岡田憲治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(2016/10/15)
中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。
小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
みな「会社員」として何とか生きている。
白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
そこにはまったら最後だな。
戦争中における「国」とは、国民でなく国体だ、と書く山崎氏。
・・まあこれは先日読んだ伊藤氏の本で、掟を破られて黙っているのはおかしい、で反論されそうだが。
中年日本にアベノミクス成長戦略は怪我をする、という想田氏。
勝手に中年になってしまったのだ。少子化を進めて。
学べます。 -
Posted by ブクログ
野党からの予算委員会の開催要求を徹底的に拒否し、国会が閉幕間近だった先週末のこと。Twitterでは採決を棄権した山本太郎議員を巡り、激しい意見の応酬。いくつかを辿ってみるだけでも『なぜリベラルは敗け続けるのか』その具体的なケースを目のあたりにして、まるでデジャブのようなふしぎな感覚をおぼえた。
みなさんひとりずつの言いたいことは間違ってない。だけど…それだけでは来月に控えた参議院選挙で勝てる気がしない。
本書にはわれわれ有権者が今度こそ敗けないためのヒントがたくさん詰まってる。
合言葉は「オトナになろう!」野党陣営の候補者本人はもちろんのこと、選挙対策の責任者だとか、支援者、ボランティアをするつもりの皆さんに何か気付きがあると思います。必読の書。 -
Posted by ブクログ
「デモクラシー」と「仁義」
意外な言葉を組み合わせたタイトルが良い。
そしてオビをみれば、「安倍さん、それは“筋”が通らねぇ」と。
思わず手に取り、裏返して見るとそこには民主主義へのダメ出し!
たしかに民主主義は出来が悪い。あなたの不満はもっともなのです、例えばこのように、と民主主義の出来の悪さを語る著者の語り口は時にユーモラスで滑らかだ(悪口で一冊本が書けるほどだし)そこまで読めば、術中にハマる。読み終える頃には、なぜデモクラシーが必要なのか?具体的にはどうすれば良いのか、読者自身が自分のこととして考え、はたと気が付く仕組みになっている。
民主主義は出来が悪くて手がかかる。でも「手がかかる子ほど可愛い」し、きっと「手をかければかけただけ応えてくれる」に違いない。大切なのは「手のかけどころ」を間違えないこと。間違えたらきちんと「訂正」することだ。 -
Posted by ブクログ
内田樹『身体に訊く』-言葉を伝えるということはどういういことか
加藤典洋『僕の夢』-中高生のための「戦後入門」
高橋源一郎『表と裏と表』-政治の言葉について考える
平川克美『人口減少社会について根源的に考えてみる』
小田嶋隆『13歳のハードワーク』
岡田憲治『空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて』
仲野徹『科学者の考え方』-生命科学からの私見
白井聡『消費社会とは何か』-「お買い物」の論理を超えて
山崎雅弘『「国を愛する」ってなんだろう?』
想田和弘『「中年の危機」にある国で生き延びるために』
鷲田清一『社会に力がついたと言えるとき』
以上11人の寄稿文
内田樹氏の以下の呼びかけに対応して書かれたもの
『刻下我が国の政治・経済・メディア・学術・教育・・・どの領域を見ても、「破綻寸前」というのがみなさんの現場の実感ではないかと思います。・・・・私たちが果たさなくてはならない最優先の仕事は「今何が起きているのか、なぜそのようなことが起きたのか、これからどう事態は推移するのか」を責任をもって語ることだと思います。』
各11編の寄稿は、それぞれとても意義ある内容だと思いました。 -
Posted by ブクログ
体験から得られる感覚の素晴らしさに興奮し没頭していた幼少期。小中学生の頃は、特別イベントがない限り地元で日々を過ごし、友達と話すにも多くの前提環境を共有して少しの言葉で話した。感覚を言葉にして共有する必要性も薄く、言葉より感覚だ!と極論に達していた日々。ごめんなさい、言葉さん...私が間違っていました。
「言葉が足りないと、サルになる」
本能がこの本を引き寄せてくれた気すらします。
導入の学生の話、他人事で笑いながら読んでいました。そして、OLにサッカーに政治。・・・まさに自分事じゃないのか??笑えなくなりました。OLの話もサッカーの話(水泳とかバスケとかグライダーとかだけど)も政治の話も、全部体験してるじゃないか。
この本を電車内で読んでいたら、広告が主張してきてびっくり。
「世界は言葉でできている」
そう、世界は言葉でできている。
そして、「たくさんの言葉が世界を変える」のですね。岡田さん。
言葉は人類に与えられた特権。
言葉を使う素晴らしさをもっともっと堪能したいとおもいます。 -
Posted by ブクログ
日本人にしかできない〜 からのリファレンス。
話が長くてウゼェと思われたり、周りを巻き込めなくてダサいと思われるの、嫌だから黙って過ごして疲れますよね。でも、抑えるのに疲れるのではなく、正反対に「何でそう思うか」お互い徹底的に知ろうとして疲れようという一冊。多分、上期トップ。
色んな例が取り上げられますが、一番端的だったのは以下のオシム監督インタビューで、サッカーしてるんだからサッカーの話をしようというもの。
