あらすじ
雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物「X」を捜す推理合戦のスリリングな顛末を描いた「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス「藍を見つめる藍」など17の傑作ミステリ短篇を収録。陳浩基デビュー10周年記念作品
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Posted by ブクログ
こんなに読み応えのある短編集はなかなかないです。
「13・67」が最高に面白かったとはいえ、あんな面白い話が量産できる作家とか滅多にいませんよ?と気楽に読み始めましたが、流石は「13・67」を書いただけある!とシャッポを脱ぐしかなかった。
一遍毎の読ませる技の巧みさもさることながら、内容がまたバラエティに富んでいて、SFもホラーもユーモアミステリーも味わえるお得な一冊です。全部面白い!
しかも著者のあとがきが作品解説になっていて、イメソン的BGMまでプレイリストで用意してくれる厚遇っぷりで読んでるこっちが恐縮してしまいそうな気持ちに…
個人的に気に入ったのは「時は金なり」
タイムイズマネーとは昔から言われてるし、コストパフォーマンスよりもタイムパフォーマンスを重視する人が増えている現代において、色々と考えさせられるお話でした。
余談ですが、私は石黒正数先生の漫画がとても好きなので、陳浩基氏が石黒先生の作品を読まれていて、なおかつベタ褒めされているのが嬉しかったです!
Posted by ブクログ
なんで読もうと思ったか、きっかけは忘れてしまったけれどミステリーだったりサスペンスだったり多様なストーリーが楽しめた。中国版スティーブンキングみたい。個人的には見えないXがオチも含めて好き。
Posted by ブクログ
短編集はあまり刺さることがないが、これは面白かった。
「時は金なり」の時間については若さがあると売ることにも抵抗が少ないのかもしれないが、貴重だと気づくのは後半なのだろう。
「悪魔団殺人事件」のジャガイモをマッシュポテトにするところは面白かった。こういうユーモアは好き。
Posted by ブクログ
これは楽しい短編集。ミステリー、SF、ホラー、ドタバタ、何でもあり。
一話一話が短いけど切れ味鋭くて秀逸。
独立したお話たちなので、スキマ時間にちょっとずつ読み進めるのも良さそう。
Posted by ブクログ
小気味良さが心地良い……。
どの物語も読み始めると止まらなくなり、最後で必ず「エッ!」となる。
そのたびに自分の脳が活性化される。
しかも、ミステリーのみならず、SF風だったりホラーだったり…
この人の引き出しの多さは、半端ではない。
さすがですね。
Posted by ブクログ
7/16/2020
私は頭が硬いんだと思う、SFは苦手。(昔は眉村卓くらいは読んだんだけど。) なので2篇くらいあったSFは字面だけ追って読んだ感じ。逆にSF好きな方にはオススメかも。他にも異なったタッチのミステリー短編満載なので、陳浩基を読んでみるのにちょうどよい一冊。それこそ3ページ程度の超短編もあったりで、器用な人なんだと思う。
追記 9/10/2020
感情的になりそうだったので前回↑では敢えて触れなかったけど、読み始めようとして最初に目にした 「本書を謹んで天野健太郎氏に捧ぐ」。これは強烈すぎた。ここでしばらく止まってしまった。
RIP
Posted by ブクログ
ミステリ短編集。だけれど、本格ミステリありSFミステリありサスペンスありホラーっぽいのあり、と読み心地はかなりバラエティに富んでいます。
お気に入りは「カーラ星第九号事件」。SFミステリで、論理もきっちりとした固めのミステリだと思ったら。ラストで明かされる真実が!
「頭頂」と「霊視」もホラー好きとしてはかなり好みでした。怖いけれどどこかしらユーモラスな「頭頂」、でもこんなの……見たくないなあ。「霊視」はラストでぞくりとさせられます。
一番本格ミステリだったのは「見えないX」かな。ある意味の犯人捜しミステリだけれど、日常の謎としても最低レベルに魅力的ではないつまんない謎、だと思っていたのに。いやいやとんでもなく面白いじゃないですか! そして真相は見抜けませんでした。
Posted by ブクログ
ホラー、星新一風のSF、バカミス、バリバリの謎解きと、バラエティに満ちた作品集。いろいろな楽しみ方ができるけど反面、玉石混淆、ネタありきで広がりに欠ける作品も少なくない。しかし、作者があの陳浩基となると話が違ってくる。話題の華文ミステリの旗手にして、日本の新本格を引き継ぐ注目の作家なのだ。
著者あとがきを参照しつつ作品を読むと、彼がとても実験的にこれらの作品を仕上げていることがわかる。個人的にお薦めは、金銭で時間をやり取りできる世界を描いた「時は金なり」、後の『世界を売った男』を思わせる「珈琲と煙草」。そして何と言っても「見えないX」。これは読み返すと、作者のフェアネスがわかり、さらに面白い。
Posted by ブクログ
華文ミステリの秀作『13・67』の著者の、デビュー10周年を記念した自選短編集。本格ミステリ、バカミス、SF、ホラー、ショートショートなど、ジャンルはごちゃ混ぜだったけど、一捻りある作品ばかりでとても面白かった。僅か2ページのショートショートにも仕掛けがあるのは凄い。
登場人物を和名にしたら、日本人作家が書いたと言われても信じてしまう位に馴染みやすい文章が特にいいし、収録作の本格ミステリ二作は、いづれも傑作だった。
華文ミステリの取っ付き難さを無くしたという事だけでも、この著者は称えられて良いと思う。
Posted by ブクログ
同じ作者の13.67が話題だったので読んでみたところ、びっくりするくらい面白かったのでこれも読むしかないと思い手に取ってみた。
純粋なミステリーにとどまらずSF要素を取り入れた話もいくつかあり、作者の志向が垣間見れ興味深かった。収録作の中では「見えないX」、「作家デビュー殺人事件」、「カーラ星第九号事件」が気に入った。習作などもあり全てが傑作!とは必ずしも言えないが、13.67が気に入ったなら読んで損ではないと思う。
Posted by ブクログ
藍を見つめる藍★★★★
サンタクロース殺し★★★
頭頂★★
時は金なり★★
習作 一★
作家デビュー殺人事件★★★
沈黙は必要だ★★
今年の大晦日は、ひときわ寒かった★
カーラ星第九号事件★★
いとしのエリー★★
習作 二★
珈琲と煙草★
姉妹★
悪魔団殺(怪)人事件★★
霊視★
習作 三★
見えないX★★★★★
王道かつトリッキーな本格推理小説集だと思って読んでみたら、ホラーやSF、幻想小説。また、ミステリの中でもメタミステリや、ややバカミス的な味わいの作品が多かったです。
本格を期待して読んだ感想として、個人的に一番面白かったのは、ラストの「見えないX」でした。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
今、新たな潮流として注目を浴びている華文(中国語)ミステリ。その第一人者・陳浩基が持てる才能を遺憾なく発揮したのが、この自選短篇集である。大学生たちが講義室にまぎれこんだ謎の人物「X」の正体を暴くために推理を競い合う本格ミステリ「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補作となった衝撃のサスペンス「藍を見つめる藍」、密室殺人を扱った「作家デビュー殺人事件」、時間を売買できる世界を描いた異色作「時は金なり」など、奇想と仕掛けに満ちた驚愕の17篇を収録。著者デビュー10周年記念作品。
Posted by ブクログ
「13・67」の作者による短編集。
いろいろなジャンルに富んでいて、面白いものもあった。
全体的に(特にSF的なもの)は星新一を思い出した。