綾里けいしのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
狐の話エクストラ的なものか。メインは猫。
相変わらず醜悪過ぎる世界観だが、すっかりこれが病みつきになってる自分がいる。悔しい。
そんな中で繭墨萌えれるのはこの世界にどっぷりと浸かってる証拠。
今回は紅い花の怪奇(勿論グロ)とその周りをまわる怪しい猫、そしてちらつく狐の影・・・
関係者は相変わらずの狂人ぞろいで読んでてゾッとする。
醜悪の代名詞になりつつある小田桐もその醜さっぷりが顕著になってきたというか、本人、遂に開き直りの境地に入るしね。
konaさんのイラストが相変わらず美しい。
308,9ページの見開きイラストが色々衝撃的過ぎて思わず止まってしまった。 -
-
-
Posted by ブクログ
グロと独特の雰囲気で魅了してくるB.A.Dシリーズの短編集(というには1編1編が長い気がするけど・・・)。
WEBで連載されていた小田桐が繭墨あざかを呼ぶようになった話、本編からは全く想像もつかない嵯峨雄介に恋した女子の話の2つに加え、書き下ろしで繭墨あさとが狐となる瞬間の話が入っている。
B.A.D.シリーズ読んでいる人にはとても大きな影響与えることまちがいなし。
以下各短編の感想
『僕が「繭さん」と呼ぶ理由』:話の時系列的にも1巻の前で小田桐のある種のウザさ、腹の子に対する認識とかが前のままなのでせっかく4巻まででよくなってきた流れが完全にないから結構読みにくかった。
『私が先輩に -
-
Posted by ブクログ
1巻に比べてものすごく文章が自然になった。へんなくせがなくなって情景が浮かびやすくなった。
つるんと読めました。
ていうか幸仁の『神』がすてきに楽しい。笑えていい。
したがってこれはなかなか好きな類の作品になりつつありげ。
いまだストーリーの行方的なものには関心がわかないままだけど。
やはり動機に意外性がなくてどうも結末が気にならないのだよね。
そんな感じですが取り敢えず人物同士のやりとりが楽しくなってきたので3巻に大いに期待してみます。
それから、繭墨の小さなしぐさひとつひとつに性格や気分みたいなのがよく表れてるなぁと、2巻目でようやく気づきました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々のラノベ。ホラーでファンタジーでミステリ。
ちょっとグロ要素強いけどその辺はライトノベルなんでそこそこの臨場感。
ファンタジー要素が少しでも入ってる作品ってここぞの時の予定調和に使われがちだけど、この作品はその辺りの自制がしっかり効いていると思う。1巻ラストのストーリーは作者の筆力が存分に発揮されていて引きこまれた。
主人公繭墨あざかがルックスやしゃべり方や能力までかなりの完璧キャラだからそう感じるのかもしれないけど男ももうひとくせ強いキャラの登場を望む。
それにしても片桐翻弄されすぎ…
グロだから地上派ムリっぽいけどCSとかOVA化してほしい。 -
Posted by ブクログ
最初の人魚の話はすごい。醜悪さと幻想的な表現を効果的に使っており、綾里氏の描く世界があっという間に読み手を包む空気を変えていく感じ。更に溺死した彼女の思いを知った時や、小田桐が牧原に浴びせた言葉が与えた結果が分かった時など、久しぶりに読み浸れる内容に出会えた気がした。
第2、第3と続くエピソードも悪くはなかったが徐々に最初に感じたインパクトが弱まった気がする。ひとつは仕掛けを作り過ぎて、やや分かりにくさが先行する瞬間があり、小説の世界から思考する現実に引き戻される感じ。この辺は読み手である私の能力不足であり作品を批判することはできないが、どこかでここまで思い通りに人が動かされるものなのかと -
Posted by ブクログ
あらすじを軽く見た段階では本作ってバトルロワイヤル系かな?って思っていたのだけど、何もかもが壊れているような悪辣な作品だった……
話の大筋である「必要な聖女は1人だけ」とのフレーズだって本来は13人の聖女に分ける必要なんて無いだろう特異な立場や能力を敢えて分け与えた上で殺し合いを求める構図になっているのは本当に悪意しか感じられない。しかし、それが神様によって行われているなら、それは悪意ではなく世界の在り方そのもので
どうしたって聖女同士が殺し合う宿命は壊れているように感じてしまう
そんな世界に迷い込む斗真も一見壊れているように見える少年だね
彼が陥った地獄は断片的にしか語られないけれど、人間 -
Posted by ブクログ
最後の短編集でありシリーズ最終巻だけれど、収録されている話の半分が時系列に初期の初期である点は少し面白い
全てが終わり、小田桐とあざかが平行線のまま穏やかに終幕へと辿り着いた事を思うと、今にして初期における小田桐とあざかの関係性を見直す事で見えてくるものもある。そうした段取りを踏むからこそ、本編終了後のアフターストーリーも味が滲み出てくるのだろうし
『小田桐は今日も理不尽と戦う』と『七海は幽霊を信じない』は本編では明かされていなかった小田桐と七海の関係が始まる物語だね
七海が小田桐みたいなぬぼーとした人にどうして入れ込むようになったのか疑問だったのだけど、利用価値を見出した事が始まりだった