「今日の試合の感想をお願いします」という、典型的な日本の記者の質問に対して、「なにをお願いするのですか。ここは教会ではないので何かをお願いするのはやめてほしい。私が何かいうのを待つのではなく、まずは記者の皆さんが考えて欲しい。私が逆に聞きたいぐらいだ。私は何が起こったか全部知っている」と答えました。 -
Posted by ブクログ
人間関係は、政治。だから政治学が活かせるのか。
自己主張は他者とのコミュニケーションにおいて、とくに現代では繊細なバランス感覚を求められる技術です。他者との関係に悩んで、言いたいことが言えない人はけして少なくありません。そんな人にこの本は「言えるものが勝ち、言えないものが負けではない」と教えてくれます。それを知るというだけでほんの1ミリだけでも、なんだか自分が変われるかもしれないという読後感を抱きました。
まずは『言いたいことが言えないひとの政治学』というタイトルの勝利と思います。『アサーティブな生活のすすめ』『伝えられるようになるコミュニケーション術』とかじゃないのがいいです。ふだん自分の意見を主張できないタイプで、「政治学」というキーワードを避けない層には刺さると思います。わたしもなんとなくタイトルを一目見ただけでハッとして、まんまと手にとってしましました。
その昔、封建的な社会において身分を超えて主張することが許されなかった時代は、主張することそのものが貴重だったと著者は語ります。大きなひとつの物語をみんなが共有し、その物語に抗うような主張をすることはとてつもなく勇気のいる行為。だから主張することそのものが偉業でした。しかし時は流れ、今は多様な生き方が認められて価値観が細分化されたため、各々が小さな輪の中で小さな物語を生きるようになりました。となりの輪から立ち上がった主張は対岸の火事にしかならず、時にはしらけられたり、冷笑されたりして、主張しただけでは世の中を変えることは難しくなっています。大きな物語に肩まで浸かった旧世代と、今を生きる世代、そのあいだの橋渡しの世代である著者が、なんとか”相手に伝えること”の現代にそぐう形を考えて、本にまとめています。
政治学者の著者が、国内および国どうしのコミュニケーションである政治を研究する中で得た知見を、日常的なケースに置き換えていて分かりやすいです。確かに外交は「言いたいことが言えない」ではうまく立ち回れないし、国家の運営に影響します(いま日本はそれができているかについてはここでは言及しません)。
言うと言わないのあいだにも世界がある。その間には広大なエリアが広がっていて、そこには多種多様な”交渉”のかたちがある、と気づかせてくれます。
言う言わないのゼロヒャクではない。それと同様に、言ったあとの成果も100%の成功を目指すでもなく、試合に負けて勝負に勝つようなやり方や、半分以上を相手に差し出すことで残りを守り切るような、さまざまなバリエーションがあることをこの本は教えてくれます。「100%の成功以外はすべて失敗」ではないというのはある種の希望です。この本を読んで思い出したのが、以前アナキズムの本で、未開地域の社会において、意見が二つに割れたとき、片方の意見を一方的に採用せずかならず間をとるという話。長期スパンで見た時に、それが一番平和な結果になるということを思い出し、ちがう2冊がわたしの頭の中でつながる喜びがありました。
100%自分の思い通りにいかないことが当たり前という前提で、ただただ実直に落とし所を探る。そんな淡々とした作業くらいに思えるかどうか、それがコミュニケーションの肝かもしれません。
後半の『実践編』では、あらゆる場面を想定した対処法を紹介しています。PTA活動での発言、子どもの教育について夫へのお願い、マンションの管理組合の長老の相手、子どもの担任の先生への不満など、実生活でよくあるシーンも紹介されるなか、「いまの政治に言いたい」や、「戦争やめてと世界に言いたい」など趣のちがったものもあり、政治学者である著者の、一筋縄ではいかない平和実現の難しさへの思いが綴られています。「戦争の対義語は平和ではなく対話である」という著者の言葉が新鮮でした。あと、あえてプーチンの立場になって考えてみることの大事さも、今まで気づかなかった視点でした。
もちろん万事がこの本のメソッドでうまく行くほど、人々の価値観や感情は単純なものではないでしょう。けど「言えるものが勝ち、言えないものが負けではない」、この言葉が今後生きるうえでのお守りになるかもしれません。 -
Posted by ブクログ
「言いたいことが言えない」という、一見、心理学的観点のテーマを政治学的観点を絡めて話が広がっていく。
政治と言えば、自分の成し遂げたいことを通すために交渉・駆け引きは欠かせない。
となると、コミュニケーションのスキルも必要となるわけだ!
本書では、どのような伝え方をすれば平和的に話が進んでいくのか、言い方の工夫やふるまいの方法が書かれている。
「こうしたら言える!」と言う強硬的なものではなく、「確かに言えないよね~」「双方に事情があるよね~」と言えない派にも優しく寄り添いつつ、今できる最大限のことって何だろう?という案を提示してくれる感じ。
また、複数の人が同じ意見を言えないとき、“言う”という行動だけではなく、言った人に対しての周りのサポートの案も納得。
言うということは勇気がいる。
だからこそ、支えてくれる人がいるだけで心強い。
きっと私は勇気を出していえる方ではないと思う。
だから、私なりのやり方でできたらいい。
その時に、この本をまた開くのだろうな。