稲村文吾のレビュー一覧

  • ガーンズバック変換

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     陸秋槎さんを知ったきっかけが早川書房の「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー」だった事もあり、再び「色のない緑」に出会う事が出来、感動しています。

     歴史や宗教、言語や文学など様々な知識が盛り込まれており読み応えのある短編集でした。

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    2023年08月08日
  • ガーンズバック変換

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    8作品のSF短編集。読みやすい作品と読みにくい(なかなか頭に入ってこない)作品の差が大きいように感じた。私の好みの問題なのかもしれないけれど。
    個人的に好きな作品は3つ。スマホゲームでシミュレーションされる物理現象を矛盾なく成立させるためにいろいろ考える「開かれた世界から有限宇宙へ」と、手品のトリックをSF的に暴く「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」、なんとも切ないSFミステリの「色のない緑」。特に「色のない緑」では、SF的ガジェットが巧みに使われていて、それがラストの切なさにつながっている。

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    2023年05月25日
  • 悪童たち 下

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    現代中国エンターテイメント小説。中国ではドラマ化もされ、作中のセリフが流行語になるなどして大ヒットした小説だそうで、確かに一気に読ませる面白さは持っている。が、人が殺され過ぎて現実味がなく、一昔前の小説といった印象。

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    2023年05月06日
  • 時間の王

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    時間の王になりたいかー!?
    え?大丈夫ですって?
    そんなこと言わずにちょっとだけですから…。

    ●○●○
    人生は選択の連続で、それゆえ人は選らばなかったもう一つの結末を知りたがります。SFでタイムトラベルものが好まれる由縁でしょう。

    あの時、別な学校を選べば…。
    あの時、あんな事を言わなければ…。
    別な人と結婚していれば…(?)
    ヾ(≧ω≦*)オイッ!
    一体どうなっていたんでしょうか???

    そんな表題作をはじめ、三国志の曹操にラーメンを食べさせようとするトリッキーなお話など、この本ならとことん時間の王になった気分を味わえます。

    ○●○●
    さ、お値段2200円とお買い得!
    今ならキャンペー

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    2022年11月07日
  • 文学少女対数学少女

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    ミステリ好きですが謎解きは苦手です。ロジックが面倒くさくて。ましてや数学となると更に思考が追いつかない世界ですが、無理せず女子たちの会話を楽しみました。

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    2022年10月08日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    前日譚となる「邪悪催眠師」が面白かったので、当然こちらも興味を惹かれますよね。サイコキラー+警察小説+本格ミステリーという正にてんこ盛りの内容。凝り過ぎて荒っぽさも目立つ作品だが、力技で押し通すこの感じが何故か嫌いになれない。羅刑事が主役の前日譚とは異なり、今作は群像劇となっているが、神視点で物語を推し進める著者のスタイルにはこの方が適しているのでは。処刑人<エウメニデス>誕生の経緯と彼が引き起こす事件の凄惨さとの間に大きな隔たり(飛躍)があり、動機と行為のバランスが悪過ぎるのはどうしても気になるけれど。

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    2022年09月19日
  • 文学少女対数学少女

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    1,2年前に、本屋さんで表紙が目に入り、好みドンピシャで購入。
    この本も、普通の小説だと思ってたのにミステリだったパターン。笑
    中国の小説は初めて読んだけど、結構好きだった。国の情勢とか、文化とかの違いが少しにじみ出てて面白かった。

    キャラクター設定が良くて、楽しみながら読めた。
    陸秋槎さんの作品は、百合を匂わせている作風らしい。百合は全然読んだことがなかったので興味深く感じた。(作者の陸さんは男性らしい)

    数学と文学(本格ミステリ)、読む前は全く正反対のジャンルだと感じていたのに、読んでいるうちに共通点がバンバンでてきて、すごく興味をもったし面白かった。
    どちらも少女2人が精通しているの

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    2022年09月17日
  • 時間の王

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    時間をテーマにしたSF短編集。
    ハード面で難しい部分もあったが、どれも面白く読めた。
    三国志好きなのでベストは「三国献麺記」。時間を遡って曹操に麺を食べさせるという発想がぶっ飛んでいてすごい。
    「暗黒へ」は三体っぽい感じで、『三体X』も読んでみたいと思った。

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    2022年08月12日
  • 死亡通知書 暗黒者

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    ネタバレ

    18年の時を経て動き出したエウメニデスと羅飛を中心とした警察との攻防を描いた作品。
    なかなか面白かったが、三部作とは、、、。
    まだ2作目の翻訳もなく、気が長い話になりそう。
    早期の翻訳を期待。

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    2022年06月13日
  • 時間の王

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    文学系エンタメSFと言ったらいいのか、中国の新鋭SF作家の硬軟取り混ぜたタイムトラベルにまつわる短編集。「成都往事」、「三国献麺記」がなかなかだったが、全体的にもっとあっさり終わってくれていいんだけど、という、印象が残った。

