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Posted by ブクログ
こんなに読み応えのある短編集はなかなかないです。
「13・67」が最高に面白かったとはいえ、あんな面白い話が量産できる作家とか滅多にいませんよ?と気楽に読み始めましたが、流石は「13・67」を書いただけある!とシャッポを脱ぐしかなかった。
一遍毎の読ませる技の巧みさもさることながら、内容がまたバラエティに富んでいて、SFもホラーもユーモアミステリーも味わえるお得な一冊です。全部面白い!
しかも著者のあとがきが作品解説になっていて、イメソン的BGMまでプレイリストで用意してくれる厚遇っぷりで読んでるこっちが恐縮してしまいそうな気持ちに…
個人的に気に入ったのは「時は金なり」
タイムイズマネーとは昔から言われてるし、コストパフォーマンスよりもタイムパフォーマンスを重視する人が増えている現代において、色々と考えさせられるお話でした。
余談ですが、私は石黒正数先生の漫画がとても好きなので、陳浩基氏が石黒先生の作品を読まれていて、なおかつベタ褒めされているのが嬉しかったです!
Posted by ブクログ
香港の作家、陳浩基の自選短篇集
ジャンル固定ではなく横断しているので記載する
各話を◎◯□△☓の順でなんとなく。
1「藍を見つめる藍」(ミステリ)□
藍(らん)は仕事が出来る真面目な男という評価だった。しかし彼には人には言えない趣味があった。1人の女性のブログを熱心に見ること、そしてアンダーグラウンドサイト内を閲覧することが趣味であった
・大事な部分が読者にはアンフェア過ぎるので僕の価値観だとミステリとしてはまったく評価出来ない。でも読み物としては大変面白かった。そういう物なのだと思う
2「サンタクロース殺し」(掌編)□
クリスマスの日、ホームレス達が集まって暖を取っていた。そこで1人がサンタクロース殺しという小話を始めた
・数行の謎部分(小話)にその他を埋め尽くす解決編。恐ろしい構成。しかも登場人物も言うが「なんだ、その話つまんな」なのだ。しかし1人のホームレスの発言で小話が別角度で急に、という内容。珍しいのはショートミステリ物はほとんどキレ味が醍醐味と思うのだけれどこの作品、そうではない。予想外の終わり。良いか悪いかでなく、本当に珍しいと思う。小話が小話のまま昇華されている
3「頭頂」(ホラー)△
僕は人の頭の上に化け物が見える。あまりに気持ち悪く、他の人は見えないようだ。僕は病院へと通った
・完全に伊藤潤二の世界だった。オチも。
日本ではよく見るタイプ…ですね
4「時は金なり」(SF)◯
僕はモテる彼女に振り向いてもらう為に金が必要だった。そこに時間を売り買いしてくれる会社を見つけ…
・世にも奇妙な物語。が、本文ラストはこのテーマ、この分量でしか書けない閃光のようなセリフだった。正直普遍的だなーと読んでいた所にガツンと頭を叩かれた気持ちになった。これを書きたかったからあえて淡々と「普通の話」を書いたのだろう。なるほどなあ……油断しました
5「習作 一」(掌編)☓
?
・なんすかこれ?
6「作家デビュー殺人事件」(本ミス)□
作家になりたいなら君も1人殺してごらん、そうすると本物のミステリーが書けるよ。と編集者に言われた作家志望が自作の為に完全犯罪を現実で行う
・もっとトリックを考えるシーンに文量割いていれば良作だったかもしれない。この短さが良いのかもしれないけれど、作家志望が作家になれると望みをかけたトリック思考過程はもっと丁寧に見たかった
7「沈黙は必要だ」(掌編)△
カイジの地下労働施設のような所で働く奴隷の男の物語
・伏線が…なさすぎる…
8「今年の大晦日はひときわ寒かった」(掌編)◯
今年の大晦日は、ひときわ寒かった。けれどもぼくの心は暖まっている。
・原稿用紙換算でたった6枚。ひときわ寒い終わり方。好物です
9「カーラ星第九号事件」(SFミステリ)◎
宇宙探査船に探偵デュパパン(原文ママ)登場
・最高の問題作。僕は大好き。ただこれだけ連続で2回読みました。それは何故か。
初読時とある事情でアストロノーカが頭から離れなくてなんにも文字が入ってこなかったんです。わかるって人は親友になれると思う。知らない人はそれでいい
10「いとしのエリー」(ミステリ)◎
妻の妹と旦那がディナーに遊びに来ていた。しかし愛しの妻は上の階で死んでいるのだ
・お も し ろ い 何が面白いか書くとネタバレになるので何も書けない無念。
11「習作 ニ」(掌編)△
練習作2つ目
・一よりは楽しめた。でも商用紙に載せるようなもんでしょうかね
12「珈琲と煙草」(SF)△
3日間の記憶がない。珈琲を飲もうとコンビニに行くが冷蔵庫には煙草が入っていた
・正直読み手がミステリ読みなのかSF読みなのかでけっこう変わりそう。僕はSFとして読みましたけど平均点以下です。ミステリっぽく読めば面白い気もします。ディックの系譜
13「姉妹」(イヤミス)□
主人公の彼女の姉が死体で発見される。容疑者として疑われそうな彼女の為、主人公は死体処理に奔走する
・読後感はこの本でNO1でした
14「悪魔団殺(怪)事件」(SFミス)◯
秘密基地で怪人の死体が発見される!頭のよくない怪人たちは混乱する!!
・なんと日本人が書きそうなネタだろうか。最高。悪の組織の悲報感がたまらない
15「霊視」(ホラミス)□
深夜の公園、ホームレスの男が語る。昔、霊能力者として警察に協力していたが冤罪を起こしてしまったと
・なんか乙一の作品でこういうの読んだような気が…
16「習作 三」(掌編)□
練習作3
・ノーコメント
17「見えないX」(本格ミステリ)◯
大学生たちが教室内に潜むXは誰なのか思考合戦。虚偽の申告、コンゲーム
・人狼。普通に読めばこの本で1番質が高いと思います。至る所にある手掛かりが再読を促します
熱狂する大学生、思考読み物として大変面白い
総じて平均レベルが高かった
ミステリ、SF半々でしょうか。でもSFモノは正直いまいちなのでミステリとしてお勧めします
Posted by ブクログ
7/16/2020
私は頭が硬いんだと思う、SFは苦手。(昔は眉村卓くらいは読んだんだけど。) なので2篇くらいあったSFは字面だけ追って読んだ感じ。逆にSF好きな方にはオススメかも。他にも異なったタッチのミステリー短編満載なので、陳浩基を読んでみるのにちょうどよい一冊。それこそ3ページ程度の超短編もあったりで、器用な人なんだと思う。
追記 9/10/2020
感情的になりそうだったので前回↑では敢えて触れなかったけど、読み始めようとして最初に目にした 「本書を謹んで天野健太郎氏に捧ぐ」。これは強烈すぎた。ここでしばらく止まってしまった。
RIP
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