あらすじ
うっかり踏み込んだ先は「魔界」だった…理論も“ご高説"も役立たず!?実践・街場の民主主義1000日の記録
小学生の保護者たちの胸をざわつかせる「PTA」の存在。そんな場所にうっかり義憤に駆られて、政治学者が踏み込んだら……?政治学の思考のフィルターを通して、PTAを見てみたら浮かび上がってきた、「スリム化」を阻むものの正体、「やめよう!
」が言えない大人たち、「廃止」が必ずしもベストではない事情…。そして、コロナで学校が閉ざされた時、PTAが果たした役割とは?
今の時代に合うPTAの形とは、続ける意味とは何か?身近な自治の場「PTA」での著者の1000日を通じて考える、私たちの「自治」の話。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
積読チャンネルから。
今年から子供が小学生に上がるので、得体の知れないPTAというものを知りたいのと、PTAの負の慣習改革に励んだ筆者の奮闘劇に興味を抱いて手に取った。
皆んなが思っている、めんどくさい意味のない仕事なんてやめちまえ!という事柄だって、過去から何十年も続けている背景を理解し、先人達への理解と感謝を忘れては、改革はうまく行かないのだということが良くわかった。
PTAだって、町内会だって、会社の謎文化だって、元々は何かの背景や目的があって運営されているのだ。PTAに興味がない、関わりがない、という人にもおススメできる一冊。
Posted by ブクログ
YouTubeの「積読チャンネル」で知り、
これまでPTAには良い印象は持っておらず(業務が大変そう、人間関係がドロドロしてそう)、娘が小学校に入ってもあまり関わりたくないな〜と思っていたが、ちょっと覗いてみたい気持ちもあって本書を読んでみた。
著者の岡田さんは、最初は半ば強引にPTA会長にされたものの、目の前の苦しんでいる役員のためにPTAの改革を進めようと尽力される。
しかし、合理的と思われる改革は、役員にあまり受け入れてもらえない。
うわべでは「生産性が無く、親を無駄に拘束してしまっている」と著者が感じる活動は、実のところ、親同士が交流するきっかけになっていて、いい息抜きになっていたりする。
なるほど、活動が行われ続けているのには、それなりに理由があるんだな、と気づいた。
白黒はっきりつけることが、必ずしも正しいことではないんだと思わされた。
PTAの立ち位置や基本姿勢が分かったらので、怖さはあまりなくなったかな。
私はママ友が皆無なので、小学校とのつながりを持ちたいと感じたときにはPTA活動が助けになってくれるかもな〜とポジティブに思えるようになった。
Posted by ブクログ
これから参加するであろうPTAの実態を知りたいと思い、読んだ。PTAの実態については概ね、想像通り。ただ、著者が、結構反省した部分を記述しているので面白く読むこともできた。
組織の参加は任意なのに、なぜか強制のようになっている
いてほしい、いるべきという理由で参加する会
お茶くみなどセルフにすればいいのにわざわざやらせる
などの内容は日本組織であればありそうなお話。
著者が政治学者なので、時折専門家らしさをのぞかせつつ、PTAの会長を務めた3年間で何をどう変えたかを書いているが、あまりにも体質が古くてびっくりする。一緒にいた人の目線(変えてもらって有り難いと思う側)で読んでしまった。ワーキングマザーやファザーにはおおよそ無理な作業量。
コロナ禍での対応は、本文からも大変さが多少伝わってくるが、これまでの色々があってのコロナ。本にあるよりはずっと精神的にも堪えたのでは、と想像する。
Posted by ブクログ
読みやすい文体ですらすら読めた。
PTAとは任意団体であくまでボランティアであること。利益最大化が目的でない活動に対して非効率、非生産ということがナンセンスであること。
効率主義の蔓延る社会に生きる中でハッとさせられた
Posted by ブクログ
