岡田憲治のレビュー一覧

  • 教室を生きのびる政治学

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    政治 というと、自分の生活からは遠い事のように感じていました。本書を読んで、とても身近な事なのだと学ぶ事ができました。くさらず、できる範囲で出来る事をやっていこうと思えました。

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    2023年12月21日
  • 教室を生きのびる政治学

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    ネタバレ

    政治とは「権力を通じて、誰かの利益になるように他者の行動をコントロールすること」で、「選んで決める」という性質を持っている。
    議論や話し合いの目的は、「共有している部分と、別れてしまった部分の確認・記録すること」であるので、変わりうる自分を認められなかったり、論破してしまったりしては、目的から外れてしまっている。
    自分の意見を言えない理由は、①自分の経験の範囲を超えている②言い方がわからない③言えないのではなく、「言わない」などがある。それでも、言えない人にもフォロワーとして「ひたすら聞く」「記録する」「言えた人を励ます」などできることはある。
    日本では「リーダー」と「上司/キャプテン」の区別

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    2023年12月03日
  • 教室を生きのびる政治学

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    学生は教室という空間こそ世界であると思いがちで、ここでうまく平穏を勝ち取ろうと処世術を学んでいき日常をやり過ごす。そこから脱落or排斥された者を自己責任だとレッテルを貼って周りが看過してしまう事態はとても悲しい。もちろんその教室は世界の全てではないし、自己責任という優しさの放棄も許しがたい。不平等は無くならないけど、やり直しはいくらでもできる。私たちは完璧ではなく、幾度も人に迷惑をかけてしまうのだから、人に迷惑をかけられても許せるようになればいい。そこに民主制は芽生えてくる。可視化できない心の機微に政治の良さがある。世間での政治に言葉は大切だが、フリップや連呼するワードは発信側の責任の軽さにも

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    2023年11月12日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    面白かった。都会のptaって大所帯だから難しいとこもあるんだな。でも、いろんな組織に通じる考え方あり

    学び
    そもそも奥様方に民主主義的な考え方を広めるために立ち上がった
    目的は見失わないように問い続けよう
    人の力を信じる、そのためには話をする、しやすい環境を作る事

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    2023年07月29日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    タイトル通りの内容で読みやすいというか軽妙な語りで著されているのですが非常に考えさせられた。PTAや学校についてもそうだし、PTAを舞台に象徴的に語られている日本社会のあらゆる場所で起こっていることやその中での自分たちの振る舞いについて。民主主義について考えるというのは仕組みや理想的なあるべき像・原則論を押し付けることではなく、それぞれの立場を想像し受け止め調整することだなと。印象的だった重要キーワードは「不安」。この感覚や感情を抜きにしては物事はなかなか進んでいきにくい。PTAに限らず地域活動に関わる人はぜひご一読を。

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    2023年03月13日
  • デモクラシーは、仁義である

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    理不尽や不平等を感じながら尊厳や人権を理念として掲げる民主主義は、時折圧力や嫌がらせを受けながらも信念を曲げない意気込みならまだいいが、少しでも意見が合わない同志を駆逐しようとする内ゲバのようになると、己も崩壊する孤立へと陥ってしまう。本来の民主主義を理解するならば、世間は多様な意志があって当然であり、ひとつの理想しかない社会は全体主義となんら変わらないのだ。"理想" ではなく "どうしても失いたくないもの" そこに筆者が語る民主主義の核心がある。この帰着に至極賛同する。

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    2023年03月01日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    学者さんで大学の先生の文章なのに洒脱というか、軽妙でユーモアがあって、でも下品でもないしちょうどいいんですよね。「肺呼吸してるだけでいい」とか。最初ライターさんが書いたのか思いました。高橋秀実みたいと言ってる方いましたがまさに。

    この本を読んでママさんたちがいかに犠牲になってたか痛感します。献身的な姿に頭が下がります。

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    2023年02月10日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    稀有で、エモい。エッセイの豊穣さを感じた。

    ここに書かれていることはPTAに限らず(会社さえも)似たような事は起きていて、色々と応用が利きそうな気がする。日本社会に存在する様々な組織への処方として、汎用性は相当高いんじゃないかと思った。

    あと仕事できない底辺社員・オペレーターとしては、"既得権益層"であった専業主婦層のことが気にかかったりもした。改革は現場を置き去りにしがちなので。(専業主婦の人達は俺と違って凄いオペレーションをしてるだろうし"底辺"なんかではないけど)

    コロナ禍で全てがひっくり返る最終章も凄まじい。その渦中での素晴らしい取り組みに

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    2025年08月02日
  • 言葉が足りないとサルになる――現代ニッポンと言語力

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    ひとつの事実に対して人それぞれの真実が宿る。マスメディアによって踊らされる情報は受け手側の真実へと洗脳する。それほどメディアの力は強く、私たちが峻別するリテラシーの熟練度は学校教育にまで遡る。"真実はいつもひとつ" と豪語するコナン少年はホラ吹きの第一人者であり、初めの関門としてここから現実を見定める鍛練を必要とする。テストに出る言葉だけを鵜呑みにするのではなく、言葉を出来うる限り漫遊することが大切であり、見誤っても良いから発声すると知らなかった世界を体感できる。自らの言葉を己の耳で聞くとわかる瞬間に出会う。そこで知ることがその人の真実なのだ。あらかじめ梱包された真実(もど

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    2022年05月15日
  • なぜリベラルは敗け続けるのか

