けれどもわたしが作業した区間だけは、わたしの手の痕跡が残っているようにおもえた。・・・
    ・給仕見習いから、百万長者になり、戦争で全て失って道路坑夫になった主人公。他人に認められたいってとこから自由になった最後が感動したな。
    ・ビール工場にフラバルのプレートが掲げてあるそうで本人の希望で犬のションベンがかかる高さって。

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    2019年06月09日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    作家別に紹介した読書ガイド。とても良心的だと思う。自分としては「コナンドイル」の章でピンチョンの新訳が出ているのを知ったのがよかった。希望としては、取り上げた作家が限らているのが残念なので、シリーズ化してくれるとうれしい。

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    2019年05月01日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    村上春樹/ルイス・キャロル/大島弓子/谷崎潤一郎/コナン・ドイル/J・R・R・トールキン/伊坂幸太郎/太宰治

    どれかの名前にピンときたら読んでみてもいいかもしれない。
    書評家、作家、翻訳家が10人。
    ブコウスキーの訳者として知られる都甲幸治さんをホスト役にして1作家3人ずつの鼎談方式のブックガイド。

    ブックガイド好きな上に本について語り合ってる人たちも好きな自分には楽しかった。

    各テーマも興味深く、例えばキャロルは「あえて男三人で『不思議の国のアリス』を語る」とか太宰は「ダメ人間を描く小説の作者はダメ人間か」とか。

    なるほど~と膝を打ちたくなるような考察もあって面白かった。いやあ、自分

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    2017年11月25日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

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    タイトル通り各文学賞について複数の方たちが好き勝手(?)話をしたものが1っ冊の本にまとめられている。面白かったのは文学賞の背景であったり、審査の仕方であったり文学賞の周辺まで考察したり説明があったりで、なかなか読み越えのある本だった。世の中にはまだまだ知らない本がたくさんあるのでとても勉強になった。

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    2016年12月11日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

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    芥川賞や直木賞なんて世界の文学賞のうちに入るのだろうか?日本の作家が書いた日本語の小説しか対象になっていないのに。なんてことを思ったけれども、読んでみました。今年も話題になっているのは、もちろんノーベル文学賞。村上春樹さんがとるかどうか、メディアで騒がれました。この本を読むとわかるのですが、その根拠になっているのがカフカ賞。この賞をとった人が二人、ノーベル文学賞をダブル受賞しているんだそうで、まだ受賞してないのが村上春樹なんだそうです。カフカ賞はチェコ語の翻訳が一冊は出ていないと受賞できないそうで、村上春樹がとった2006年は『海辺のカフカ』が翻訳された年。タイトルがよかった?

    そのノーベル

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    2016年10月24日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    最近全然小説を読んでいないので、なんか読んでみたいなとまず軽くジャブぐらいの気持ちで読んでみたら、実際の本を読まなくても良いんじゃないかな?と思うぐらいに面白かった。中ではとりあえずカズオ・イシグロが気になる。それと『痴人の愛』の猛プッシュぶりに、これは読まなくてはならないのかもなと思った。

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    2016年07月23日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    鼎談してる方々が楽しんじゃってる感じでw
    それがいいんだろうけど、こちらとしては置いてかれてる感があったりw
    でも、なかなか面白い読み方もご教授いただけたりww
    固そうな文学作品も、つっこみどころ満載のようでwww

    やっぱり、エロってつっこみながら読むとヘンなツボにハマりやすいらしいww
    有名な文学作品も、あまりにくだらなくて、途中で投げ出したりしたくなるかも?ww

    伊坂幸太郎について、を期待してたんだけど、あまり語られなくて残念。
    村上春樹は、やっぱり語られやすいのね~。
    獄本野ばら読んでみよ~っとww

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    2016年07月10日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    こういうのとても好きなので面白かったけど、結構ネタバレも激しいし、話の雰囲気的にも「あるものを好きな人にテーマからその人に本を薦める」というよりは、「あるテーマのそれも、関連するものも大体読んでる人が読書仲間とグルーピングしてたのしむ」本かな。もうすこしブックガイド的な雰囲気が欲しかった。大学で、部活動見に行ったら内実がサークルだったかんじ?(わかりづらい)でも谷崎の章があったので楽しく読みました。読んでるのも結構あった。笑