とある本で社会の成り立ちのような硬い話を読んでいたときに著者岡田憲治さんとこの本のことを知り、購入。PTAに触ったこともない自分にはあまり関係ないなと気軽に読み始めたけれど、べらんめえ口調で書かれた面白さと、その経験談からは仕事に還元できる視点が盛り沢山。いまはどの企業にもいるワーキングママたちの目線の一部を知れたこと。また企業はPTAのようなボランティア団体ではないとは言え、アルバイトのグループの行動特性はPTAの例として書かれている行動特性に似ているということ。変革しようと乗り込んだPTAで奮闘し、本質を大切にしながらも方法論でトライアンドエラーを繰り返し気づきを重ねていく話は企業で人を管理する立場の人間でしたら一読の価値ありです。面白かった。
Posted by ブクログ
やっと読めた。
「PTAに入会することを拒否している世帯の子に記念の紅白饅頭は配らなくて良いか」を真面目に議論したり、会合が5時間かかって文字起こししていたり、みんな憂鬱だったお月見会を防災会に発展的解消したり、ポイント制があったりベルマークやったり、色々面白すぎて抱腹絶倒だった。岡田さんのユーモア溢れる記述から浮かび上がる、日本の民主主義の根本的問題、ルールを作れない、変えられないというところにもしっかり表現が行き届いていて、あっという間に読み終わってしまった。最高すぎる!
Posted by ブクログ
YouTubeの積読チャンネルで紹介されていて読んだ本。
「そんなの自分で判断して決めればいいじゃん」という著者と、自分で判断して決めていくことが不安で前例踏襲しようとする他のPTA役員の葛藤が生々しく描かれてていて、仕事の課題を考える際の新たな知見になった。
Posted by ブクログ
周りの大人たちが「PTA、PTA…」と話しているのは聞いていたけど、誰がどこで何をしているのかが全く分からない。子供時代の自分にとってPTAは地下組織みたいな存在だった。
そこから成長してひとつ知ったのは、ポジティブな意見を聞かないということ。「ただでさえ仕事・家事・育児で忙しいのに、更に仕事を増やせってか!?」子供を持つ身でなくてもそれくらいの叫びは想像できる。
著者が飛び込んだPTAもまたとんでもない「魔界」で、その実態に自分もビビり倒していた。
だが「魔界」であると同時に、色々と摩擦が絶えない「人間社会」のようにも思えた。(人間で構成されているから当然) つまり全く想像できない世界ではない。
だからPTA会長へと担ぎ上げられた著者や、言いたいことも言えないまま粛々と従っていた役員さん(=親御さん)たちの気持ちが痛いほどよく伝わってくる。改革に乗り出していく著者を役員さん同様不安になりながらも見守ってしまう。
きっと全国の親御さんたちも、彼の奮闘ぶりを読みながら「いいぞ!もっと言ってやれー!」と熱い声援を送ることだろう。
「PTAは企業でもなければ、議会でもない。生活の延長にあるボランティア活動だ」
「生活犠牲にしてPTAやっても、子供も学校も幸せになりませんよ」
本来はその名の通り「親と先生の任意団体」でもっと自由度が高いはずなのに、いつの間にか「使役化」している。もっと業務を「スリム化」し、それぞれの得意分野を活かせるエキサイティングな場にしなくては。
それが著者の言い分であり、目標でもある。しかしそこを目指すには結構な試練が待ち構えていた。専業ママに合わせたスケジューリング・20世紀から踏襲されている引き継ぎ事項・不要オブ不要な雑務の数々…
中でも著者を長く悩ませたのが「ポイント制度」だ。
これは何とPTAへの貢献度を「見える化」させるために、全国各学校で採用されているという。活動の大変さや重要度に応じてポイントが割り振られ、保護者らのインセンティブになる。
古紙回収(新聞人口が減っている昨今においてはもはや不要)やベルマークの回収(長時間の切り取り作業のわりに収益は雀の涙)といった雑務もカウントされるから、親御さんたちは参加せざるを得ない。
ポイ活目的のボランティア…。廃止するにも難しい障壁だが、実は親御さんたちにとってPTAを続ける理由にもなっている。そんな親御さんたちの事情を考慮しつつ、何とか負担を減らそうと働きかける著者。「人間社会」のモデルである。
「リーダー」は「オペレーター」ではない。みんなをまとめる以前に、みんなの意見を引き出し決断して、その結果を真っ先に受け止める人物だ。
そう著者は語っており、彼自身もそれを見事に体現していた。子供の声を聞くにはまず今を生きる親の声に耳を傾けなければいけない。その機会の場としてもPTAはあるのでは?
