稲村文吾のレビュー一覧
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「忠義・忠愛とは」
ー中国の楚王は基礎を武力ではなく巫術を称え祭儀を重んじた。その命を授かる観一家に殺害異変が起きる。さらにもう一方の家族へ殺害が広がる。そこには巫女に関わる親族間での厳しい規則と躾が人を変え殺害を巻き起こすミステリー、と思いきや、犯人はさらに別人。謎を解こうとする豪族の娘葵は頭脳明晰で豊富な知識を持つ、だが人の心を読む、情に薄く人への愛情が欠ける性格がキーとなる。葵の目的は「邪教の普及」、それと「巫女の禁忌」にまつわる侍女の行動。
中国の古典、社形祭祈儀式、名称など難しい単語が多く出るが、歴史を語る論語、礼記、詩経、漢書など、兵を持って楚国を破った伍子胥、楚国の復興に心を砕い -
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「仕掛けの凝ったミステリー」ドラマで、あまり難しいことを考えずに没入して楽しむことができた。
警察官の死亡事件を解決すべく作られた個性的な専従班メンバーが、過去の事件から引きずられた謎と、次々と発生する予告殺人事件に翻弄されながら、革新へ近づいていく。
決して「仲間同士の団結が解決につれ高まる」ような感動ドラマではなく、どちらかというと「硬派」な感じのメンバー個々の思惑が交錯し、疑心暗鬼を生み出すというドラマ。
時より、メンバーの心理・行動解説を想像してくれる犯罪心理学専門メンバーの慕剣雲や、情報を整理してくれるIT関連エキスパートの曾日華がいてくれて、とても助かった。
わざとじゃないか -
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華文本格ミステリということで、果たしてどんなミステリなのかと思っていたら、予想していた以上に、日本の本格ミステリを拗らせたような(いい意味で)ガチガチのメタ的な視点の入った本格ミステリでした。
収録作品は4編。それぞれに作中作があり、作中作と実際に起こる事件に、ミステリ好きの文学少女・陸秋槎と天才数学少女・韓采蘆が挑みます。
韓采蘆が数学の理論と交えて語るのは推理小説の矛盾や新たな視点。ミステリに唯一の正解なんてものがあるのか。トリックや犯人を指摘しないミステリは可能なのか。
いわゆる後期クイーン的問題を数学の理論に絡め、話は進んでいきます。正直数学理論については大概ついていけなかったの -
Posted by ブクログ
表紙が可愛いという理由だけで手に取ったら
なんと華文ミステリー。しかも本格。
自身が書いた推理小説に自信がない高校生・陸秋槎
(りくしゅうさ)は学校で数学の天才と有名な
韓采蘆(かんさいろ)にアドバイスを求めようとする、
すると采蘆は…。
全4篇、すべて作中作を読み解き(?)かつ
現実の問題も解決(?)していく物語。
なぜ(?)なのかというと、ミステリの超初心者読者
の私としては「なんで?」「それはアリなの?」
「どうしてそうなった?」「ところで○○は?」
と(?)の連続だったからです。
数学が分からなくても(いい意味で)浅く楽しく読めました。
数学が大好きなら深く楽しく読むことができ