綾里けいしのレビュー一覧
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身体に『人』に酷似した部分を持つ、魔獣。
彼らを調教し、人の手に渡す職業の頂点に立つ人物と
知り合った事により、好奇心は満たされていく。
連続短編、なのですが、もう最初からすごい。
ミステリーかと思ったら、ものすごく綺麗に
計算しつくされていました。
この人を糾弾とか、陥れようとか、無理無理。
危機感がない好奇心旺盛な医者の主人公…ではなく
軸は調教師たる彼。
他の人間がその都度主人公になっていくのかと思ったら
そうでもなかったです。
彼が語り手なのは、しましま状態。
間には、別の人間が主人公として頑張っています。
1話目から、穴に気が付かない仕掛け。
2話目は、納品先での家族問題。
3話目の少女舞踊団は、相手のプライドを傷つけたから。
4話目は、規模の大きな結婚詐欺。
5話目で、ついに最初の疑惑の答えが。
1話目からそうですが、そもそも喧嘩を売るなら
相手をきっちり細部まで知ってから、という感じです。
掌で転がされて予定通り、という話の進み具合。
2話目なんか、お母さん公平すぎませんか? という
決断の下し方だと思ったら…でしたけど。
3話目の相手は、たかだか医者の若造相手に
ものすごい罠を仕掛けてくるな、でした。
4話目は騙された方が悪いのか、騙すのが悪いのか。
支払った授業料が辛すぎますが。
そして疑惑だったものの答えがついに、という5話目。
調教師は全員狂っている、という台詞がここまでに
結構出てましたが、さらに納得エピソード。
まぁ本人達が納得しているのなら、良いかと。
そもそも、まさかのメイドさん、でしたし。 -
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雄介は、ヒルガオの復讐のため、舞姫の足を襲撃して遁走します。一方、彼女を守れなかったことに責任を感じた久々津は、雄介を殺して自分も死ぬことを誓い、雄介の居場所を探します。
憎しみの応酬を断ち切るため、小田桐は2人の後を追い求めます。ところが、久々津があさとに、舞姫の足を取り戻してほしいと願っていたことが分かります。約束どおり舞姫の足は元に戻りますが、その代償として、小田桐、雄介、久々津の3人の中から一人が、彼らの前に現われた、どことなくあざかを思わせる女性に、自分の足を差し出さなければならなくなります。舞姫の足を傷つけた雄介と、彼女を守りきれなかった久々津は、ただちに自分の足を差し出そうとしますが、小田桐は声を上げることができません。
小田桐は、他の人たちを救いたいという彼の願いが単なる自己満足でしかないことに直面させられながらも、そんなどうしようもない自分自身の姿と向き合い、そんな自分自身に踏みとどまろうとします。
その後、女に足を奪われた雄介のために舞姫が尽力し、小田桐たちが「犬」であることに自閉しようとする久々津のもとに向かって彼を救おうとして、事件は終息を向かえることになります。
愛する者を守れなかった雄介、自分を「犬」に貶めていた久々津、そして、中途半端に他人を救おうとする小田桐の3人が、一連の事件を通じてそれぞれ自分自身と向き合うことになるストーリーで、心理描写が過多にすぎて若干重く感じてしまったのも事実ですが、ストーリーそのものは十分に満足できる内容でした。 -
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ヒルガオを失い、あさとと舞姫を殺害する決意をした雄介に対して、小田桐は身体を張って彼を止めようとしますが、雄介はそんな彼の説得に耳を貸さず、彼のもとを飛び出していきます。
その後、あざかと小田桐、そして舞姫と現在彼女の「犬」となっている久々津の4人は、菱神昭の家に招き寄せられ、閉じ込められてしまいます。人間ではなく人形でないことに不安を覚えた彼は、人間と人形の違いを知るため、人の身体を解体したいと言い募ります。小田桐たちの活躍により菱神の事件は解決しますが、そこへ雄介から小田桐に連絡が入ります。
雄介が、ヒルガオを売買した人買い業者のところへやってきたことを知った小田桐は、ただちにその場へ行こうとしますが、そこで彼は信じがたいものを目にすることになります。
雄介の怒りと小田桐の苦悩がストーリーの展開にうまく絡んでいて、前巻に引き続きライトノベルにしてはややハードな作風ながらおもしろく読めました。 -
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繭墨霊能探偵事務所に、一人の女性がやってきます。彼女の願いは、死んだ弟の髑髏を持っている少女を見つけ出して欲しいというものでしたが、事情を明かすことに戸惑いを覚えた彼女は、けっきょくあざかたちに依頼することなく、事務所を出ていきます。ところが、その女性が探していた少女が、あざかたちのもとに現われます。彼女は、異能者の家系に生まれながら、身柄を売り渡されてしまったのでした。けっきょく、雄介がその少女を引き取ることになり、彼は少女に「ユウガオ」という名を与えます。