それはある意味、自分が知っているPTAとは全然違う。
Posted by ブクログ
リーダーは状況に合わせ、不透明な未来に対しての決断を示し、結果を真っ先に受け止める者であるのに対し、オペレーターは先行事例や計画を忠実に実行し、安定的な結果を確保するための管理人である。
とことん問い詰めて考え、読み、書き、議論してきたという政治学者の自負に対し、「言葉を受け入れる基盤のない人に伝わらない言葉を投げつける」未熟さというミスマッチ。
「やりたいからやる」というボランティアの本質は不平等であり、公平などにはつながらない。
Posted by ブクログ
タイトルから、理論を知っている専門家が現場でどんな苦労したのかな、と思いながら読みました。
気になった言葉は、「それはリーダーではない。オペレーターだ。」「人は、人の言葉を受け入れる基盤が異なると、それが聞こえない」これらは確かに混同しがちで意識したい。リーダーの評価の基準がミスの有無にならないようにすること。肝に銘じたい。
一方、明らかに意味が無さそうなベルマーク活動について、ベルマーク収集の重労働から解放しようとするのだけど、現場からの思わぬ意見から継続する事に!これは不作為の政治らしい。上からの目線だけでなく現場の声を聞く事が大事だと思わされる。
正しいマニュアルでは無く、息をつける場所だと。政治でも、おそらく会社でもマニュアル通りにとらわれないようにしたいと感じた本だった。
Posted by ブクログ
筆者と同じくPTA会長をやったがうちの学校は1年任期ということもあり一生懸命やってるうちに終わった。
とにかく先輩方のやったことをトレースしてやるべきことをやるのに精一杯だった。オカケンさんの変えなきゃという思いの強さと実行力はすごいと思う。
Posted by ブクログ
積読チャンネルから。
そもそものPTAの成り立ちは終戦後、女性たちが地域やコミュニティの運営の手法、民主主義のやり方を身につけるために、旧文部省とGHQによって導入された政策である。当時は女性の自律や社会進出のための足がかりになったようだ。
ただ時代は変わってフルタイムで働く女性も増え、PTAの活動は時代遅れのものと化していた。金曜15時から顔も知らない先生達の送別会、ほぼお金にならないベルマークの回収、運動会でのお茶汲みシフト等など。周りから「こんなPTAを変えてくれ」と懇願され、政治学者の岡田先生がPTA会長となり、周囲とバチバチやりながらPTAを少しずつ変えていく。
ただ、政治学者でも組織を変えていくことは難しい。組織には正論だけでは測れない「感情」や「習慣」があるからだ。組織を変えるためには、相手に「変化」を受け入れてもらう土台が必要である。そこで重要になるのが、正論を振りかざすことではなく、「ありがとう」という感謝をベースにしたコミニュケーションをとること。信頼という土台があって、改革は成し得ることができるのだと気付かされる。
そして、PTAに限らず、どんな組織でも腐敗してしまう要因は、組織をメンテナンスする仕組みやルールが欠如しているからだと感じた。その状況に合わせて柔軟に対応させていくことを怠り、時代遅れの本質を見失った組織となってしまう。これは会社でも同じことが言える。昔からある謎ルールや無駄な作業が跋扈し、目的を見失った「習慣」となってしまっている。少し疑問を持った人がいても、「変える」労力は何倍にも膨らんでいて大変面倒だし、同調圧力で「変えたい」とも言い出せない。
思考を停止して、与えられたことを惰性でこなすのではなく、「これは何のためにあるのか?」と常に問い続けることが物事の本質や目的を見失わないためにできることだと改めて身に沁みた。
Posted by ブクログ