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    利権優先の思考が肌に合わない、教育・福祉・人権の平等を訴えて弱き立場の人々との助け合いを求めるならば、現在の社会を望む境地へどうすれば近づけるのか。政治を理念を貫く手法でなく、泥臭いゼニカネの話で運営しようではないかと説く。飯食うのだからカッコつけないで徒党を組む、"持続可能" は "自然に優しい" 以前に "人間に優しく" なければ持続できない。"そうじゃない" と反論すれば、その優しくない理念は、人の心に届かない故に空論へと陥る。誰も助けようとしてないもん、あなたが忌み嫌う "分断" を煽っ

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    2022年04月30日
  • 政治学者、PTA会長になる

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    タイトルからは、政治学者がその知見からPTAを改革する!という話かと思ったら、思ったよりそうではなく、自治というものに対しての正論vs人間、という構図の話であった。常に作者が反省、反省を繰り返しながら、少しずつPTAは変わっていく…が、新たな課題の出現による再反省や、なくすべきと思っていたものの意外な存続意義、そしてコロナウイルス…という、各ステージごとに課題、悩みが巻き起こってとてもおもしろかった。

    特に、従来PTAをやっていた方への敬意、という点は、組織があくまでも人間の善意で運営されている、ということを痛切に感じさせるし、正論だけでは渡れない世の中の構図が見える。

    自分としてとても共

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    2025年04月30日
  • なぜリベラルは敗け続けるのか

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    これは身につまされる1冊だったなぁ。

    選挙の際にどんな理由であれ投票しないという行動が結果的に与党にとってプラスに働く、そっかぁ。

    ある種の高潔さ(ナイーブさ)に魅力を感じてはいるがそこに縛られることで物事が前に進まずに、数の理論で押しきられることが果たして望んでいる未来に繋がるのか、それならば最終的に目指すところは同じでなくてもまずはそれを達成できる土台(仲間)作りをして、力を持った状態でいる事。
    いきなり正解だけを連発することはできないだろう。育つのを待つ必要だってあるはず。それでもたぶん組織や権力は硬直し腐敗への道に寄っていきやすいもの。そうなった時に自浄できなければ、またその時点で

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    2021年02月06日
  • 言葉が足りないとサルになる――現代ニッポンと言語力

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    サッカー選手のパフォーマンスと言葉の関係を結びつけて論じたあたり、わかりやすくて面白かったな。なるほど、と思う。言葉にするって、実生活をふりかえってもたいへんなことで、ナチュラルなままでそんなに豊富な言葉がでるわけじゃないんだよね。訓練とか知識が必要、というかね。それをただ単にインテリの繰り言とするのではなく、言葉があってこその現実生活、スポーツのパフォーマンス、芸術の達成なのだ、というつながりが、トントントン、と入ってきて面白かった。

     全体的にやや冗長、というか著者の人がノリノリで書いたんだろうなぁというあたりもみられたけど、それはご愛敬だろうね。もっと読まれていい本だと思うけど、そのあ

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    2020年05月31日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    中高生にとって必読の書であるのはもちろん、私たち大人も読んでおくべき1冊。
    以下、印象に残ったフレーズを。

    「この世に『最低の学校』というのがあるとすれば、それは教員全員が同じ教育理念を信じ、同じ教育方法で、同じ教育目標のために授業をしている学校だと思います(独裁者が支配している国の学校はたぶんそういうものになるでしょう)。でも、そういう学校からは『よきもの』は何も生まれません。これは断言できます。」(p10:内田樹)

    「疑うというのは『排除する』とか『無視する』ということとは違います。『頭から信じる』でもなく、『頭から信じない』でもなく、信憑性をとりあえず『かっこに入れて』、ひとつひとつ

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    2020年05月14日
  • なぜリベラルは敗け続けるのか

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    すっぱりと単純化して書かれているおかげで分かりやすい。政治の世界に必要なのは満点を狙うことではなくて及第点をとることなんだと訴える。その通りなんだけど、日本人は100点でなければ0点と同じとする心性なんだよね。純粋というか気っぷがいいのかもしれないけど、粘り強さとふてぶてしさに欠けるわけだ。外交が下手なのもこのせいだね。もっと大人になれってことか。

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    2019年12月04日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    結構難しい本。これを読む中高生はすごい。
    いじめはあるけど、いじめはない。
    本当に何でもそうなんだ。ちゃんと見ないと、
    何にも見えない。

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    2019年07月19日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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     中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
     内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃん」という内容で、記憶に残った。
     内田樹の編集方針も悪くない。学校の先生方も通勤電車で、一つずつお読みになればいいのではないでしょうか。ここで、さまざまに指摘されている社会の変化の中で、教育が、それはあかんやろ、という方向を支えていることに、ギョッとなさるかもしれない。

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    2019年04月22日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    このレベルの本が一番わかりやすい。厭世的な世の中で、誰も意思決定をしない状態が続いている。日本を正常な形に戻すべきだね。その方法論は今国会で審議されている改憲論ではないことだけはわかってる。頑張れるかな、戦争も安保も知らない世代が。問われてるね。この世代の役割が。

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    2018年07月25日
  • デモクラシーは、仁義である

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    通勤の電車でちょっとずつ読み進めること、三度。
    三度読むと、著者の言わんとしていることが、じわ~っと理解できる(ような気がしてきた)。噛めば噛むほど…。
    これからも繰り返し読みたい、良書。

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    2017年12月27日
  • デモクラシーは、仁義である

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    デタラメな政府に嫌悪感と諦観を感じていたところだったが、読み終わって少し元気が出た。

    平等について、選挙について、忖度のシステムについてなど知っているはずの知識や、いま何が問題で何を為すべきなのかなどを再確認できた。

    知識を消化するだけじゃなくて自分の言葉で説明できるようになるまで、何度でも読み返そうと思う。

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    2017年10月08日