岡田憲治のレビュー一覧
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タイトルから、理論を知っている専門家が現場でどんな苦労したのかな、と思いながら読みました。
気になった言葉は、「それはリーダーではない。オペレーターだ。」「人は、人の言葉を受け入れる基盤が異なると、それが聞こえない」これらは確かに混同しがちで意識したい。リーダーの評価の基準がミスの有無にならないようにすること。肝に銘じたい。
一方、明らかに意味が無さそうなベルマーク活動について、ベルマーク収集の重労働から解放しようとするのだけど、現場からの思わぬ意見から継続する事に!これは不作為の政治らしい。上からの目線だけでなく現場の声を聞く事が大事だと思わされる。
正しいマニュアルでは無く、息をつける場所だと。政治でも、おそらく会社でもマニュアル通りにとらわれないようにしたいと感じた本だった。 -
Posted by ブクログ
積読チャンネルから。
そもそものPTAの成り立ちは終戦後、女性たちが地域やコミュニティの運営の手法、民主主義のやり方を身につけるために、旧文部省とGHQによって導入された政策である。当時は女性の自律や社会進出のための足がかりになったようだ。
ただ時代は変わってフルタイムで働く女性も増え、PTAの活動は時代遅れのものと化していた。金曜15時から顔も知らない先生達の送別会、ほぼお金にならないベルマークの回収、運動会でのお茶汲みシフト等など。周りから「こんなPTAを変えてくれ」と懇願され、政治学者の岡田先生がPTA会長となり、周囲とバチバチやりながらPTAを少しずつ変えていく。
ただ、政治学者でも組織を変えていくことは難しい。組織には正論だけでは測れない「感情」や「習慣」があるからだ。組織を変えるためには、相手に「変化」を受け入れてもらう土台が必要である。そこで重要になるのが、正論を振りかざすことではなく、「ありがとう」という感謝をベースにしたコミニュケーションをとること。信頼という土台があって、改革は成し得ることができるのだと気付かされる。
そして、PTAに限らず、どんな組織でも腐敗してしまう要因は、組織をメンテナンスする仕組みやルールが欠如しているからだと感じた。その状況に合わせて柔軟に対応させていくことを怠り、時代遅れの本質を見失った組織となってしまう。これは会社でも同じことが言える。昔からある謎ルールや無駄な作業が跋扈し、目的を見失った「習慣」となってしまっている。少し疑問を持った人がいても、「変える」労力は何倍にも膨らんでいて大変面倒だし、同調圧力で「変えたい」とも言い出せない。
思考を停止して、与えられたことを惰性でこなすのではなく、「これは何のためにあるのか?」と常に問い続けることが物事の本質や目的を見失わないためにできることだと改めて身に沁みた。
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あなたが過ごす社会をあなたにとって少しでも過ごしやすくする術を教えてくれる一冊。想定読者は小中高生くらいなので社会を教室に置き換えて話が進む。ただその教室での事例が、民主主義の日本における政治に繋がってくる。
自分たちは1人では生きていけない。必ず誰かには関わる。自ら関わろうとしなくても、決められたルール(法律)の中で生きるということだけで誰かが人生に関わってくることになる。
必ず誰かが自分と関わるとなると、自分にとって良いことも悪いことも必ず起きる。この本では校則を例に挙げている。異性と出かける際は必ず届出が必要、みたいなとんでもない校則があったとき、守るわけないと思いつつ決められていることは必ず守らなければいけない。守らなくて良いとしたら、声をあげて意見を伝えて校則を変えるしかない。意見を通すためには複数人の力が必要なので仲間集めをすることになる。
その中で自分にはみんなの先頭に立って何かを主張するというのができない、ということもある。恥ずかしい、言っても時間の無駄、などなど。それでもできることはいくつもあると本書は教えてくれる。
そのうちの一つは、誰かの主張に乗っかる。政治に置き換えると、選挙で誰かに/どこかの党に投票する行為がこれに近い。争点がとんでもない校則の賛否だったらわかりやすい。自分ごとになる。でも自分がまだ10代や20代前半だった時は選挙がどこか遠い存在だった。急に社会保障とか言われても意味わからんし。選挙における争点は聞き馴染みのない言葉ばかりだからもう決めてくれ、と思ってしまったこともある。これを書いている時も争点がはっきりしない衆院選が始まりそうだし。でもだからと言って投げやりになってしまうと、誰かの思惑通りになってしまいそれが自分にとって不都合になりかねない。だからたとえ小さな一票だったとしても、わからない言葉が並んでいたとしても、わからないなりに情報を集めて投票することが少しでも過ごしやすい世の中へと近づけることができる。どうしてもダメなら日本にこだわらなくても良いし。そんなことを教えてくれる。
わかっているようでわかっていない社会、政治、平等がちょっとわかった気がする。 -
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PTAの内情は全然知らなかったけど、語り口調だからか楽しくスラスラ読めました。
・人は、人の言葉を受け入れる基盤が異なると、それが聞こえない。
・ボランティアは本来不平等なもの。