PTAの内情は全然知らなかったけど、語り口調だからか楽しくスラスラ読めました。
・人は、人の言葉を受け入れる基盤が異なると、それが聞こえない。
・ボランティアは本来不平等なもの。
ボランティアにおける「一人一役」は、ボランティアで最も価値がある「見返りはいらない、ただ何かをしてあげたい」と言う気持ちを台無しにする。ここでもまた、人間の嫉妬が問題になる。一人一役、全員が負担しているのだから、していない人を見ると不快に思う。これはボランティアとは言えない。
・スリム化は贅肉をカットするだけではない、大事なところは筋肉を付ける。その通りだなぁ。
・任意団体なのに強制と義務があるのって面白いね
・「PTA思い出そう十のこと」は心に刻みたい
Posted by ブクログ
まだ見ぬPTAの世界を口語調の本音を交えわかりやすく語り、時にはさすが政治学者!という分析を挟んでくるので、飽きずに読めました。
世の中の大半のPTAはこの本のような前向きなケミストリーは起きてなく、闇が深いなぁと思いました。
Posted by ブクログ
もちろん興味を抱いたから紐解いたわけだが、これは全てのPTA組織に当てはまることではないと先ず承知しておかなければならない。東京特別区の中の600世帯以上を抱える1小学校区の中の1人のPTA会長奮戦記に過ぎない。そうであるけれども、専修大学法学部政治学教授の2018年から2020年までの3年間のレポートが、専門家だけにきちんと言語化されて、町内会や労働組合その他凡ゆる自治組織の原則と、幾つかの問題点を炙り出したように思えた。
岡田さんは退任にあたって、PTA10原則(PTA「思い出そう、十のこと」)を残した。曰く。
1、PTAは、自発的に作られた「任意団体」です。強制があってはなりません。
2、PTAは、加入していない家庭の子供を差別しません。企業ではないからです。
3、PTAに人が集まらないなら、集まった人たちでできることをするだけです。
4、PTAがするのは、「労働」ではありません。対価のないボランティア「活動」です。
5、PTAのボランティア活動は、もともと不平等なものです。でも「幸福な不平等」です。
6、PTA活動は、ダメ出しをされません。評価はたった一つ「ありがとう」です。
7、PTA活動は、生活の延長にあります。家庭を犠牲にする必要はありません。
8、PTA活動は、あまり頑張り過ぎてはいけません。前例となって「労働」を増やします。
9、PTAは、学校を応援しますが指導はされません。学校と保護者は対等です。
10、PTAの義務は一つだけです。「何のためのPTA?」と考え続けることです。
この中の8-9割は全国のPTAだけでなく、町内会、労働組合にも当てはまることだろうと思える。
反対にいえば、当てはまらない1-2割の中に、その組織の大きな特徴と最も困難な部分が隠されているのかも知れない。
例えば、「集まった人で、できる事をする」ならば「誰も集まりゃしませんよ」という声が聞こえるようだ。または役員になったものの「こんな大変な目に遭って不平等だ」という怨嗟も聞こえるかもしれない。岡田さんは「もともと不平等なものです。でも「幸福な不平等」です」という。ボランティアとは、そもそもそういうものであるからだ。だから、参加しやすい条件を作り、無駄な会議企画や無理な時間帯や条件は取り除いた。「うちの役員決めは無作為抽出アプリ使って、まず懇親会やってハードル下げて、グループトークやって心をほぐして、活動のスリム化と本業優先を強調して、その日のうちに全員立候補で決まる」んだそうだ。
そのまま当てはまらないけど、いろんなヒントを貰えた。
Posted by ブクログ
魔界ですね…知らない世界ですが読んでいてかなり楽しめました!
