稲村文吾のレビュー一覧
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ネタバレ厳良元警部の気づきと1本の報告で、朝陽(チャオヤン)の人生が180度変わるかも…な最後やばかったな。てか厳良以外の大人を騙し切れる朝陽怖すぎだし頭良すぎ。学年1位、満点、はすごいんだな。でも中2がここまでやれちゃう周りの環境の悪さね、(^^;; 最後の朝陽の日記読んでて、なんかおかしいな今まで読んでた小説と違うじゃん、と思ったら警察を騙す用の日記だったの衝撃だったなー!!子ども3人が張東昇の家に行ってケーキとコーラが出てきた時、薄々怪しいなと思って読んでたけど、朝陽はすぐ気づいたんだろうか、そこは気づかなかったのかな、?
普普と丁浩(耗子)が死んで終わる結末は見たくなかったけど、朝陽が今後平穏 -
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ネタバレ陸秋搓の本は何冊か読んでいて、どれも割りと好きだ。
けれどこの本は作者が好きだからというよりも、タイトルの美しさで手に取った。
『雪が白いとき、かつそのときに限り』
実際に雪は事件にとって重要なアイテムではあったけれど、このタイトルの意味としては、思春期の儚さと、その瞬発力・集中力の強さを表したものなのではないか。
足跡のない白い雪に残された死体。
この密室と言っていい状況の作り方は、読んでもよくわからなかった。
平凡な能力しか持たない自分への嫌悪とか焦りなども、そこまで追いつめられるものなのかとも思う。
一生を平凡に過ごす人。
人生の初期にピークを迎えてしまった人。
そうだね。
人生も -
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劉慈欣が認めた二次創作「三体X」の作者、宝樹の短編集。全7篇。
ユーモアの強い「三国献麵記」すれ違いメロドラマ系の「成都往時」など、どの話も読みやすい。
私は一話目の「穴居するものたち」が好き。おうちだいじ。→
「三国献麵記」は三国時代に詳しければ100倍楽しめたなぁ、と思う内容。吉川三国志を3巻までしか読んでない私、曹操と赤兎馬の関羽しかわからん(笑)
「成都往時」は恩田さんの「ライオンハート」が好きな人にはたまらないのではないかと。私は好き。
「最初のタイムトラベラー」は→
読み返すとじわじわくる怖さと面白さ。まさにショートショート。
全体的に恋愛風味な印象はありつつ、楽しめた一冊。 -
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表題作「ガーンズバック変換」は香川県の「ネット・スマホ依存症対策条例」がモチーフ。現実よりは一歩踏みこんだ世界を描いているのだけど、現実と地続きのディストピアで、いかにも実現しちゃいそうでぞくぞくする。主人公が、液晶画面を遮断するメガネに形だけ似せた伊達メガネを作るのは、あくまでも自分のサバイバルを旨とした小さな抵抗。けっして地下組織に加わったり、表立って反対運動をしたりという大きなた抵抗ではない。でも、もしかしたらそういう心持ちのほうが長続きするかもしれないし、それが広がっていけば大きな抵抗網になるのかもしれない……ってそれがこの短編の眼目ではたぶんなくて、最後は百合的な友情に着地するんだけ
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ネタバレ短篇集。8篇収録。
理論とかすっとばしてただひたすらに読んでいく(難しくて理解できないところもあるので…)こういう作品が作られていることが嬉しい。
物語の歌い手
上質な童話というか、こういった中世の世界観大好き。
三つの演奏会用練習曲
こちらはインド。不思議な読み心地。
開かれた世界から有限宇宙へ
ゲーム世界の理論の作り込みってこんなに大変なんですね(汗
インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ
読み終えて、ごめんなさい分かりません(笑)と思ったら
『異常論文』掲載の作品なんですね。私にはハードル高すぎました。
ガーンズバック変換
香川県にだけ存在するガーンズバック変換。面 -
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SF短編小説集、というよりは、著者の膨大な知識や興味から編纂された空想小説集といった趣きで、その知識量にまず驚かされました。
少女と吟遊詩人の巡り合いの旅路を描くファンタジックな「物語の歌い手」に、まさに頷かされてしまいそうになる『異常論文』たる「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」から、結論の鮮やかさがミステリの謎解きめいた脳科学SF「サンクチュアリ」、スマホゲームの開発をめぐり小気味いい会話で空想世界の構築を楽しむ「開かれた世界(オープンワールド)から有限宇宙へ」など、かなり高度でディープな仮想世界がぎっしりとどの短編にも形作られていて、凄い密度だなと思いました。
その中 -
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犯人当て小説を書いている主人公の陸秋槎が自身の小説がフェアかどうかを数学の天才である韓采蘆に確認してもらいにいき、仲良くなる物語。
作中作とそれに対しての批評が数学を交えて語られ、現実でも事件が起こったりする。本格ミステリや百合の話を期待すると、現実の事件の解決方法や仲の進展具合のなさや描写の少なさに少し拍子抜けをくらうが、一人のミステリファンとしてはとても興味深い作品だった。数学が推理に説得力を与えていたり、ミステリが数学の複雑さを分かりやすく解説していたりと相互のバランスがちょうど良かった。
個人的には「フェルマー最後の事件」が好みだった。ただあまりジャンルに区分される物語ではないた