岡田憲治のレビュー一覧
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ネタバレ政治とは「権力を通じて、誰かの利益になるように他者の行動をコントロールすること」で、「選んで決める」という性質を持っている。
議論や話し合いの目的は、「共有している部分と、別れてしまった部分の確認・記録すること」であるので、変わりうる自分を認められなかったり、論破してしまったりしては、目的から外れてしまっている。
自分の意見を言えない理由は、①自分の経験の範囲を超えている②言い方がわからない③言えないのではなく、「言わない」などがある。それでも、言えない人にもフォロワーとして「ひたすら聞く」「記録する」「言えた人を励ます」などできることはある。
日本では「リーダー」と「上司/キャプテン」の区別 -
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学生は教室という空間こそ世界であると思いがちで、ここでうまく平穏を勝ち取ろうと処世術を学んでいき日常をやり過ごす。そこから脱落or排斥された者を自己責任だとレッテルを貼って周りが看過してしまう事態はとても悲しい。もちろんその教室は世界の全てではないし、自己責任という優しさの放棄も許しがたい。不平等は無くならないけど、やり直しはいくらでもできる。私たちは完璧ではなく、幾度も人に迷惑をかけてしまうのだから、人に迷惑をかけられても許せるようになればいい。そこに民主制は芽生えてくる。可視化できない心の機微に政治の良さがある。世間での政治に言葉は大切だが、フリップや連呼するワードは発信側の責任の軽さにも
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稀有で、エモい。エッセイの豊穣さを感じた。
ここに書かれていることはPTAに限らず(会社さえも)似たような事は起きていて、色々と応用が利きそうな気がする。日本社会に存在する様々な組織への処方として、汎用性は相当高いんじゃないかと思った。
あと仕事できない底辺社員・オペレーターとしては、"既得権益層"であった専業主婦層のことが気にかかったりもした。改革は現場を置き去りにしがちなので。(専業主婦の人達は俺と違って凄いオペレーションをしてるだろうし"底辺"なんかではないけど)
コロナ禍で全てがひっくり返る最終章も凄まじい。その渦中での素晴らしい取り組みに -
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ひとつの事実に対して人それぞれの真実が宿る。マスメディアによって踊らされる情報は受け手側の真実へと洗脳する。それほどメディアの力は強く、私たちが峻別するリテラシーの熟練度は学校教育にまで遡る。"真実はいつもひとつ" と豪語するコナン少年はホラ吹きの第一人者であり、初めの関門としてここから現実を見定める鍛練を必要とする。テストに出る言葉だけを鵜呑みにするのではなく、言葉を出来うる限り漫遊することが大切であり、見誤っても良いから発声すると知らなかった世界を体感できる。自らの言葉を己の耳で聞くとわかる瞬間に出会う。そこで知ることがその人の真実なのだ。あらかじめ梱包された真実(もど
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タイトルからは、政治学者がその知見からPTAを改革する!という話かと思ったら、思ったよりそうではなく、自治というものに対しての正論vs人間、という構図の話であった。常に作者が反省、反省を繰り返しながら、少しずつPTAは変わっていく…が、新たな課題の出現による再反省や、なくすべきと思っていたものの意外な存続意義、そしてコロナウイルス…という、各ステージごとに課題、悩みが巻き起こってとてもおもしろかった。
特に、従来PTAをやっていた方への敬意、という点は、組織があくまでも人間の善意で運営されている、ということを痛切に感じさせるし、正論だけでは渡れない世の中の構図が見える。
自分としてとても共 -
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これは身につまされる1冊だったなぁ。
選挙の際にどんな理由であれ投票しないという行動が結果的に与党にとってプラスに働く、そっかぁ。
ある種の高潔さ(ナイーブさ)に魅力を感じてはいるがそこに縛られることで物事が前に進まずに、数の理論で押しきられることが果たして望んでいる未来に繋がるのか、それならば最終的に目指すところは同じでなくてもまずはそれを達成できる土台(仲間)作りをして、力を持った状態でいる事。
いきなり正解だけを連発することはできないだろう。育つのを待つ必要だってあるはず。それでもたぶん組織や権力は硬直し腐敗への道に寄っていきやすいもの。そうなった時に自浄できなければ、またその時点で -
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サッカー選手のパフォーマンスと言葉の関係を結びつけて論じたあたり、わかりやすくて面白かったな。なるほど、と思う。言葉にするって、実生活をふりかえってもたいへんなことで、ナチュラルなままでそんなに豊富な言葉がでるわけじゃないんだよね。訓練とか知識が必要、というかね。それをただ単にインテリの繰り言とするのではなく、言葉があってこその現実生活、スポーツのパフォーマンス、芸術の達成なのだ、というつながりが、トントントン、と入ってきて面白かった。
全体的にやや冗長、というか著者の人がノリノリで書いたんだろうなぁというあたりもみられたけど、それはご愛敬だろうね。もっと読まれていい本だと思うけど、そのあ -
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中高生にとって必読の書であるのはもちろん、私たち大人も読んでおくべき1冊。
以下、印象に残ったフレーズを。
「この世に『最低の学校』というのがあるとすれば、それは教員全員が同じ教育理念を信じ、同じ教育方法で、同じ教育目標のために授業をしている学校だと思います(独裁者が支配している国の学校はたぶんそういうものになるでしょう)。でも、そういう学校からは『よきもの』は何も生まれません。これは断言できます。」(p10:内田樹)
「疑うというのは『排除する』とか『無視する』ということとは違います。『頭から信じる』でもなく、『頭から信じない』でもなく、信憑性をとりあえず『かっこに入れて』、ひとつひとつ -
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中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃん」という内容で、記憶に残った。
内田樹の編集方針も悪くない。学校の先生方も通勤電車で、一つずつお読みになればいいのではないでしょうか。ここで、さまざまに指摘されている社会の変化の中で、教育が、それはあかんやろ、という方向を支えていることに、ギョッとなさるかもしれない。 -