おかしいところをおかしいと言えない…そんな組合はきっとたくさんあるんだろうなぁ…
Posted by ブクログ
魔界(PTA)に突如投げ出された勇者!孤軍奮闘→メンバーが好きで集まってくる辺りわくわく。
私もこの人と一緒に!という思いでPTAの後継組織に参加しているので、共感した。
組織を支える人へのあたたかい眼差しと鋭い観察眼が素敵。
Posted by ブクログ
PTAを変革した男の物語である。政治学者である筆者はPTAの会長に(半ば強制的に)任命された。そこでは当たり前の「常識」が全く通らず、理屈も何もありはしなかった。そんな中でも保護者に寄り添い、より良い組織を作ろうと駆けずり回る筆者。こんな人がいる組織に属してみたいと思わされる人柄に感服した。
Posted by ブクログ
面白い。タイトル通り、大学で政治学を教えている著者がPTA会長に抜擢される話。
アカデミアの世界ともビジネスの世界とも違う不思議な空間。これまでの常識がまるで通用せず、著者は悪戦苦闘をしつつも学びながら上手くやっていく。
PTAという特殊な環境の話だけれども、組織論、リーダーシップ論、コミュニケーション論などなどのあらゆる点で一般化できる知見がいくつもあった。
例えば、
・正論を振りかざすだけでは人は説得されない。
・何を言うかより誰が言うかが大事。現場を知らないぽっと出の大学教授がいきなり上からものを言っても響かない。
・無駄な業務をスリム化したい気持ちよりも、前例を変える不安の方が大きい人はかなりいる。
・議論や報告の場ではなく、公園の立ち話のようにウンウン頷きあう為の場としての会議はある。
・間違いを指摘すると、真面目にそのやり方にこれまで取り組んできてくれた人に、「自分達は間違ったことをしてきたのだ」というメッセージとして伝わってしまい、心を閉ざされる。
・リーダーとオペレーター。自分の判断で決定して責任を取るのがリーダー。決められたことを間違わずにこなすのがオペレーター。日本はリーダーを育てる教育が手薄。
・問題をあえて放置することで秩序の安定コストを下げる、「不作為の政治」
・相手の求めているものを正しく把握する想像と理解が無いと分かり合えない
・個の能力で何かを瞬間風速的に達成できても、システムとして落とし込めないと持続しない
Posted by ブクログ
政治学者がPTA会長になって、ベルマーク、地域の会合など無駄なものを辞めようと正論をかますものの、歴史的経緯や参加者のそもそもは善良な思いを考慮しないで行ったためすれ違いが多かった話。
Posted by ブクログ
小学校教員の身からすると、本当に申し訳ない限り。
はじめの方にある教員の書かれ方(総会中の虚無っぷりとか)が、リアルすぎて…でも読み進めていくと教員の、本当に手が回らない(回せない)実情が浮き彫りになっていって…
…電話回線2つが当たり前だと思ってた。世間でうんざりするほど言われる教員の社会経験の無さは、あぁ本当にそうなんだな、と
私含め先生方、本当に余裕がないし、時間がない。そんな中でも、時間が取れる年度始めに、この本を読めてよかったと思う。勤務校でもするべきところはスリム化を進めていきたいし、少なくとも親御さんに寄り添っていきたい。
もう職員室に置きたいというか、校長先生に読んでほしいな…
Posted by ブクログ
稀有で、エモい。エッセイの豊穣さを感じた。
ここに書かれていることはPTAに限らず(会社さえも)似たような事は起きていて、色々と応用が利きそうな気がする。日本社会に存在する様々な組織への処方として、汎用性は相当高いんじゃないかと思った。
あと仕事できない底辺社員・オペレーターとしては、"既得権益層"であった専業主婦層のことが気にかかったりもした。改革は現場を置き去りにしがちなので。(専業主婦の人達は俺と違って凄いオペレーションをしてるだろうし"底辺"なんかではないけど)
コロナ禍で全てがひっくり返る最終章も凄まじい。その渦中での素晴らしい取り組みには驚嘆したが、ホットイシューを描いた文章として純粋に引き込まれたし、将来的に史料的価値も高いものになる様な気がする。