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    2016年06月07日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    作家や翻訳家、文学研究者など文学に携わる方々の鼎談。国内や海外、様々な作家の作品が紹介され、話は尽きない。
    自分が抱いていた固定イメージがひっくり返されるような見方もあり、とても新鮮だった。
    読みたい本は尽きないけど、時間は無限じゃないのが切ない。。

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    2016年03月22日
  • 誘拐された西欧、あるいは中欧の悲劇

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    戦前まで西欧の一員でありながらスラブ世界としてどこか別扱いされ、戦後ワルシャワ条約機構に組み込まれたが、ソ連崩壊後はNATOに加盟。でも国境を接するロシアの脅威からは逃げられない。それでも独立国家として生きていかなければならない。これってまさしく中欧のアイデンティティの問題と言える。

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    2025年09月21日
  • ロボット RUR

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    単語「ロボット」の語源作品
    はあ、奴隷って意味なんですね
    先日札幌駅から大通り公園の地下歩行空間を歩いていたんですけど向かいから
    「歩きスマホはやめましょう」
    みたいな注意しながらノロノロとロボットが移動してきたんです
    顔(?)に当たる部分には警備中って表示
    いや、これがものすごく移動スピード遅いんですよ
    けっこう人がすれ違う場所なんですけどもはやこのロボットが移動を妨げてるんでないかと
    押し車押して歩いてるおばあちゃんが
    「ひえええ…」とよけていて思わず笑っちゃいました
    これなんの意味があるんですかね
    東京の方ではウーバーをロボットが持ってきてくれる地域あるのでしょう?すごいです
    ピンポーン

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    2025年08月11日
  • 白い病

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    白い病、と聞いて、ハンセン病の話なのかな? と思ったけど架空の病気だった。ストーリーはどことなく芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を思い出す感じ…

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    2025年02月21日
  • 白い病

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    カレル・チャペックが1937年に書いた戯曲。
     隣国の小国に威信を示すため攻め込もうとする軍事国家。アラフィフ以上が発症する白い病が世界的に大流行。そんな中一人の町医者が治療法を発見するが、その治療に際し、一つの条件をつけた。
     世代対立、戦争主義者と平和主義者、扇動者と扇動される群衆、と様々な切り口を見せつつ、皆「正しい」行動をしているとは言えない。平和主義者でさえ、その行動は首をかしげる。「正しい」とは何かを考えさせられる作品。
     また、90年近く前の作品なのに、戦争、世代対立、貧富の格差、パンデミックと現代と同じ状況が描かれる。未来をも予知したカレル・チャペックすげぇ、のではない、人類が

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    2025年02月21日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    「伊坂幸太郎が気になる人に」が気になって借りた本。
    伊坂さんの分析部分がおもしろかった!
    他に吉本ばななさんや川上弘美さんの本が積読になったことも◎

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    2023年03月26日
  • 白い病

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    初版は1937年とある。作者が世界情勢に向けて語っていたのだと思うと胸が傷む。コロナ禍に次ぐウクライナの問題、これは現代のことではないの?と思ってしまう。2020年に翻訳していた訳者も、出版社の人たちも今頃驚いているに違いない。

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    2022年08月25日
  • ロボット RUR

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    「ロボット」と言う名前の元となった小説だな(戯曲だったけど)、と思い読んで見たら、
    ・ロボットは、これまでイメージしていた「機械」で出来たモノ、では無く、化学的、人造人間、的なモノだった。でもそこ以外は確かに現在のロボットの概念と同じものだと思う。
    ・1920年の作品だけど、SF、と言うカテゴリーとして読める設定だった。
    サクッと読んでおいて損はないかと思います。
    (追記)
    あのロボット三原則で知られるアシモフは、奇しくも1920年生まれみたいですな。

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    2022年06月19日
  • 湖

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    マグネジア・リテラ賞、EU文学賞受賞作。
    チェコの女性作家さんの作品。
    主人公ナミの成長を辿る物語。
    ジャンルの分類は難しい。文学的。
    描かれるのは、幻想、暴力、理不尽、愛情、成長。
    物語というよりも、作品全体の雰囲気がわりと好み。

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    2022年03月12日
  • 白い病

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    かなり今に近いものを感じた。
    求めるものが違うし、それを譲ることができない両者の葛藤を見た。
    追い込まれた時に人間は何を優先するのか、
    相手のことを知ろうとすれば何か変わったのかも

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    2021年09月10日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    所々表現が旧い(全方位への配慮が足りない)ので、2016年の作家の感性なんだなと思う。
    三島由紀夫の本にとても興味を持ちました。

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    2021年09月08日