稲村文吾のレビュー一覧

  • 文学少女対数学少女

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    数学の天才である女子高生の韓采蘆(かんさいろ)が探偵のような立場で事件を解決する。登場人物の陸秋槎(りくしゅうさ)は推理小説好きで犯人当て小説を校内誌に発表するような女子高生。秋槎などが書いた小説の犯人を数学的手法で犯人を特定する。数学と推理の相性の良さに感服した。学校では習わないような数学の知識が使われることはあるが、采蘆が話すのは文系の人々に向けてなので、解説も分かりやすい。数学好きなら論理の穴を探してみるのもよい、数学嫌いな方は新しい推理手法として小説を読むのもよい。

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    2021年06月29日
  • 雪が白いとき、かつそのときに限り

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    痛い程に響く百合だった。才能という壁は学生にとって、あまりにも大きい。『特別な何者か』になれない苦しさを抱えていた露葵は、もっと周りをちゃんと見てほしかった。本当はすでに、「誰かの特別な何者か」だったのに。
    白い雪、密室・・・・・・、これは事件の話だけど、露葵の心の痛みのようにも感じられた。雪のように白く冷たく心を覆われ、そしてなりたいものになれず閉ざされた世界・・・。彼女たちには幸せになって貰いたかった。

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    2021年06月26日
  • ディオゲネス変奏曲

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    全部の短編がおもしろかった!
    収録されている短編全部がおもしろかった小説は初めて。
    ほんとうにすごい贅沢な短編集。
    読めてよかった。

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    2021年06月11日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    おもしろかった!おもしろかった!
    網内人同様、華文ミステリーがこんなにおもしろいなんてうれしい誤算。

    羅飛刑事とエウメニデスとの対決の第一部。
    最後まで緊張感があり、読ませる!!

    最初は登場人物の名前がピンとこなくて
    なんども確認しながら読んだが
    慣れてきたら本当にスピード感あり
    もうハラハラ、驚愕の連続で
    本当におもしろかった!

    三部作のようだからはやく第二部を読みたいし、
    周浩暉の作品ももっと読みたい。

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    2021年06月08日
  • 文学少女対数学少女

    購入済み

    中華ミステリーの秀作!

     中国人ミステリー作家による数学系推理シリーズ。文学少女の方は普通の女子高生よりだが、数学少女は教授然とした口ぶりでキャラがやや濃い。主人公の陽キャな親友も交えて、三角関係百合風味となる。
     ダークな雰囲気の著作が多いと聞く作者だが、この小説に関しては明るめで万人受け要素が強い。ただし、数学に詳しい方がより楽しめるかも。

    #癒やされる

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    2022年09月29日
  • 黄

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    第4回島田荘司推理小説賞受賞作。中国の話かと思っていたら、最初にドイツが舞台になっているところからして新鮮味がある。魅力的な物語に引き込まれ、ミステリとしての満足感も十分に与えてくれた。なかなかの傑作といっていいだろう。他の作品が邦訳されればぜひ読んでみたいと思う。

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    2021年05月17日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    エウメニデスから「死亡通知書」が届くと確実に殺される.この謎の死刑執行人との戦いが警察との間で始まり,それは18年前の事件と密接に繋がって,羅飛は恋人と親友を殺された復讐に燃える.登場人物がそれぞれ魅力的で,事件は複雑に絡み合い全貌が明らかになったと思えばまだまだ続くようだ.悪の捉え方も独特で,不謹慎だけれどゲームをしているような面白さがあった.出来るなら,もう少し読みやすい名前にして欲しかった.

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    2021年02月28日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    私刑で人を裁く巨悪との対決。連続殺人事件から浮かび上がる、過去の数々の真実に開いた口が塞がらなかった。

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    2020年11月13日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    ネタバレ

    読みごたえがありました。
    推理というよりも、サスペンス色が強いように私には感じられました。
    そして、これも続きものなのかーい!
    きちんと書いておいてよね。
    すぐに翻訳されるとも思えないので、待ちますが……。

    ですが、面白かった!

    続きはよ出してね。

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    2020年09月05日
  • ディオゲネス変奏曲

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    『見えないX』が面白かった。ジャイアンや毛利小五郎、倖田來未が出てきて、日本の作品や人物のオマージュになっていて、日本愛が節々に感じられる。

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    2020年08月31日
  • 黄

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    ネタバレ

    いい小説だった。殺人が起こるのだが、殺人が起こったかのような感じがしない。不思議な小説。冒頭の「叙述トリックがあります」に引っ張られて読んでしまうのだけど、どこにも叙述トリックはなくて、叙述トリックあるある詐欺で、ぐいぐいと読んでしまった。こんな仕掛けを小説に施すなんて! 天才か!