Posted by ブクログ
タイトルからは、政治学者がその知見からPTAを改革する!という話かと思ったら、思ったよりそうではなく、自治というものに対しての正論vs人間、という構図の話であった。常に作者が反省、反省を繰り返しながら、少しずつPTAは変わっていく…が、新たな課題の出現による再反省や、なくすべきと思っていたものの意外な存続意義、そしてコロナウイルス…という、各ステージごとに課題、悩みが巻き起こってとてもおもしろかった。
特に、従来PTAをやっていた方への敬意、という点は、組織があくまでも人間の善意で運営されている、ということを痛切に感じさせるし、正論だけでは渡れない世の中の構図が見える。
自分としてとても共感できるのは、自分が参加していた地元の町内会や青年会といった非営利的な活動に関して、少なからず同様の構図が見られたからだ。その場合重要な、最後に書いてある自治のための不文律を意識しながら今後の活動を行いたいと思った。
Posted by ブクログ
規模は違うけど、マンションの管理組合長させられた経験からも大変だったろうなと思う。楽しまれてたようですけど。副会長にも恵まれたようで、いいチームだったんですね。「ptaはボランティア ボランティアは不平等 それは幸福な不平等 評価はありがとう」。
Posted by ブクログ
政治学者が公立小学校でPTA会長をした3年間の話。
PTA活動はできれば避けたいと言う類の面倒事という印象。
自分が子供の時に新学期に母親が保護者会に出席した時や、自分の子供が小学校に通っていたときに感じていたクラス役員などを決めたりする重苦しい雰囲気はなんとなくわかっているので、想像しやすかった。
感想として、PTA活動は児童のことだけではなく、町内会や地域のコミニティーとの連携も重要といことは、自分の想像では思いつかなかい視点だった。
Posted by ブクログ
表題から面白そうと読み始めたが、政治学者の立場でPTA内に起こった事象に対応したという話ではなかった。
自分が縁のない世界だからか、筆者との温度差なのか共感は薄かった。ただ、組織内でのリーダーとは?という考え方は、企業でも通じるものがあると思った。
Posted by ブクログ
政治学者であり大学で教授をしている著者が、それまで未知の世界であったPTAの世界に突然入り、会長を務めた3年間の話。
「PTAの話は政治で言えば自治の話だ」と政治学者が捉えていても、これまでの常識が通用しない世界で失敗と反省を繰り返す過程が書かれていて、他の組織の運営でもポイントになってくる気づきが多かった。
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・先人たちが積み上げてきたものを、効率だけを求めて切り捨ててしまうことは危険だ(その行動の裏に隠れたニーズがあることがある)し、先人たちへの敬意を忘れないようにしないと支持が得られにくい
例えば、ベルマークを切って貼って、という労働時間に見合わない報酬しか入らない作業は、専業主婦にとって夫の愚痴を言い合う重要な時間。古紙回収は「下の子が小さくて普段PTA活動に参加できなくてごめんなさい」という気持ちがのっているので、これがなくなったらその気持ちをどうしたらいいの、という人がいる、など。
・自分のリーダーシップやその他能力頼みの強行突破は、未来の「あの代は〇〇さんがいたからできたことだよね」に繋がるため危険
・リーダーがグイグイタイプの場合、2番手や周りに冷静な判断ができる人材がいると、スムーズに回せる
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本書のことは積読チャンネルで取り上げられていて知り、自分も地域の育児サークルという、任意団体という点ではPTAに近しい組織の運営に3年間関わって悩みも尽きなかったので、何が正しかったのだろう?と答え合わせをしたくなったのと、いずれ子どもが小学生になったらPTAも身近な話になるので、勉強する気持ちで向き合った。(面白そうすぎて積読チャンネルは我慢し先に現物を手に取った)
