岡田憲治のレビュー一覧

  • 言いたいことが言えないひとの政治学

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    “勝手に言っちゃいけないんだと決めつける症候群“思い当たる節がありまくりです。“非常識と誹られることを死ぬほど恐れるメンタル“まさにそれです。
    だけど、自分が「ん?」と思っていることは、もしかすると他人にとっても納得できていないことかもしれない。勇気を持って、えいや!と言ってしまえることに越したことはないのだけど、それはそれで無用な衝突を産んでしまうかもしれないし、そもそもそれができたらこの本を手にとることもなかったでしょうし。
    「言える−言えない」の間には“広大なエリアがある“言い方の工夫であったり、時には沈黙もひとつの技法(裏技)なのだとか。頑張る人たちの話を聴いてあげるというのもこの中に入っている。
    私が特になるほどと思ったのは、実践編の中でパートナーの子どもへの言葉かけで、自分がその言い方はないよなと思っても、パートナーとしては、子どもを思う気持ちから(愛情から)発した言葉である、と捉えてワードの部分的な差し替えを提案する、というやり方。良い気づきになりました。対話とものの言い方、大事ですね。

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    2025年03月17日
  • 言いたいことが言えないひとの政治学

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    言いたいことが言えない気持ちを持ち合わせていたとしても、やっぱり人と人との間に横たわるものは言葉であり、大事なのは言葉を「言う」「言わない」という二項対立に落とし込んでしまわないことなんだろうな。「言う」と「言わない」の間にはただ陥穽があるのではなく、広大なスペースが拡がっている、という指摘はとても面白かった。し、その視点が自分に生まれることで「言えないけれど、言えないなりにも動き方がある」という希望も見出せる。
    どんな形であれ「対話」は政治(他者との擦り合わせ、折り合い)には必要不可欠で、その方法を「言う」「言わない」という文脈から抜け出して考えていく柔軟性を身につけられる一冊だと感じた。最後の章、「戦争の対義語は平和ではなく対話である」という一節はずっと忘れないでいたい。

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    2025年02月03日
  • 半径5メートルのフェイク論「これ、全部フェイクです」

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    日常は淡々と営まれている。ルーティンで行動する中で微かに変化する空間の肌触りを感じる。だからなのか、人は常に供給される情報の中から劇的や刺激的なものを好んでしまいがち、そこには多分に野次馬根性も見え隠れして愚痴や悪口を叩いてしまう。これが対面する井戸端会議の範疇なら許容できるが、匿名のSNS界隈に及んでしまうとそこにフェイクや捏造が混入してしまいがち、そこから陰謀論などタチの悪さが芽生えてしまう。そこを見抜く術を筆者・岡田憲治は低姿勢な言葉で紡ぎ上げていく。真面目で茶化す。その対象は権力者や常識と称される偏見や差別であり、本当のデモクラシー精神を私たちの心にそっと添えてくれる。このざわざわする信念が私たちの日常を活性させていく。

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    2025年01月18日
  • 言いたいことが言えないひとの政治学

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    特に後半の実践編を読み進めることで、そもそもの前提でゴールとしていた地点が果たして本当にゴールなのか?という問いに気づけた事に驚きつつも視界がひらけた気分になれた

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    2025年01月07日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    魔界(PTA)に突如投げ出された勇者!孤軍奮闘→メンバーが好きで集まってくる辺りわくわく。
    私もこの人と一緒に!という思いでPTAの後継組織に参加しているので、共感した。
    組織を支える人へのあたたかい眼差しと鋭い観察眼が素敵。

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    2024年11月16日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    PTAを変革した男の物語である。政治学者である筆者はPTAの会長に(半ば強制的に)任命された。そこでは当たり前の「常識」が全く通らず、理屈も何もありはしなかった。そんな中でも保護者に寄り添い、より良い組織を作ろうと駆けずり回る筆者。こんな人がいる組織に属してみたいと思わされる人柄に感服した。

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    2024年10月21日
  • 教室を生きのびる政治学

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    結局のところ、言葉を使いこなせると生きやすくなるんだよなーと感じた。
    「ヤバい」「ありえん」「イラつく」とかの何にでも使えるような便利語だと細かい気持ちは伝えられないから、話し合いだって進まないし、相手に納得してもらうことも難しくなる。

    相手の気持ちを適切に言語化して寄り添うことができたら、相手も心を開いてより納得感のある道を作ることもできるだろう。
    言葉が身を助けることも多々ある。

    行き着く先はやはり「読書最強説」!

