岡田憲治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今の個や多様性が尊重される時代の裏側では、
暗黙の了解、空気を読まないといけない、周りに配慮しないと悪者になる…。
だから意見なんて言えない状況だし、
本当は嫌だけど、
間違えることのほうが不安だから
周りに合わせたり、今までの繰り返しをしていれば無難。安心。
衝突を避けるためにあえて関わらないから
人と人との距離は昔よりだいぶ遠い。
ネットもあるから物理的にも遠い。
加えて時代の流れはものすごく早くなっているから、
いろんな年代の人が集うPTAは
お互いの価値観は理解できなくて当たり前。
さらにPTA活動に正解はないし、実態はモヤモヤとして不透明だから
懐疑的にもなるし、めんどくさいし
P -
Posted by ブクログ
政治家たちの不祥事が取り沙汰される昨今、教室を生きのびる政治学とは面白いタイトルだな、と思って手にした一冊。
扱う内容はいいけれど、クセの強い口語文体で、読むのに苦労した。中高生だとこうした文体の方が読みやすいのかな……。
政治学というのは身近に存在している。そのことを学校生活の一部を切り取って説明してくれるので、なるほどなと思う点は多かった。
ただ、教室を生きのびるために政治学が役に立つとうたっている点に関しては、うまく理解できなかった。政治学の知恵というより、筆者の知恵は役に立つので、読んで損はしないけれど。
まとめると、筆者からの中高生への熱いメッセージがつづられた本、という感じだ。 -
Posted by ブクログ
『政治学者、PTA会長になる』が面白かった(著者 オカケンの吠える声が今でも耳に残っている…)ので、同じ学校現場関連で本書をチョイス。
PTAでは親御さん世代が対象であったのに対し、今回は(一応)中高生向けに執筆されている。「自分の身の安全を確保し、学校生活をサバイブしてほしい」というのが本書におけるメッセージだ。
学校はいわば社会の縮図。政治学をその小さな社会に当てはめることで、身の回り半径5メートル以内の「安全保障」につながる、というわけだ。
中高生対象なだけあって、今回のオカケンは超ノリノリ!
ほぼ話し言葉だし、まるで階段教室に全国の中高生を集めた臨場感たっぷりの講義を行なっているみ -
Posted by ブクログ
文章が好き ◯
作品全体の雰囲気が好き ◯
内容結末に納得がいった ◯
また読みたい
その他
一年間、クラス役員の長を経験しました。
私の心身にしつこくまとわりついて溶けなかった不安と戸惑いが、この一冊で見事に言語化されています。
読み出したら止まらない。
PTAを経験する前の予習として読むか、経験してから「あれはこういうことだったのか」とあらためて歯ぎしりするか、どちらをとるかはアナタ次第。
「PTA」はやらなくてすむのならやらないほうがいいです。
どうしたって何かを犠牲にしなければやっていけない。
でも、そのおかげで絶対に話すことはなかっただろうなぁ、という先生方とお話できたし -
Posted by ブクログ
衆院選がある今年読まれるべきタイムリーな一冊。朝日新聞のオピニオン記事で、かねてからリベラル勢に募っていた思いがほぼそのまま述べられていて、本書も是非読んでみたいということになった。
わずか2年とはいえ時間が空いてしまったことと、現状総裁選の前に書かれたことで文脈が先鋭化してるせいもあってか短いながらも記事の方が伝わったように思う。
本書で述べられているのは結局考えの違いを述べるのは上から目線ではなく相手のことも慮って言葉を選ぶべきだということと、選挙に票を投じないのはそのまま多数派へのメリットを与えるだけだとする、それほど目新しくないオピニオンで終始してしまった。
生地のテイストはそのままな -
-
Posted by ブクログ
ネタバレこれからを生きていく人へ贈るメッセージ。
日本の現状に危機感を抱いた内田樹が,中高生へとメッセージを送るために様々な人へ文章を書いてくれるよう依頼をした。統一感はあるような,ないような。しかし,皆,日本の現状に(というか,現政権に)危機感を覚えている人たちである。出版されたのは2016年7月なので,書かれたのはその少し前とすると,その後,イギリスEU離脱が国民投票で決まり,トランプ大統領が誕生し,また日本は重要法案を急いで通そうとしている。危機は加速しているのでは。
戦後の,戦後すぐの平和主義がそろそろ機能しなくなっている,そう感じる。軍隊を持たない,平和を守る国でありたい,でも,他国に攻 -
Posted by ブクログ
目もくらむようなスーパー秀才エリートだった人たちが、声をそろえてもはや反対することができない空気があったと言っている。ドイツ語で日記を書けるような、言葉を自由自在にあやつることができるエリートたちが、一億人の運命を左右するような決めごとを、最後には言葉でなく空気を読んで身を委ねたと語っている。
福島の原発事故直後の危機を回避するための政府首脳の重大会議、40年以上も続いた政府の憲法解釈を内閣の形式的合議だけで大きく変えてしまった経緯、いずれも議事録が残っていない。それが僕たちの国の致命的な欠陥だ。これはもう病気と呼んでもさしつかえないと思う。かつて有名な政治学者はこれを壮大なる無責任体制と呼