その後、幸仁の生み出した「神」が増殖してしまい、その対応に小田桐たちが振り回されるという事件を挿んで、人形使いの異能者でユウガオの実姉である唐繰舞姫(からくり・まいひめ)の関わった事件に巻き込まれることになります。今回、あざかのもとに仕事を持ち込んだ菱神昭(ひしがみ・あきら)は、自分とそっくりの人形の制作を舞姫に依頼した人物でした。
さらにその事件の背後で、ユウガオがあさとのもとを訪れて自分の過去を知り、みずから死を選ぶことになります。ユウガオの死を知った雄介は、あさとと舞姫に復讐するため、バットを持って街へと飛び出します。
「神」を捕獲するエピソードはややコミカルな作風ですが、メインのストーリーはややシリアスな方向に話を振っています。とくに菱神の事件はスリリングでした。 -
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今回は、連作短編仕立てになっています。
第1章では、妹と自分自身の視線から逃れようとして狂気に陥った男の物語。小田桐は、あざかを男から守ろうとして目を攻撃され、ショックで一時的に視力を失ってしまいます。
第2章は、死にゆく異能者の依頼を受けて、あざかと小田桐が彼の最後を看取る話です。
第3章は、小田桐と雄介、七海、綾が闇鍋をする話。
第4章は、異能者の鴉越雛(うごし・ひな)が自殺した後、彼女の眷属であるカラスの様子がおかしいことに気づいた鴉越樹(うごし・いつき)が、あざかに調査を依頼する話。
今巻は、白雪が小田桐のもとに押しかけてきて、ラブコメ色がかなり強くなっていますが、ストーリーそのものも十分に楽しめました。 -
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この巻で、繭墨あさととの戦いに決着がつけられることになります。
前巻のラストで、心を閉ざしてしまった小田桐ですが、そんな彼の前からあさとが水無瀬白雪をさらっていったことで、小田桐はふたたび立ち上がります。その後、小田桐の下宿先に、あさとの意を受けた白木綾がやってきます。小田桐は、七海を味方につけて綾を幽閉し、あさとに関する情報を聞き出そうとします。
その後、事務所へと足を運んだ小田桐は、あざかの死体を目にすることになります。あさとによってあざかが殺されたと信じた小田桐は、お腹の雨香とともに、あさととの決着へと挑みます。
ストーリー展開は、前巻からの流れを引き継いで、自然な形で進行していきます。そのため、これまでよりもずっと読みやすく感じました。第1巻からの流れにひとまず決着がついたところで、ようやく落ち着いてストーリーを振り返ることができて、すっきりした気分になりました。 -
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繭墨家と同じく異能を操る家系である水無瀬家から離反者が出てしまい、あざかのもとに依頼が持ち込まれます。
小田桐は、前巻で登場した少年・嵯峨雄介(さが・ゆうすけ)とともに、ストリート・アートを動かす能力を持つ少年・幸仁(ゆきひと)を取り押さえます。このことがきっかけとなって、あざかたちは水無瀬家の当主・水無瀬白雪(みなせ・しらゆき)の依頼を受けることになり、水無瀬家のお家騒動に巻き込まれることになります。
白雪や、小田桐の下宿先の孫娘・七瀬七海(ななせ・ななみ)のキャラクター造型がライトノベル的で、前巻に比べるとかなりコメディの方向に振ってきたという印象です。もっとも個人的には、こういったテイストの作品の方が好きなので、楽しんで読むことができました。 -
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表紙を見て一瞬コミカライズを2冊買ってしまったと思いそうになるほどそっくり・・・と、いうよりモロパクな表紙。あざかの口元や小さく「4コマ」と書かれた違いよりも本の大きさで比べたほうが早いぐらいのレベルなのだ。
それもそのはず、なんと本編のコミカライズを描かれている榊原宗々先生本人による4コマなのだ。
本編では見事に醜悪で美しい物語を描き上げている人と同じなのか本気で疑いたくなるなるキャラの崩壊っぷりがすごいw
特に静香とか反則だろ、色々と。
本編の緻密なのもいいけど、デフォルメされたキャラ達も素敵な出来。あざか可愛すぎでしょ。中身は本編上回る理不尽ぷりだがw
逆に本編コミカライズを気に入って、同じ人が描いているなら・・・と思って買うのはかなり危険。本編の雰囲気を本当に大切にしたいならあえてスルーで。