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    2024年10月16日
  • 半径5メートルのフェイク論「これ、全部フェイクです」

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    「PTAは任意団体です」「戦争の反対語は対話です」「民主主義と多数決はあまり関係がない」その他、もやもやした事象に対して明確な視点が書かれている。政治的な話になると抽象的な箇所で付いていけなくなる箇所があったが、それは私の知識経験不足から来るものか。日々の生活で政治のハテナにも目を向けて考える、自分が腑に落ちることを心掛けて行きたい

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    2024年09月25日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    面白い。タイトル通り、大学で政治学を教えている著者がPTA会長に抜擢される話。
    アカデミアの世界ともビジネスの世界とも違う不思議な空間。これまでの常識がまるで通用せず、著者は悪戦苦闘をしつつも学びながら上手くやっていく。
    PTAという特殊な環境の話だけれども、組織論、リーダーシップ論、コミュニケーション論などなどのあらゆる点で一般化できる知見がいくつもあった。
    例えば、

    ・正論を振りかざすだけでは人は説得されない。
    ・何を言うかより誰が言うかが大事。現場を知らないぽっと出の大学教授がいきなり上からものを言っても響かない。
    ・無駄な業務をスリム化したい気持ちよりも、前例を変える不安の方が大きい人はかなりいる。
    ・議論や報告の場ではなく、公園の立ち話のようにウンウン頷きあう為の場としての会議はある。
    ・間違いを指摘すると、真面目にそのやり方にこれまで取り組んできてくれた人に、「自分達は間違ったことをしてきたのだ」というメッセージとして伝わってしまい、心を閉ざされる。
    ・リーダーとオペレーター。自分の判断で決定して責任を取るのがリーダー。決められたことを間違わずにこなすのがオペレーター。日本はリーダーを育てる教育が手薄。
    ・問題をあえて放置することで秩序の安定コストを下げる、「不作為の政治」
    ・相手の求めているものを正しく把握する想像と理解が無いと分かり合えない
    ・個の能力で何かを瞬間風速的に達成できても、システムとして落とし込めないと持続しない

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    2024年09月14日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    ベルマーク廃止と思いきや、やってるママさんたちはわいわい言いながら楽しくやってるので継続の判断にしたのが印象的だった

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    2024年08月10日
  • 教室を生きのびる政治学

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    何でも自己責任と言われ、子どもの自殺者が増える社会で、政治学者の岡田氏が、今後の社会を担う中高生に、政治や民主主義をわかりやすく考えを伝え、生きていくヒントを与えている。

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    2024年01月20日
  • 教室を生きのびる政治学

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    政治 というと、自分の生活からは遠い事のように感じていました。本書を読んで、とても身近な事なのだと学ぶ事ができました。くさらず、できる範囲で出来る事をやっていこうと思えました。

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    2023年12月21日
  • 教室を生きのびる政治学

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    ネタバレ

    政治とは「権力を通じて、誰かの利益になるように他者の行動をコントロールすること」で、「選んで決める」という性質を持っている。
    議論や話し合いの目的は、「共有している部分と、別れてしまった部分の確認・記録すること」であるので、変わりうる自分を認められなかったり、論破してしまったりしては、目的から外れてしまっている。
    自分の意見を言えない理由は、①自分の経験の範囲を超えている②言い方がわからない③言えないのではなく、「言わない」などがある。それでも、言えない人にもフォロワーとして「ひたすら聞く」「記録する」「言えた人を励ます」などできることはある。
    日本では「リーダー」と「上司/キャプテン」の区別はないため、「リーダー」がただの責任者として忌み嫌われてしまう。「トップ」ではなく「仕事の種類」としての
    リーダーにとらえなおすことが必要で、「自分たちの状況を理解し、選択肢を考え、選択の結果とコストを提示し、どれを選ぶのか尋ねる」というタスクを言葉を使って表現する機能が求められる。
    「自己責任」が問題になるのは、「自由に選択できた場合」のみで、そうでない場合には、問う必要も意味もない。

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    2023年12月03日
  • 教室を生きのびる政治学

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    学生は教室という空間こそ世界であると思いがちで、ここでうまく平穏を勝ち取ろうと処世術を学んでいき日常をやり過ごす。そこから脱落or排斥された者を自己責任だとレッテルを貼って周りが看過してしまう事態はとても悲しい。もちろんその教室は世界の全てではないし、自己責任という優しさの放棄も許しがたい。不平等は無くならないけど、やり直しはいくらでもできる。私たちは完璧ではなく、幾度も人に迷惑をかけてしまうのだから、人に迷惑をかけられても許せるようになればいい。そこに民主制は芽生えてくる。可視化できない心の機微に政治の良さがある。世間での政治に言葉は大切だが、フリップや連呼するワードは発信側の責任の軽さにも通じる。そこに機微はあるのか私は訝しむ。

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    2023年11月12日
  • デモクラシーは、仁義である