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    2022年04月03日
  • 文学少女対数学少女

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    ネタバレ

    SL 2022.2.2-2022.2.4
    華文青春本格ミステリ

    本格ミステリ
    日本の作家へのオマージュ
    百合要素
    どれも知らないまま読んだけど、知らないままのほうが楽しめたかな。
    キャラクタも作中作も面白かった。

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    2022年02月05日
  • 島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー

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    日本と台湾の作家たちによるミステリーアンソロジー。
    (ミステリーなのか微妙な気もする作品もあるけど)

    七色のネコが1番面白かったかな。

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    2022年01月23日
  • 文学少女対数学少女

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    ちょっとおもしろいのは実際の事件よりも文学少女が書く小説を舞台にしていたりするのが変わっていたし、そこに数学が絡むの良い。ただ、仕方ないけど、主人公が中国人なので名前がどうにも頭に入らなくて、なかなか乗り切れなかった。
    これなら、名前をカタカナで表記してもらったほうが頭に入る。

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    2022年01月22日
  • 時間の王

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    ネタバレ

    時間をテーマにした短編集。表題作も含めて話の工夫が「ちょっと面白い」くらいに留まっており、一番楽しめた「九百九十九本のばら」ですら展開は予想の範疇に収まっていた(この作品の主眼は時間や未来に対する捉え方の披露にあるのかもしれないが)。日本語訳にあたって追加された前書きに「南京大虐殺」のくだりが登場するのも面食らったところ。

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    2022年01月03日
  • 文学少女対数学少女

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    数学の定理が重要な要素になるのだが、如何せん私の数学理解が追いつかない。
    嫌いでは無いのに仲良くできない数学。
    文学少女へと向けて平易に解説をしてくれているものの、そのレベルにも達せないわけで、つまりは定理と絡めて語られる推理の面白みやサゲの快感を十二分に味わえない致命的な事態に。
    きちんと味わえない私の力不足…。
    数学ううう…

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    2021年10月28日
  • 元年春之祭

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    前漢時代を舞台とした、百合満載の華文ミステリ。しかも、複数の百合が混在しており、個人的には結構強烈。論文を読んでいるような感覚にもなるが、時代背景を理解する上では欠かせない記述なのだろう。そして、この時代の閉鎖された環境の中では登場人物同士の濃い関係性が生まれるのは必然なのかもしれない。ミステリとして当然楽しめたが、何より、タイトルが格好いい。

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    2021年08月15日
  • 文学少女対数学少女

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    読み始めて、しまった翻訳本だったとなった。というのはカタカナ名だとなかなか区別がつかずに苦労するからだが、本書は中国なので、登場人物の名前が振り仮名がついてない箇所では読めず、同様の混乱に。ただし、登場人物が多くは無いのですぐになれるのだが。
    タイトルの数学と文学に惹かれて手にした。
    過去の数学者のエピソードなども登場するが、この本のメインは推理小説を科学的に定義している?点にあると思う。今まで,そのような見方はしてこなかったが、過去に読んだ本で違和感を感じた推理などを振り返るに、なるほど納得。

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    2021年07月16日
  • 元年春之祭

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    推理小説ということで読み始めたが、どちらかというと中国古典の解釈や漢詩を楽しむ本であった。楚の雲夢が舞台ということで屈原に関しての記述が多く、その他古典からの引用もたくさんあり、中国の思想に関心があれば読んでいると楽しいと思う。ちょっと主人公の性格がキツくて、個人的には好きになれなかった。

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    2021年06月30日
  • 文学少女対数学少女

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    登場人物の名前に馴染みがないので一致させるのに時間がかかったが、なかなかおもしろい話だった。
    ミステリーではあるが、実際の事件を解決に導くようなものは多くなく、ミステリーのあり方というか、評論というか、数学との関連性など、推理小説を書く少女と数学の天才少女、その友人などが議論をしていくような話。
    みんな頭の回転良すぎるので、読者として推理を楽しんでいくというよりは、外からの討論観戦のような感覚。

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    2021年05月23日
  • 文学少女対数学少女

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    文学少女と数学少女。一見すると水と油のような関係に見える2人ではあるが、お互いの足りないところを補う関係が読んでいて微笑ましかった。

    登場人物の名前が全員中国語なので、読む時に少し大変ではあったが、中国の文化や暮らしぶりが垣間見えて勉強になった部分もある。

    物語の骨格になっているミステリー要素と数学。特に数学はフェルマーの最終定理や谷山志村予想が出てくるなど小説としては高度な話が出てくるが、それがうまく内容と結びついていてとても読みやすいと感じた。

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    2021年04月28日