結果、答えはないが、任意団体って難しいな…という、読む前と変わらない、いや、寧ろ読む前よりもそう思うようになったかもしれない。
本書序盤に出てくる「組織維持の自己目的化」の話や、隣の学校のPTA会長に言われた「岡田さんは、PTAを壊そうとなさっているんですか?」からの1ページ分の著者の心情の羅列(皆が大変な思いでやっていることがあるのであれば、任意団体なのだから、できるだけスリム化するために、(オペレーターではなく)リーダーシップを発揮して、そうしたら効率化できて、それがいいに決まっているじゃない、といったような内容)が、まるまる自分が考えていたことと同じで、そしてうまく歯車が噛み合わなかったところも同じで、恥ずかしくて苦しくなった。
だんだんメンバーも自分で動けるようになりいい感じにPTAが回るようになってきたときに、スリム化について、「無駄な贅肉はカットして、必要な筋肉をつけるということ」と言語化してみたところがとても納得感があった。
もう一つスリム化で難しいこととして挙げられていたのが、「PTAは企業ではないので、利益を出すとか結果を出すということではない」と謳っているのに、「無駄だ」を強調すると、「結局効率が悪いというコストパフォーマンスの話になりますよね?」となり自己矛盾に陥るということ。確かに。
会長2年目以降、自ら立候補した人たちとPTAを構成するようになり、「嫌々ながらやっている人たちと『別にやらなきゃ死ぬってわけでも全然ないこと』を一緒にやる羽目になる苦しみ」から解放されたという話も頷き続けた。
自分も何かを決める時に何がなんでも抽選やジャンケンではなく立候補で募集したいと思っているけれど、みんながそれに協力してくれるとは限らないよね。
これから自分もPTAや町内の役割を担うタイミングもあると思うが、何でもかんでも効率化、電子化、と張り切る前に、昔からいる人とのコミュニケーション、情報交換を疎かにしてはいけないといつことを覚えておきたい。
学生時代は先輩は引退していなくなるし、ビジネスは利益第一なので全然違う。色々やってきたつもりでいたが、大人の世界でのやりくりはまだまだ奥深くて、これはもしや苦手分野なのかもしれないないと、薄々感じていたことに判を押された気がする。
Posted by ブクログ
PTA会長として、PTAの活動に深く踏み込んだ人の、驚愕と後悔と感動の、心の声が詰まっています。というか溢れています。
PTAという組織が、法的•学問的にはどのようなものか、どのように活動をするべきか、著者の見解(というか発想)が述べられつつ、著者にとってはナチュラルなその発想は、尽く現実の逆を張ります。
たくさんの「は??」と「なんで???」を抱えながら、現実が生成される原因や構造を、周りの人とのコミュニケーションによって、解き明かし、必要に応じて改善していこうと奮闘する著者の姿から、学ぶことの多い1冊でした。
Posted by ブクログ
今の個や多様性が尊重される時代の裏側では、
暗黙の了解、空気を読まないといけない、周りに配慮しないと悪者になる…。
だから意見なんて言えない状況だし、
本当は嫌だけど、
間違えることのほうが不安だから
周りに合わせたり、今までの繰り返しをしていれば無難。安心。
衝突を避けるためにあえて関わらないから
人と人との距離は昔よりだいぶ遠い。
ネットもあるから物理的にも遠い。
加えて時代の流れはものすごく早くなっているから、
いろんな年代の人が集うPTAは
お互いの価値観は理解できなくて当たり前。
さらにPTA活動に正解はないし、実態はモヤモヤとして不透明だから
懐疑的にもなるし、めんどくさいし
PTAの嫌なイメージは膨らむばかり。
これを読んで、
リーダーができる人は
本当に限られた人だなと感じた。
今の時代、オペレーターになれる人はたくさんいる。でも、リーダーになれる人は少ない。
そしてそれはPTAに限ったことではなくて、
社会全体でも言えることだった。
著者は、PTA会長として、活動を自分の決断で自分のやり方でしっかりまとめた。
私だったら違うやり方をするなと思ったけれど、
これはこれで正しかった。