【感想・ネタバレ】なぜリベラルは敗け続けるのかのレビュー

あらすじ

私は本書執筆で「友」を喪う覚悟を決めた──著者。リベラルで知られる政治学者が書き下ろす警世の書。いつまでも「オトナ」になれない日本の野党勢力を痛烈に批判する。 ≪著者の言葉より≫私はこれまで本を書くことで、たくさんの人たちと友人になることができました。思いを共有できるとは、本当にうれしいことです。「思っていたことを代弁してくれた」と言われれば、物書き冥利に尽きるというものです。しかし、今回は、ひょっとすると、これまで友人だと思っていた人たちから「さよなら」をされるかもしれません。「よく言ってくれた」ではなく、「そんな人だと思わなかった」という言葉が返ってくるかもしれません。でも私はこの本を書きました。見たいものだけを見て安心し、もう決めてしまったことを再確認することを続けていても、これ以上に友人を増やすこともできませんし、それでは世界は変わらないと思ったからです。友を失い、そしてまた新しき友を得るための「安心しにくい」答えと、それを導くきっかけを、身もだえしながらこれから示そうと思います。(「はしがき」を再編集)

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Posted by ブクログ

野党からの予算委員会の開催要求を徹底的に拒否し、国会が閉幕間近だった先週末のこと。Twitterでは採決を棄権した山本太郎議員を巡り、激しい意見の応酬。いくつかを辿ってみるだけでも『なぜリベラルは敗け続けるのか』その具体的なケースを目のあたりにして、まるでデジャブのようなふしぎな感覚をおぼえた。
なさんひとりずつの言いたいことは間違ってない。だけど…それだけでは来月に控えた参議院選挙で勝てる気がしない。
本書にはわれわれ有権者が今度こそ敗けないためのヒントがたくさん詰まってる。
合言葉は「オトナになろう!」野党陣営の候補者本人はもちろんのこと、選挙対策の責任者だとか、支援者、ボランティアをするつもりの皆さんに何か気付きがあると思います。必読の書。

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2019年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

政治において最も重要なことは、腹を割ってなんでも話せる「愛すべき友人」を増やすことではなく、自分たちの生活や人生に影響を与える問題の優先順位を決める時に協力し合える「政治における友人」を増やすこと。

政治において、自分の「気持ち」など二の次。

丸山眞男
「政治家は時間の制約の中、わからないことがあるままでもある段階で「エイヤッ」と物事を決め(行動し)なくてはならない。」

「正しいことを正しく伝えれば、、それはまともな者達には必ず伝わるはず」は人間の現実を無視した物言い。
「今、身体から感じる不条理、切なさ、納得のいかなさ」に依拠して、「それは私も同じだよ」とお呼びかける以外に連帯する方法はない。

目標のために、どこまで自分のこだわりを捨てることができるか。どこまで実利を目指せるか。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

利権優先の思考が肌に合わない、教育・福祉・人権の平等を訴えて弱き立場の人々との助け合いを求めるならば、現在の社会を望む境地へどうすれば近づけるのか。政治を理念を貫く手法でなく、泥臭いゼニカネの話で運営しようではないかと説く。飯食うのだからカッコつけないで徒党を組む、"持続可能" は "自然に優しい" 以前に "人間に優しく" なければ持続できない。"そうじゃない" と反論すれば、その優しくない理念は、人の心に届かない故に空論へと陥る。誰も助けようとしてないもん、あなたが忌み嫌う "分断" を煽ってどうするの。リベラル諸氏ここで歯止めをかけられるか。変わるのは社会ではなく、まず私たちからなのだ。

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2022年04月30日

Posted by ブクログ

これは身につまされる1冊だったなぁ。

選挙の際にどんな理由であれ投票しないという行動が結果的に与党にとってプラスに働く、そっかぁ。

ある種の高潔さ(ナイーブさ)に魅力を感じてはいるがそこに縛られることで物事が前に進まずに、数の理論で押しきられることが果たして望んでいる未来に繋がるのか、それならば最終的に目指すところは同じでなくてもまずはそれを達成できる土台(仲間)作りをして、力を持った状態でいる事。
いきなり正解だけを連発することはできないだろう。育つのを待つ必要だってあるはず。それでもたぶん組織や権力は硬直し腐敗への道に寄っていきやすいもの。そうなった時に自浄できなければ、またその時点での自分の政治的スタンスを考えながら進めばいい。

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2021年02月06日

Posted by ブクログ

すっぱりと単純化して書かれているおかげで分かりやすい。政治の世界に必要なのは満点を狙うことではなくて及第点をとることなんだと訴える。その通りなんだけど、日本人は100点でなければ0点と同じとする心性なんだよね。純粋というか気っぷがいいのかもしれないけど、粘り強さとふてぶてしさに欠けるわけだ。外交が下手なのもこのせいだね。もっと大人になれってことか。

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2019年12月04日

Posted by ブクログ

衆院選がある今年読まれるべきタイムリーな一冊。朝日新聞のオピニオン記事で、かねてからリベラル勢に募っていた思いがほぼそのまま述べられていて、本書も是非読んでみたいということになった。
わずか2年とはいえ時間が空いてしまったことと、現状総裁選の前に書かれたことで文脈が先鋭化してるせいもあってか短いながらも記事の方が伝わったように思う。
本書で述べられているのは結局考えの違いを述べるのは上から目線ではなく相手のことも慮って言葉を選ぶべきだということと、選挙に票を投じないのはそのまま多数派へのメリットを与えるだけだとする、それほど目新しくないオピニオンで終始してしまった。
生地のテイストはそのままなれどそれを薄く引き伸ばして経験的なエピソードを入れ込んだぐらいのもので少々残念。

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2021年09月14日

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