稲村文吾のレビュー一覧

  • 悪童たち 上

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    悪童

    中国の東野圭吾と言われた作者のミステリー作品。
    夏休みを過ごす少年達のビデオカメラにたまたま写りこんでしまった殺人の様子から始まるハラハラな展開に序盤からとても引き込まれた。
    ストーリーが二転三転していき、まったくどうなるのか予想がつかず、先が気になって結果的に一日かけて一気読みしてしまった。
    まず、主人公含めてそれぞれのキャラクターがとても良く、夏の子ども達の青春も感じが後半のストーリー展開の対比にもなっていた。どんな手を使ってでも目的をやり遂げる子ども達VS殺人犯の頭脳戦の場面になっていきどちらが上回るのか最後の最後まで分からなかった。

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    2025年11月27日
  • 黄

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    ネタバレ

    始まる前に読者への挑戦があって、絶対見破ってやるぞと意気込んだのに見事に騙されました!

    まさか!
    まんまとしてやられた。

    子供時代と現代が交互に語られる形式で、ブリッジが必ず前の文と繋がりを持たせてるのが良いですね、犬は吠えないのあとに犬の鳴き声から始めるとか好きな繋ぎが大量にあります。

    メインの眼球くり抜き事件と殺人?が少し弱いけど、主人公の出自がかなり面白いのでカバーされてると感じた。
    これぞ映像化不可能なトリックですね。看板に偽りなし。

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    2025年06月02日
  • 悪童たち 下

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    ネタバレ

    ドラマ「バッドキッズ」を見た後で読んだのですが、ドラマの子供たちが基本的に「良い子」だったのに対して、原作の子供たちはかなりの悪童でした。

    そして、ドラマと原作でストーリーもかなり違いました。

    この作品、ドラマ版のストーリーがあまりに綺麗なので、あちらが主人公の作った裏のストーリーで、本当の真実は原作の物語みたいな感じで読むとめちゃくちゃ面白くて、よくできたお話だなと思います。

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    2024年12月19日
  • 悪童たち 下

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    ネタバレ

    前読んだ「検察官の遺言」も良かったけど、その前に出たこの本もめちゃめちゃ面白くて一気読み。タイトルがちょっと悪いけど、見事な華文ピカレスク小説。
    シリーズものではあるが、主要人物がかぶるだけで、どちらから読んでも問題なし、つか第1作自体邦訳無いし。本作は登場人物も少ないので読みやすいし、展開が早く、ベタな想像の裏を行く意外性もあり、まさにページターナー。細かいツッコミどころはあるけれど、とにかく面白く読めるので全く気にならない。ミステリ要素はほとんどなく、エンタメ本として読むのがおすすめ(この悪童ぶりに、読後感は保証できませんが)。

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    2024年07月24日
  • 悪童たち 下

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    ネタバレ

    主人公は少年達だ
    悪童、大人にそう呼ばれてしまう子供達
    一人は優等生、二人は悪童
    些細なきっかけで子供達の世界に舞い降りるトエラブルの種
    明日を生き抜くためにとった行動が絡み合い、そして落ちていく
    リアルな中国社会描写の中で気弱ないじめられっ子だった優等生が徐々に変化してく様子が圧巻で拍手喝采を送りたい

    与えれれた1センチの想像の余地
    社会の正しさを考えさせられるエンディング
    見事過ぎます

    子供達が犯罪者だった作品といえば東野圭吾の白夜を思い出すけど、あれは救いのないエンディングが激重の作品だっだな

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    2024年06月27日
  • 悪童たち 下

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    ネタバレ

    主人公が勝ち残って、お金も手に入れ、これからの人生は安泰になるだろうけど
    本当に欲しかったものは何一つ手に入らず、全て自分の手で壊してしまい、ラスト1人で歩いてる所が虚しくて悲しい(´;ω;`)


    この本は厳良のシリーズ2作目らしい
    けど厳良はたまに様子を見に来るぐらいで、重要なことはしないから気にしなくて良かった。

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    2024年03月31日
  • 悪童たち 上

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    ネタバレ

    まず翻訳が素晴らしい、最後まで名前に読みを振ってくれてるから読みにくさが全くない。
    そして中国が舞台だけど、設定に中国文化がそんなに出てこないから、途中で調べたり、どういうことか分かりにくいってこともないからストレスがない。

    序盤立て続けに小さい悪事が連続で起きて、それがこの小説内では悪事を上手くする方が勝つという身も蓋もない宣言になってる。
    騙されたり、人の悪意に気づかない方が悪くて
    それで殺されても仕方ないみたいな世界観。
    めちゃくちゃ面白い。
    途中のプープーが読んでた本が、この後の展開を予期させるのもいい。
    主人公がサイコパスになっていくのかな!
    楽しい!

