稲村文吾のレビュー一覧
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途中まで読んでから、作者が中国の人だということに気づいた。日本の作家だとばかり思い込んでいて、登場人物が全部中国名なのは何かの趣向かなと思っていた。翻訳が自然だったからか。
「後期クイーン問題」を意識した内容で、それに数学のトピックをからめた短編4話。どちらの趣向もあまり好みではなかった。ミステリーに数学を強く関連づけようとすると、数学の好きな人間にとってはどうしてもわざとらしくなってしまう。しかしあくまで好みに合わなかったというだけで、何か批判したいわけではない。
「あとがき」では、作者が日本のミステリー作家をものすごくリスペクトしているのが印象に残った。 -
Posted by ブクログ
時間の王になりたいかー!?
え?大丈夫ですって?
そんなこと言わずにちょっとだけですから…。
●○●○
人生は選択の連続で、それゆえ人は選らばなかったもう一つの結末を知りたがります。SFでタイムトラベルものが好まれる由縁でしょう。
あの時、別な学校を選べば…。
あの時、あんな事を言わなければ…。
別な人と結婚していれば…(?)
ヾ(≧ω≦*)オイッ!
一体どうなっていたんでしょうか???
そんな表題作をはじめ、三国志の曹操にラーメンを食べさせようとするトリッキーなお話など、この本ならとことん時間の王になった気分を味わえます。
○●○●
さ、お値段2200円とお買い得!
今ならキャンペーン中ですので時間旅行税はかかりませんよー。
え?アタシですか?
もしタイムトラベル出来るならどの時代に行きたいか?ですって?(誰も聞いてませんが)
過去なら恐竜をみてみたいですし、未来なら宇宙人が来るところを見てみたいですね。いや月並みでスミマセン…。
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Posted by ブクログ
1,2年前に、本屋さんで表紙が目に入り、好みドンピシャで購入。
この本も、普通の小説だと思ってたのにミステリだったパターン。笑
中国の小説は初めて読んだけど、結構好きだった。国の情勢とか、文化とかの違いが少しにじみ出てて面白かった。
キャラクター設定が良くて、楽しみながら読めた。
陸秋槎さんの作品は、百合を匂わせている作風らしい。百合は全然読んだことがなかったので興味深く感じた。(作者の陸さんは男性らしい)
数学と文学(本格ミステリ)、読む前は全く正反対のジャンルだと感じていたのに、読んでいるうちに共通点がバンバンでてきて、すごく興味をもったし面白かった。
どちらも少女2人が精通しているので、中途半端な知識ではなくて、そこがまた良かった。
数学もミステリも、そこまで好きじゃなかったし、興味を持っているジャンルじゃなかったので、この作品がきっかけで興味を持てて嬉しく思う。
あとがきと解説はあまり読めてないので、読みたくなったら読もうと思う。研究的な文章がのっていた。 -
Posted by ブクログ
華文本格ミステリということで、果たしてどんなミステリなのかと思っていたら、予想していた以上に、日本の本格ミステリを拗らせたような(いい意味で)ガチガチのメタ的な視点の入った本格ミステリでした。
収録作品は4編。それぞれに作中作があり、作中作と実際に起こる事件に、ミステリ好きの文学少女・陸秋槎と天才数学少女・韓采蘆が挑みます。
韓采蘆が数学の理論と交えて語るのは推理小説の矛盾や新たな視点。ミステリに唯一の正解なんてものがあるのか。トリックや犯人を指摘しないミステリは可能なのか。
いわゆる後期クイーン的問題を数学の理論に絡め、話は進んでいきます。正直数学理論については大概ついていけなかったのだけど、「数学とミステリ」
絶対不変の真実にたどり着くと思われがちなこの二つの類似点と限界を示しつつ、だからこそ改めてミステリというものは、どこまでも作者の自由が及ぶ無限の可能性があるということ。
そしてミステリには、まだまだいろいろな視点や切り取り方があるということを実証する、かなり実験的で通好みの作品に仕上がっているのではないかと思います。
後は天才数学少女の韓采蘆キャラクターが良かった。当初は奇人、冷徹、無感情の天才みたいなものを想像していたのだけど、読むごとに彼女の一面一面に愛着が湧いてくるし、陸秋槎とのやりとりも面白く、時にエモくも感じます。
少女たちのやり取りににやりとしつつも、でも一方でこの年代の少女の嫉妬心や独占心みたいなものも垣間見えて、個人的に心がヒヤリとする場面も。終わり方も作者のちょっとひねくれた感じが見られた気がします。
作者のあとがきを見ていると、相当日本の本格ミステリに影響を受けていることが分かります。そういう意味では、中国ならではの作品という印象は、中国SFと比べるとあまり受けなかったです。しかし日本の本格ミステリ感をより深化させるような作品が、中国から出てきたというのは、ミステリというものもグローバル化してきているのだな、と感じました。