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    理不尽や不平等を感じながら尊厳や人権を理念として掲げる民主主義は、時折圧力や嫌がらせを受けながらも信念を曲げない意気込みならまだいいが、少しでも意見が合わない同志を駆逐しようとする内ゲバのようになると、己も崩壊する孤立へと陥ってしまう。本来の民主主義を理解するならば、世間は多様な意志があって当然であり、ひとつの理想しかない社会は全体主義となんら変わらないのだ。"理想" ではなく "どうしても失いたくないもの" そこに筆者が語る民主主義の核心がある。この帰着に至極賛同する。

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    2023年03月01日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    稀有で、エモい。エッセイの豊穣さを感じた。

    ここに書かれていることはPTAに限らず(会社さえも)似たような事は起きていて、色々と応用が利きそうな気がする。日本社会に存在する様々な組織への処方として、汎用性は相当高いんじゃないかと思った。

    あと仕事できない底辺社員・オペレーターとしては、"既得権益層"であった専業主婦層のことが気にかかったりもした。改革は現場を置き去りにしがちなので。(専業主婦の人達は俺と違って凄いオペレーションをしてるだろうし"底辺"なんかではないけど)

    コロナ禍で全てがひっくり返る最終章も凄まじい。その渦中での素晴らしい取り組みには驚嘆したが、ホットイシューを描いた文章として純粋に引き込まれたし、将来的に史料的価値も高いものになる様な気がする。

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    2025年08月02日
  • 言葉が足りないとサルになる――現代ニッポンと言語力

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    ひとつの事実に対して人それぞれの真実が宿る。マスメディアによって踊らされる情報は受け手側の真実へと洗脳する。それほどメディアの力は強く、私たちが峻別するリテラシーの熟練度は学校教育にまで遡る。"真実はいつもひとつ" と豪語するコナン少年はホラ吹きの第一人者であり、初めの関門としてここから現実を見定める鍛練を必要とする。テストに出る言葉だけを鵜呑みにするのではなく、言葉を出来うる限り漫遊することが大切であり、見誤っても良いから発声すると知らなかった世界を体感できる。自らの言葉を己の耳で聞くとわかる瞬間に出会う。そこで知ることがその人の真実なのだ。あらかじめ梱包された真実(もどき)はすぐに飽きる。それが消費社会の真実に気付く。世界はそんな小さな範疇ではないし、言葉は複雑に絡み合っている。"ウケる" "ヤバい" で終えると世界も終わる。

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    2022年05月15日
  • なぜリベラルは敗け続けるのか

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    利権優先の思考が肌に合わない、教育・福祉・人権の平等を訴えて弱き立場の人々との助け合いを求めるならば、現在の社会を望む境地へどうすれば近づけるのか。政治を理念を貫く手法でなく、泥臭いゼニカネの話で運営しようではないかと説く。飯食うのだからカッコつけないで徒党を組む、"持続可能" は "自然に優しい" 以前に "人間に優しく" なければ持続できない。"そうじゃない" と反論すれば、その優しくない理念は、人の心に届かない故に空論へと陥る。誰も助けようとしてないもん、あなたが忌み嫌う "分断" を煽ってどうするの。リベラル諸氏ここで歯止めをかけられるか。変わるのは社会ではなく、まず私たちからなのだ。

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    2022年04月30日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    タイトルからは、政治学者がその知見からPTAを改革する!という話かと思ったら、思ったよりそうではなく、自治というものに対しての正論vs人間、という構図の話であった。常に作者が反省、反省を繰り返しながら、少しずつPTAは変わっていく…が、新たな課題の出現による再反省や、なくすべきと思っていたものの意外な存続意義、そしてコロナウイルス…という、各ステージごとに課題、悩みが巻き起こってとてもおもしろかった。

    特に、従来PTAをやっていた方への敬意、という点は、組織があくまでも人間の善意で運営されている、ということを痛切に感じさせるし、正論だけでは渡れない世の中の構図が見える。

    自分としてとても共感できるのは、自分が参加していた地元の町内会や青年会といった非営利的な活動に関して、少なからず同様の構図が見られたからだ。その場合重要な、最後に書いてある自治のための不文律を意識しながら今後の活動を行いたいと思った。

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    2025年04月30日
  • なぜリベラルは敗け続けるのか

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    これは身につまされる1冊だったなぁ。

    選挙の際にどんな理由であれ投票しないという行動が結果的に与党にとってプラスに働く、そっかぁ。

    ある種の高潔さ(ナイーブさ)に魅力を感じてはいるがそこに縛られることで物事が前に進まずに、数の理論で押しきられることが果たして望んでいる未来に繋がるのか、それならば最終的に目指すところは同じでなくてもまずはそれを達成できる土台(仲間)作りをして、力を持った状態でいる事。
    いきなり正解だけを連発することはできないだろう。育つのを待つ必要だってあるはず。それでもたぶん組織や権力は硬直し腐敗への道に寄っていきやすいもの。そうなった時に自浄できなければ、またその時点での自分の政治的スタンスを考えながら進めばいい。

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    2021年02月06日