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    2024年03月29日
  • 文学少女対数学少女

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    作家を目指している少女と天才数学少女が推理小説を通じて関係を深めていくお話です。作中作が何個か登場し、文学少女はミステリ的な観点から、数学少女は数学らしく型に当てはめて推理をしていく様子はこれまで推理小説を読んでいく上で気にしたことがなかった視点を与えてくれました。犯人当てゲームという非日常と主人公たちの世界という日常の切り替えといった点も驚くほど上手くてお気に入りの一冊になりました。
    この作家さんの作品は初めて読んだのですが、3作目だそうで、本作の主人公が以前にも登場しているのでそちらも読もうと思っています。ただ、ここから読んでも特に問題は無かったです。

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    2024年02月15日
  • 時間の王

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    “宝樹” 時間を操る作家

    ケン・リュウ編ハヤカワSF新書「月の光」にあった「金色昔日」をよんでから、この人の物語になぜか惹かれる。
    宝樹短編集『時間の王』

    「穴居するものたち」……人は自らを囲い有限のなかに平安を得る。なぜ? そしてラストはやっぱりロマンチック。
    「三国献麺記」……嘘をホントにする為の時間旅行。ドタバタって理屈なく楽しい。
    「成都往時」……過去にしか行けないタイムトラベラーと不老不死を得た者が再び出逢うことはできるのか。ロマンチックタイムトラベル、良いですね〜。
    「九百九十九本のバラ」……タイムトラベルなんて、もうどっちでもいいほどロマンチックで青春、作者も「二つは同

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    2024年02月05日
  • 文学少女対数学少女

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    “数学”が物語に組み込まれたミステリ小説。ミステリ好き・数学好き必読。第一話『連続体仮説』における韓采蘆の論理的推理は圧巻。数学者・カントールの『数学の本質はその自由性にある』という言葉は、そのまま推理小説にも当てはまるもので、数学と推理小説はとても似ている。

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    2023年09月27日
  • ガーンズバック変換

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    表紙のイラストで青春ものかと思って読み始めると打ちのめされる。
    文献からカルチャーまで圧倒的な情報を元に広義のSFホラ話8編が展開する。
    題材は、代作家、吟遊詩人、詩人、ゲームシナリオ、マジック、作家伝、近未来、百合SF*。
    *百合小説とは女性同士の関係性を描く小説
    ミステリで日本デビューした中国人作家で、SFは自分でハヤカワに売り込んだとのこと。

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    2023年06月06日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    最高に面白かった。十八年前の事件と今まさに起こっている事件の関係が少しずつ明らかになるにつれて、登場人物の隠された過去が明らかになる。二段組なので内容も濃く読み応えもあり、読んでいる途中で「これは面白いわ」と思わず独り言を言ってしまうほどだった。こんなに面白い作品が実は2008年に発表されていたというのにも驚き。これからもっともっと華文ミステリーを読んでみたい。

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    2023年03月25日
  • 元年春之祭

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    ネタバレ

     前漢時代という背景と生国や立場が違いが活かされた結末だと思いました。
     また、「アニメ的なキャラクター表現」と後書きに書かれている通り、於陵葵、観露申、小休における人間関係や、観若英と観江離、そして亡き観芰衣との描写、度々論を交わす於陵葵と観若英等の表現が百合を感じさせられました。



     於陵葵がもう少し心情を露わに出来ていたら、観露申との仲も拗れず、小休もあんな行動に出なかったのではないかと考えずにはいられません。しかしながら、於陵葵の不器用ながらも小休の事を思う優しさに気付いていたが故に、小休もまた、於陵葵の事を思い行動に移したのだとも思え、とてもやるせない気持ちになりました。
     小休