ボランティアにおける「一人一役」は、ボランティアで最も価値がある「見返りはいらない、ただ何かをしてあげたい」と言う気持ちを台無しにする。ここでもまた、人間の嫉妬が問題になる。一人一役、全員が負担しているのだから、していない人を見ると不快に思う。これはボランティアとは言えない。
・スリム化は贅肉をカットするだけではない、大事なところは筋肉を付ける。その通りだなぁ。
・任意団体なのに強制と義務があるのって面白いね
・「PTA思い出そう十のこと」は心に刻みたい -
Posted by ブクログ
『13歳のハードワーク』がいちばん興味深くわかりやすい内容。これを最初の章に持ってくるべきでした。本当に中学生に読んでほしいと思うなら、まず読みやすい文章から載せるのがいいと思います。「こんな難しいこと書いてるオレってすごいでしょ、みんなついてこれる?」って思ってる大人の文章から始められると読もうとする気持ちがなくなります。
中学生は小説以外の文章を読む機会が少ないし、意外とまじめなので本は常に最初から読もうとします。興味のあるところから読もうとは思いません。
そしてこれを書いているおじさんたち、子どもがいるなら精一杯育児に関わったでしょうか?中学生、高校生の息子、娘にしっかり向き合ったという自信はあるでしょうか? -
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「おじさん」なのに教室の感じ、中高生の感情をよく表してるなぁと思う。クラスで文化祭で何をやるか決める際は確かにあんな雰囲気だったし、感情があったと思い起こした。中高生の気持ちを想像しながら汲み取りながら中高生が飽きないような文体で政治について易しく書かれている。読み終わった後で結局のところ政治って何なのよ?と言われると説明は難しいが、筆者の「学校は命をかけて行く場所ではない」というメッセージは強く伝わった。自分ファーストにしてセカンドチャンスがある世の中に、サードプレイスが必要。最後の章に「自決」してくれるなと何度も書かれており、実は筆者が若者に1番伝えたい思いなのかなと思った。
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ネタバレ政治において最も重要なことは、腹を割ってなんでも話せる「愛すべき友人」を増やすことではなく、自分たちの生活や人生に影響を与える問題の優先順位を決める時に協力し合える「政治における友人」を増やすこと。
政治において、自分の「気持ち」など二の次。
丸山眞男
「政治家は時間の制約の中、わからないことがあるままでもある段階で「エイヤッ」と物事を決め(行動し)なくてはならない。」
「正しいことを正しく伝えれば、、それはまともな者達には必ず伝わるはず」は人間の現実を無視した物言い。
「今、身体から感じる不条理、切なさ、納得のいかなさ」に依拠して、「それは私も同じだよ」とお呼びかける以外に連帯する方法はない。
目標のために、どこまで自分のこだわりを捨てることができるか。どこまで実利を目指せるか。 -
Posted by ブクログ
もちろん興味を抱いたから紐解いたわけだが、これは全てのPTA組織に当てはまることではないと先ず承知しておかなければならない。東京特別区の中の600世帯以上を抱える1小学校区の中の1人のPTA会長奮戦記に過ぎない。そうであるけれども、専修大学法学部政治学教授の2018年から2020年までの3年間のレポートが、専門家だけにきちんと言語化されて、町内会や労働組合その他凡ゆる自治組織の原則と、幾つかの問題点を炙り出したように思えた。
岡田さんは退任にあたって、PTA10原則(PTA「思い出そう、十のこと」)を残した。曰く。
1、PTAは、自発的に作られた「任意団体」です。強制があってはなりません。
2、PTAは、加入していない家庭の子供を差別しません。企業ではないからです。
3、PTAに人が集まらないなら、集まった人たちでできることをするだけです。
4、PTAがするのは、「労働」ではありません。対価のないボランティア「活動」です。
5、PTAのボランティア活動は、もともと不平等なものです。でも「幸福な不平等」です。
6、PTA活動は、ダメ出しをされません。評価はたった一つ「ありがとう」です。
7、PTA活動は、生活の延長にあります。家庭を犠牲にする必要はありません。
8、PTA活動は、あまり頑張り過ぎてはいけません。前例となって「労働」を増やします。
9、PTAは、学校を応援しますが指導はされません。学校と保護者は対等です。
10、PTAの義務は一つだけです。「何のためのPTA?」と考え続けることです。
この中の8-9割は全国のPTAだけでなく、町内会、労働組合にも当てはまることだろうと思える。
反対にいえば、当てはまらない1-2割の中に、その組織の大きな特徴と最も困難な部分が隠されているのかも知れない。
例えば、「集まった人で、できる事をする」ならば「誰も集まりゃしませんよ」という声が聞こえるようだ。または役員になったものの「こんな大変な目に遭って不平等だ」という怨嗟も聞こえるかもしれない。岡田さんは「もともと不平等なものです。でも「幸福な不平等」です」という。ボランティアとは、そもそもそういうものであるからだ。だから、参加しやすい条件を作り、無駄な会議企画や無理な時間帯や条件は取り除いた。「うちの役員決めは無作為抽出アプリ使って、まず懇親会やってハードル下げて、グループトークやって心をほぐして、活動のスリム化と本業優先を強調して、その日のうちに全員立候補で決まる」んだそうだ。
そのまま当てはまらないけど、いろんなヒントを貰えた。