【感想・ネタバレ】誘拐された西欧、あるいは中欧の悲劇のレビュー

あらすじ

中欧のチェコに生まれたミラン・クンデラは20世紀後半の歴史と文学を「中欧」という視点から体現した作家。2023年の没後、作品の再検証を試みる機運が高まるなか、クンデラが生涯をかけて探求した概念「中欧」と「小民族」を巡る両論考は作家の世界観を理解するための貴重な証言と言える。また、主体的な関与がないまま自国の運命が一変するという「小民族」の置かれている状況は、現在のウクライナやパレスチナの情勢にも援用可能な視点であり、その警鐘は鳴りやむどころか世界中に響き渡っている。

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Posted by ブクログ

戦前まで西欧の一員でありながらスラブ世界としてどこか別扱いされ、戦後ワルシャワ条約機構に組み込まれたが、ソ連崩壊後はNATOに加盟。でも国境を接するロシアの脅威からは逃げられない。それでも独立国家として生きていかなければならない。これってまさしく中欧のアイデンティティの問題と言える。

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2025年09月21日

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