あらすじ
渡る世間はフェイクばかり!?
「青少年の刑法犯罪は増加の一途」
「生活保護費の不正受給が蔓延し財政が逼迫」
「競争社会の勝敗は『自己責任』」
「不登校の主原因は子ども本人と親の育て方」
「戦争の反対語は『平和』」
これらは、全部フェイクです。
気がつけば、日本の政治や社会を考えるための基本認識に、大中小のフェイクとデマがあふれかえっています。
デタラメに対して「嘘つき!」と言っても意味がない世界が到来しているわけです。
ここで、著者・岡田憲治氏は力強く、こう述べています。
「『世界は狂っている』という大雑把で切り分けの足りないペシミズムに陥らないことが大切」
「そういうペシミズムは、私たちの社会が依然として保持している、各種の優れた政治的、社会的リーダーたちの力を引き出すことにつながらない」
「世界はこのままでよいはずがない」と考える方を本書の読者として、この世界で起こっているフェイクの問題を考えていきます。大中小のフェイクについて考えることをスイッチにして、この世界を1ミリでも改善するための言葉を共有する道を探そうと企んだ1冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何度でも言いますが、言葉というのはただの「道具」です。道具であるからには、使い方を学ばねばならないし、手入れも怠れない。その使命が終わったのなら、潔く手放す。この本には40の「フェイクな言葉」が紹介されています。手癖に塗れ、なんとなく、もともとの位置付けを忘れられた言葉たち。私たちはともすれば、考えるエネルギーを使うことを意識的にも無意識的にも忌避して、現状に甘んじてしまいます。そうやって慣れ親しんだ環境に居着くことに払うコストの大きさを、この本は示唆してくれました。各項目は独立しているので、少しずつ読み進めるのもいいですし、気になったところから始めるのもいいと思います。「よりマシ」な未来を選ぶことができるよう、考え、学び続けなければならないですね。
Posted by ブクログ
これ、フェイクでくくるかなあ。。。
世の中で常識と思われていることと、実際は違うのだ、ということを
50個のコラムで解説する良書。
フェイクじゃないだろう、、、
PTAは任意団体、辞めてもいい、ことを皆が知らないのは、フェイクじゃなくて
思い込みじゃないの?
まあ、確かに、為政者が、都合のいいように皆に思い込ませている、というのは
あるけれど、、
と、本の構成にはケチをつけたけれど、内容はいい。
特に、ヒトラーが民主主義の手続きを経てナチスを完成させたくだり。
まさにここ数日の韓国の政変、戒厳令はそれをなぞりかねないモノだった。
議会を止め、憲法を書き換え、、、これが大統領の権限でできそうだった。
国会議員が気付いて国会に入り込み、これを議決で阻止したから事なきを得たが、
もし大統領の意向が軍隊に浸透していて議員を国会にいれなければ、
韓国は大統領の独裁国家になってもおかしくなかった。
まさかナチスのようにはならないだろうが、北朝鮮との関係がどうなったか、、
なんてことを想起させる文章を書いているので、非常に良い読み物。
括りがフェイクじゃなあ、、
フェイク1 現実とは、目の前で起こっていることそのもの
フェイク2 PTAは、教育委員会や公立学校の下部組織
フェイク3 NPOは非営利団体だから利益を出してはいけない
フェイク4 スポーツ報道は、今日もスポーツの話を伝えている
フェイク5 ベースボールは依然として日本の国民的娯楽の王様
フェイク6 どんな事態にも対応できるマニュアルを活用するのがリーダー
Posted by ブクログ
当たり前のこと、ニュースで流れること、誇張されている事が多いと改めて実感させられました。一歩引いて考えることが大事ですね。統計的にも下がっているのに。
昔は些細なこともニュースにならず世の中の末端の人までは伝わらなかったことが今では調べればSNSを使えば知ることが出来る。そのために人の意見に騙されやすい気がしてます。
フェイクなのかフェイクじゃないのかしっかり見極めて世論を捉えていこうと思いました。
Posted by ブクログ
信じていたことや、額面通りに受け取ったことの中にフェイクがあることを知り、自分の無知さや平和ボケさを再認識しました。
これからはニュースを垂れ流しにするのではなく、自分の頭で考え、調べていきます。
Posted by ブクログ
「これ、全部フェイクです」
言いたいことをギュッと凝縮したキャッチーなサブタイトルと真っ赤な表紙に目を引かれ、目次にパラパラ目を通せば身近なことから世界のことまでテーマはいろいろ幅広い。著者の本を読むのは9冊目だから少しは慣れているつもりだけれど、「全部フェイク」がどこに着地するのか?と思っていたらそう来ましたか!そうですよね!
安易に着地せず、宙ぶらりんで行きましょう!
色分けなど各所に読みやすい工夫がされているのも良き。
Posted by ブクログ
2025.04.20
日々のモヤモヤしている世情について言語化してもらいありがとうございました。
というのが感想。
考え方に同意できるかどうかは全く別のテーマだと思う。
Posted by ブクログ
日常は淡々と営まれている。ルーティンで行動する中で微かに変化する空間の肌触りを感じる。だからなのか、人は常に供給される情報の中から劇的や刺激的なものを好んでしまいがち、そこには多分に野次馬根性も見え隠れして愚痴や悪口を叩いてしまう。これが対面する井戸端会議の範疇なら許容できるが、匿名のSNS界隈に及んでしまうとそこにフェイクや捏造が混入してしまいがち、そこから陰謀論などタチの悪さが芽生えてしまう。そこを見抜く術を筆者・岡田憲治は低姿勢な言葉で紡ぎ上げていく。真面目で茶化す。その対象は権力者や常識と称される偏見や差別であり、本当のデモクラシー精神を私たちの心にそっと添えてくれる。このざわざわする信念が私たちの日常を活性させていく。
Posted by ブクログ
「PTAは任意団体です」「戦争の反対語は対話です」「民主主義と多数決はあまり関係がない」その他、もやもやした事象に対して明確な視点が書かれている。政治的な話になると抽象的な箇所で付いていけなくなる箇所があったが、それは私の知識経験不足から来るものか。日々の生活で政治のハテナにも目を向けて考える、自分が腑に落ちることを心掛けて行きたい
Posted by ブクログ
政治学者であり教授でもある著者があらゆる事柄について世間で蔓延しているフェイクについて自身の知見などを交えて書いた一冊。
自身が専門とする政治はもちろんのこと、選挙や人間関係やPTA活動やスポーツに至るまで様々なことについて真実を見極めるべき情報を本書で知ることが出来ました。
不登校についての考え方や男性と女性の提出物の違い、政治学者の著者が言う民主主義の目的や教授として今の教育に必要なものなど専門家としての著者ならではの目線や指摘は参考になりました。
また、諸外国と比べて公職選挙法を軸とした日本の選挙制度の問題点や問題と課題のことばの違い、民主主義の目的や責任を取ることの本当の意味なども示唆に富むもので興味深いものだと感じました。
また政治学者としての知見として政治家を評価する基準や憲法や法律が政治家優位に解釈されているとも感じるとともに選挙に行くことによって自分の意思を政治に反映させることやヒトラーの独裁政権が生まれた事実などを知ることが出来ました。
本書を読んで情報を鵜呑みにするのではなく情報を入手して自身で考えることがフェイクに騙されないために重要なことだと感じた一冊でした。