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    2020年08月19日
  • 黄

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    中国語で書かれた未発表の本格ミステリー長編を募る文学賞で2009年に創設された、文学賞の「第4回島田荘司推理小説賞」受賞作。

    中国の孤児院で育ち、富裕なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年、阿大(アーダイ)ことベンヤミン。
    中国で六歳の少年が木の枝で両目をくり抜かれる凄惨な”男児眼球摘出事件”が発生。
    ベンヤミンは被害者の少年を力づけ、同時に事件の真相を暴くべく、お目付け役のインターポール捜査員・温幼蝶(ウエンヨウデイユ)とともに中華文明発祥の地・黄土高原へと旅立った。(以上、裏すじより)

    この小説には一つ叙述トリックが含まれています。
    タイトルである『黄』がキーポイントです。

    そして引

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    2019年10月17日
  • 黄

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    中国のミステリーが珍しくて読み始めたが、よく練り上げられた構成に圧倒された。結末が解ってもまた手に取りたくなる作品。先入観なしに読んで欲しいと思った。

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    2019年10月11日
  • 元年春之祭

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    ネタバレ

    まさに一気読み。
    舞台が前漢時代ということだったので、読み始めはリタイアしてしまうかとも思ったんですが、とんでもない。
    ミステリーとしても、時代小説としても面白かった。
    残念なのは私の漢文知識ですね。
    次の作品が、いまから楽しみ(^^)

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    2019年08月18日
  • 元年春之祭

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    元年春に。学園モノも読みたい!翻訳を待つ…。
    麻耶先生『隻眼の少女』三津田先生『厭魅の如き憑くもの』、未読なので読まにゃあ。

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    2019年05月19日
  • 元年春之祭

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    ネタバレ

    漢詩、漢籍の教養を試されるという意味では衒学的だ。このポイントで熱狂するひとは少なからずいるだろう。
    だが私が最も評価するのは、
    「その時代ならではの人間心理に基づいて展開された本格ミステリ」
    という点である。文句なしに星5をつけたい。

    本格ミステリと言って、アガサ・クリスティの作品を挙げれば、たいていの人の異議は無いだろう。
    では彼女が描き愛したビクトリア朝の世界において、本当にものを考え、煩悶し、結果として殺人という罪にすら手を染めるのは、誰か?
    ほぼほぼ決まって支配階級の人間である。
    執事や料理人、他の使用人階級は、現代人の我々が論理をもって考えるといかようにも怪しめるのに、犯人とはな

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    2019年01月30日
  • 元年春之祭

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    ネタバレ

    意外に読みやすく、しかも、本格ミステリーだったので星は5つ。その時代の女の子の立ち位置や家族の関わりなど理解できた。
    と、それよりもやっぱり、ミステリー感が素晴らしかったので。最後まで楽しめました。

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    2018年10月02日
  • ディオゲネス変奏曲

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    なんで読もうと思ったか、きっかけは忘れてしまったけれどミステリーだったりサスペンスだったり多様なストーリーが楽しめた。中国版スティーブンキングみたい。個人的には見えないXがオチも含めて好き。

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    2025年09月07日
  • ディオゲネス変奏曲

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    短編集はあまり刺さることがないが、これは面白かった。
    「時は金なり」の時間については若さがあると売ることにも抵抗が少ないのかもしれないが、貴重だと気づくのは後半なのだろう。
    「悪魔団殺人事件」のジャガイモをマッシュポテトにするところは面白かった。こういうユーモアは好き。

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    2025年08月31日
  • 文学少女対数学少女

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    タイトルに釣られ、評判が良さげだったので購入

    「元年春之祭」は積んだままだった
    陸秋槎、初体験
    著作のすべてが好みのタイトルだわ

    親切にも別紙で登場人物リストつき
    多量の中国名を連打されると困る自分にはありがたい限りだが、連作短編集だからさすがに不要

    内容は期待のやや下かな

    開幕でイチャコラしてたシーンが最も文学少女対数学少女だったような

    麻耶雄嵩を軽くディスってるのか?という箇所には驚いたが、読後になるほど納得

    最終章の終わり方、あとがきとW解説のミステリ論が良かった

    この著者の作風は百合なのか
    悪くないだろう()

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    2025年05月10日