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    2022年05月31日
  • 雪が白いとき、かつそのときに限り

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    ネタバレ

     最後まで読んで、5年前の唐梨の事件を追い、馮露葵と姚漱寒が憶測混じりで幾つかの推理を出していたのは、呉莞の事件を追う上での読者へのヒントであったのだと思いました。

     今回、馮露葵も姚漱寒も数多の推理を披露しましたが、そのどれもがあり得そうなものであり、そしてそれを犯人が認めなければ確たる証拠は無いというもので、5年前の唐梨の事件の犯人が誰でもあり得そうだと思いました。それは、呉莞の事件の動機が感傷的なものだった事から、動機があてにならないという事からもそう思わせられました。



     馮露葵の持つ才能への羨みや普通である事の不安は、先の見えない学生だからこその思いだと思います。頑張って普通に

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    2022年05月20日
  • 文学少女対数学少女

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    ネタバレ

     推理小説を数学を用いて読み解いたり、数学を推理小説に置き換えて説明したりしていて、一見関係無さそうな数学と推理小説の類似性を感じられて面白かったです。

     私は推理小説を全然読んでいないので〈後期クイーン的問題〉やヴァン・ダイン等は分からないのですが、今作を通じて推理小説の自由さや難解さを垣間見た気がします。
     特に4話の犯人当てで、解答が複数存在すると宣言し、参加した人達が皆、違う答えに行き着いた処が推理小説の可能性を感じました。
     また、1話で陸秋槎と韓釆蘆が無矛盾性と完全性を話していながら、4話では解答が唯一では無いとする事でフェア・プレイを保っていたのも印象的です。無矛盾性と完全性が

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    2022年04月30日
  • ディオゲネス変奏曲

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    こんなに読み応えのある短編集はなかなかないです。
    「13・67」が最高に面白かったとはいえ、あんな面白い話が量産できる作家とか滅多にいませんよ?と気楽に読み始めましたが、流石は「13・67」を書いただけある!とシャッポを脱ぐしかなかった。

    一遍毎の読ませる技の巧みさもさることながら、内容がまたバラエティに富んでいて、SFもホラーもユーモアミステリーも味わえるお得な一冊です。全部面白い!
    しかも著者のあとがきが作品解説になっていて、イメソン的BGMまでプレイリストで用意してくれる厚遇っぷりで読んでるこっちが恐縮してしまいそうな気持ちに…

    個人的に気に入ったのは「時は金なり」
    タイムイズマネー

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    2022年04月28日
  • 文学少女対数学少女

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    今年のこのミスで知って気になったので読んでみた。
    華文ミステリははじめてで、思ったより読みやすくて驚いた。数学の難しいことはわからないが、純粋にミステリとして楽しく読めたし、麻耶雄嵩的なおもしろさがあるとこも高評価したくなる。ただ、最終話がやや尻切れとんぼに終わったので、もう一話ほしかった気もする。

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    2021年12月27日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    2021年度海外編このミス4位の作品。中国警察vs法で裁けない悪を裁く死刑執行人<エウメニデス>を描いたサスペンス色の強い華文ミステリー。警察や人物の描写がリアルで、警察の網の穴を突き想像の上を行く殺人鬼の狡猾さも読んでいて楽しかった。また、最後までスリルがある展開で飽きさせず一気に読まさせてくれた。続編はまだ邦訳で出ていないがあるみたいなので、訳されてほしい。

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    2021年11月17日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    様々な「死亡通知」(殺害予告)を執行していく犯罪者の巧みな仕掛け、IT・メカにも相当な知識を持った知能犯、は犯罪者の証拠が残らない意外性を持たせた企みは凄い。犯罪者の痕跡を完璧に消し、姿を変え、関係者を事件に絡ませ、メカ機器を応用し、警察を如何に欺くか推理は果てしない。読んでいても次の仕掛けはどんな展開になるのか一気に読まないではいられない。 法の限界は仕方ないが、やはり権力を持ち罪に問われない違法者、犯罪者は許せない。

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    2021年10月03日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    ネタバレ

    面白かった!!最初ルオフェイが怪しくてどんどん他の人も怪しく思えて結末が予想出来なかった。連続作のようなのでほかも早く見たい!!

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    2021年09月05日